Leica M3

夜明け時から僕とライカはすでにソワソワしている。

アフィリエイト広告を利用しています

そしてまた休みの日のこんな時間に目が醒める。4:57am、外は雨の音が聞こえ、まだ暗闇。静まり返った部屋の中で音楽もかけず、僕とライカは撮りに出かけられる時刻を今か今かと待ちわびている。まるで子どもだなあ笑。

フィルムに恋したばかりにも関わらず、時を待たずして手にしてしまったライカ。購入した日は、そのブレーキの効かなかったじぶんの行動に、さすがに自己嫌悪に陥ったりもしたのだけど、こうしてライカを眺めていると、やっぱり手にしてよかったと今は素直に思える。それほどこのカメラは不思議なくらい愛着がわく存在なのである。

先日入れたフィルムがまだ撮りきれずに入ったままだから空シャッターは切れないけど、各部を眺めては手に持って半世紀前の職人たちが組み上げたこの孤高のカメラのプロダクト美にとにかくやられている。M3はライカMシリーズの原点、そのコストを無視したような造り込みは未だにM3を超えるライカは登場していないと人々に言わしめる。たしかに、手に持った感触からは、そんな只者じゃない迫力のようなものを静かに感じさせる。そう、静かにだ。これ見よがしに伝えてこないところがまたこのカメラの魅力だったりする。そして、男はそういう種類の存在感にやられてしまう生き物なのである。

そういえば昨夜はうれしい言葉をTwitterのフォローつながりの人から声をかけてもらった。「記憶カメラさんは、ほんとに写真好きなんだなぁっていつも思ってます。これからも素敵な写真撮ってくださいね」という言葉だった。少し会話を交わした後「ずっと撮り続けてくださいね」と言ってもらったのだけど、その時、あ、”撮り続ける”ってなんかいい言葉だなと思った。こんな次々と新しいモノやコトが怒涛のごとく押し寄せる超高速な毎日にあって、ひとつのことをじっくり続けるってことは何か神々しい出来事に思えるし、それがカメラひとつあればできるという感覚に、これはささやかだけどとても素晴らしいことと思った。

太陽の見えない空も、こうしてブログを書いている間にだいぶ白んできた。二度寝する時間はどうやらないようだ笑。あとしばらく散歩カメラに出るのを待つ。いい歳したおじさんがこうしてソワソワする休日の夜明けの様子をこんな風にひっそりとはいえブログに綴るのは恥ずかしくもあるけど、カメラといると青春してられるからしょうがないというか、カメラ産業を支えている人たちへの感謝の気持ちも込めて書いている。カメラの匂い、フィルムの匂いがする部屋で。

関連記事