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それにしても違和感のない、実にしっくり組み合わせだ。Leica M-P typ240とSummicron 50/2 1st 固定鏡胴 後期型、ズミクロンが登場してから実に60年越しのM-Pとの共演といえるのかな。
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僕のズミクロンは沈胴しない固定鏡胴タイプで、手持ちのエルマーが沈胴式だから、ズミクロンは初代でも固定鏡胴が欲しかった。中古カメラ店で何度もtyp240とM型フィルムライカに装着してその佇まいを確認し、最後は「うん、これだ」と確信して購入した。
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もともとズミクロン1stを手に入れようと考えたのは、Leica M3用にと思ったから。この夏、僕はふとLeica M3のことをあらためて惚れ直すに至り、M3を生涯使い倒すのであれば、やはり当時M3とセットで売られていた標準レンズといっていいズミクロンをつけてやるべきじゃないか、そう思った。
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物理的に言えば50/2というレンズはPlanar T*2/50ZMを持っていたから必要ないんだけど、そこはやはりライカで確かめたかったというのかな。ElmarとSummiluxは持っているんだけど、その間を埋めるf2のレンズもライカのオールドレンズで確かめたかった。僕の中でライカのオールドレンズに魅せられてきた結果だと思う。
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フィルムで撮る前に、まずズミクロンの性格みたいなものを掴みたかったから、デジタルライカM-P typ240に装着して、愛犬の散歩と共に試し撮りへ出かけてみた。エルマーとズミルックスとどう違うのか、同じf2のプラナーとどう違うのか、そんなことを考えながら、ひとまずは辺りをいろいろ撮ってみた。
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まあ僕の目にそれらの違いを語れる能力があるかというと無いわけだけど、感覚的なことでいえば、ズミクロンは「試されるレンズ」だと思った。
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僕的にいえばズミクロンは見事にエルマーとズミルックスの中間的世界だと感じた。エルマーの奥深さ、そしてズミルックスの華やかさ、その両者のよさを中間的に持ち合わせているレンズ。でも逆にいえば、どっちつかずのバランスのとれすぎた描写になる。エルマーとズミルックスで撮ってきた僕には第一印象としてそう感じられた。
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これは僕がエルマーとズミルックスの描写がそれぞれ好きすぎるからそう思うんだろうけど、ズミクロンを最初から手にした人であれば、このバランスのいい描写はまさに代表的レンズの風格を堪能できる一本だろうと思う。現代的レンズであるZMプラナーと比べても「癖のあるボケの余韻」は分かりやすくオールドレンズ の良さを堪能できる。
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でも、もっといえば「ズミクロンは簡単じゃないレンズ」じゃないかと思った。ひとまず試し撮りの第一印象としてこうして感想を言葉にはしているものの、たかだか試し撮り程度では語れない奥深さを持ち備えているレンズ、それこそがこのズミクロンの真骨頂じゃないかと。時間をかけてじっくりとその実力を絞り出していく楽しみがあるレンズ。それこそが僕が初代ズミクロンに感じた魔性のような魅力だ。
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まずはデジタルライカで試してみたけど、このズミクロンの真髄はやはりM3につけてからが真の快楽なんだろうな。僕がこの初代ズミクロンの購入を決めた最後の押しは、このフードITDOOをつけてM3に装着してみた姿に惚れ込んだからに他ならない。この佇まいは、撮れる写真云々の前から撮り手にパッションを与えてくれる。
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やばい艶かしさ。ズミクロンはやはりM3のために生まれたレンズ。当時のライカ開発陣の美学や気迫がプンプン漂ってくる。バルナックとエルマーの組み合わせと同じ種類の、ひとかたまりで圧倒してくる究極の機能美のようなもの。僕にとってカメラとはデザインの美しさも最大の要素、固定鏡胴のズミクロンはそこも軽々と撃ち抜いてきた。やるな、ライカ。人生を共にする価値がこのレンズにはある。