このブログとTwitterアカウントを始めたのが2年前の夏。当時はNikon D750とRICOH GRをメインに写真を撮っていて、Twitterもいわゆる写真垢みたいな感じで立ち上げた。最初は誰をフォローしていいのかまったく分からなかったけど、少しずつTLに流れてくるひとをフォローしていき、だんだんと写真好き、カメラ好きのひとつながりが分かってきた感じかな。
当時はあまりデジタルとかフィルムとか分けて考える意識もなかったし、何よりフィルムって面倒なイメージがどこかにあって、僕はたぶん一生やることはないだろうと考えていたと思う。でも、好きな写真をTwitterで日々眺めていると、なんだかフィルムやってるひとたちの写真、そのライフワークみたいなものが気になり始めたんだよね。いつからかははっきりしないけど、ほんといつのまにかね。
フィルムってリアルタイムでTweetはできないでしょ。だからTwitterとは親和性よくないはずなんだけど、ん、待てよと。僕のブログだってそもそもリアルタイムじゃないし、写真を通して何かを伝えたいとしたら何もリアルタイム写真ばかりじゃなくていいんじゃないかと。Twitterの中のフィルムのひとたちみたいに、リアルタイムじゃない写真の披露の仕方は、なんというかもともとの写真のあり方のような気がした。
あとね、これは僕の嗜好によるけど、デジイチをすべて手放していたことがやっぱり大きいと思う。こころのどこかでいつかまた一眼レフを再開しようと思ってたじぶんがいたのかなと。再開するときはやっぱり僕の初めてのカメラだったNikonがいいなと思い、だったらいっそのことデジイチに”戻る”んじゃなくて、フィルムで”未知の世界へ”進みたいと思った。そんな風に考え始めると、ますますというかTwitterのTLのフィルムやってるひとたちの写真や言葉がつぎつぎと目に飛び込んでくるようになったんだよね。
フィルムも、フィルムカメラも、新商品として広告なんかやってないわけだから、こうしてTwitterなんかで目にする実体験の声なんかはとても影響が大きい。そして、フィルムなんかは経験談こそが最高の取扱説明書だったりする。よくスポーツ選手や音楽家の両親の家庭に育つとこどもが影響を受けてその道を歩んだりする話があるけど、日々影響をどこかしら受けていく感覚はそれに近いのかな。そうして誰かに影響を受けて新しいことを始めると、同じようにじぶんも誰かにそのよさを伝えたくなる気持ちとかね、芽生えてくるんだよね自然と。
というわけで、少しフィルムを始めたきっかけを書いてみたんだけど、でもね、だからと言ってフィルムがよくてデジタルがよくないとかそういうことでもないし、写真の楽しみ方はそれこそ無限大でいいと思う。もう少し正確に言うと、デジタルとフィルムは僕は別物だと考えている。どちらも写真とはいえ、その質感や楽しみ方は実はずいぶん違う。スポーツは好きといっても、野球好きなひとがサッカーも好きとはかぎらないでしょ。そんな感じ。だからこそ、好きなほうを楽しめばいいし、どっちも楽しめたらそれは趣味が多彩だね、という感覚で。でも、だとしたら、スポーツでいえばちょっとマイナースポーツみたいなもんである”写真のなかのフィルム”というジャンルをもう少し盛り上げていきたいというのはある。デジタルと同じくらいの位置までね。どうかな、むずかしそうだけど、近ごろは何か手ごたえというか、フィルムの風は感じるんだな。ひいき目に見てるからかな。フィルムとは昔のもの、というジャンルじゃなくて、フィルムというジャンルがどっしりと確立されていくといあなあ、と思う。