僕の場合、フルサイズミラーレスはオールドレンズ母艦機ではなかった。
というのも、僕の場合、所有するオールドレンズのほとんどはライカかニコンのもので、ライカのレンズにはM型デジタルのLeica M-P typ240が、オールドニッコールにはFマウントのデジタル一眼レフ Nikon Dfがある。
ライカのレンズは、ライカのボディで、ニコンのFマウントレンズにはFマウントボディで、というのがやはり理想だ。単純にアダプターをかませないルックスが美しいという点においても。
もちろん、この先のことは分からない。Z6購入時にはFマウントレンズを装着することができるFTZアダプターも一緒に購入した。
本体手ぶれ補正内蔵のZ6ならオールドニッコールたちをより精度高く使えるだろうし、ニコンのレンズ以外にもズイコーやロッコールのMFレンズを持っているから、それらのレンズを楽しむのにZ6は重宝するだろうとも思っている。
けれど、それはどちらかといえば副産物で、Z6はまず何より、ニコンのこれからの100年に賭けたZマウントの世界を、その初号機で体感し、見晴らしたいという思いが強かった。
もし僕がLeica M-PとNikon Dfを持っていなかったら、このNikon Z6がオールドレンズ母艦機になっただろうし、単にオールドレンズ母艦機としてだけならSONY αシリーズなど他社のフルサイズミラーレスを選んだかもしれないしね。
と言いながら、これはあくまで購入時の現時点での話だから、今後Z6や他のデジカメを使い分けていくなかで、やがてZ6にオールドレンズを集約する日も来るかもしれない。それは今の時点では分からない。
けれど、M-PやDfがある分、今はとにかくこのニコンが新たに挑戦しようとする「未来」のほうを堪能したい。この三日間、Z6に触ってみて、その思いはさらに強くなっている。Nikon Zマウント機とは、僕らNikonユーザーに何を語りかけてくるのか。今はとにかくそれが楽しみで興味深いのである。