フィルムカメラ

デジカメで写真欲が落ちたら、フィルムをやるといいよ、きっと。

Lomography Color 400

僕の過去のブログを読んでくれたことがある人なら知ってるかもしれないけど、僕は一度、持っていたカメラとレンズをほとんどすべて手放したことがあるんだよね。

手元に残したのはRICOH GRだけで、あとのフルサイズデジタル一眼レフやそのレンズ、コンデジなんかもすべて一度さよならした。

まあ、いろいろ思うことがあって手放したわけだけど、カメラが嫌いになったわけではないけど、なんというか多くのカメラを使いこなすのがキツくなった。そして、それから一年ほどRICOH GRだけで日常を過ごすことになる。

GRだけで何も困らなかったし、もうそれ以外のカメラを手にすることはないと思っていた。というか、そんなことすら頭によぎらなかった。

それが今、当時より多くのカメラとレンズを手にして、カメラのある毎日をほんと謳歌している。じぶんでもそれは割と驚きでね。

きっかけをつくってくれたのは、一台のフィルムカメラを手にしたことだった。それが今も手元にあるNikon FE。

たまたま立ち寄ったカメラ屋のショーケースにAi 50/1.8のレンズ付きでたしか一万円もしなかったんじゃないかな。

何かふと思うところがあって、ショーケースが出してもらい、ファインダーの中はお世辞にも綺麗とは言えなかったけど、まあ撮るのには問題ないだろうということで、安いし、まあいっかと試し用フィルム業務用100をお店で詰めてもらい持ち帰る。金曜日の夜だったかな。

で、翌朝の土曜日、ちょうど今くらいの季節で梅の花を撮ったんだよね。撮ったといっても、フィルムだから撮れてるかどうかも分からない。ただ、絞り優先モードがあったからなんとなくデジイチの要領で撮った。

フィルム巻き上げの感触はなんか現代のカメラと比べると頼りないし、シャッター音もこんなガラクタ(ごめん、当時はそう思った)みたいなクラシカルな音とショックで、これ大丈夫か?みたいなね笑。

そうそう、久しぶりに使われたのか、たまにシャッターが引っかかったりしてね。使ってるうちに馴染んでその症状は出なくなったけど。

まあ、その人間くさい古めかしい機械に、こりゃ撮る行為に趣はあるけど、写真なんかまともに撮れないだろうなと。

そうして、それほど期待をせずに現像に出したんだけど、ここから僕の人生が少し変わった。驚くほど普通に、いや雰囲気ある写真があがってきたんだな、これが。

以来、僕は露出というものを初めてちゃんと意識し始める。カメラの構造、写真を撮る本質的作法みたいなことも。そうすると、それまでいかにじぶんがカメラ任せで写真を撮っていたかが分かるんだよね。

現代のカメラは恐ろしいほど自動であれこれ調整してくれる。これはもう、じぶんが撮ってるんじゃなくて、カメラが撮ってるといってもいいくらい。

それと比べると、フィルムカメラはほぼ何もしてくれない。じぶんで露出を判断して、じぶんで感度を決め、じぶんで絞りやシャッタースピードを調節して、ピントすらもじぶんで合わせないと写真は撮れない。

けど、シャッターを巻き上げる感触、シャッター音、その手作りで写真を仕上げる感覚は、デジイチしか知らなかった頃からすると、とても風情のある時間を僕に提供してくれた。

たしかに、写真はスマホでも撮れるし、現代のデジカメなら誰でもある程度綺麗な写真は撮れる。でも、ロケーションや撮るジャンルによほどのこだわりがなければ、いつも同じような質感の写真ばかりが量産されてちょっと飽きてくるところもある。

そんなデジカメに対して、フィルムカメラで撮る行為はもう少し面倒で、もう少し不自由、もう少し撮る行為にクリエイティビティを求められる。これが、実にいい。

これだけ複雑でスピードが要求される時代に、これだけシンプルでじっくり撮るその所作は、なんともいえないひとときをもたらしてくれる。

フィルムカメラで撮るといい雰囲気の写真が撮れるとよく言われるけど、あれは単にフィルムの質感の違いだけじゃなくて、ゆっくりじっくり撮ってるから気づかないうちに丁寧にシャッターを切ったいるのと、撮った写真をその場で見ることができないからかなりのイマジネーションを投入してる。いい写真があがるわけだよね。

で、そんなクセがついてくると、デジカメで撮る時も意識や撮り方が俄然変わってくるんだ。僕はその経験者のひとり。

人様に見せられるいい写真かどうかは別として、じぶんなりにはデジカメだけで撮っていた頃とは180度違うんじゃないかというくらい、まったく別物のカメラライフを今送っている。デジカメでもまったく飽きることがない。

だって、カメラや写真の本質が少し分かるようになることは、その奥深さも知ることになるからね。とてもじゃないけど、その無限大とも思える深さを考えたら、飽きてる暇なんてないから笑。

僕がたまに使う言葉「一生、試し撮りだから」というのは、本当のところなんだ。

撮れば撮るほどどんどん疑問や課題、理想や希望が出てくるから、また明日が楽しみになる。

今日できなかった事や知らなかった事が、明日は少しだけ前進する。その終わりのない進み方が、実に人生そのもののように思える。

なんだか、書き始めのテーマと合ってるのかどうか分からなくなってきたけど笑、とにかくデジカメライフに何かしらの壁とか閉塞感を感じたら、フィルムカメラを一台手にしてみることをおすすめする。

安くてボロのカメラでまったくOK。僕がNikon FEを手にしてこんなガラクタみたいなので撮れるのかと思った、そんなスタートでまったく問題ない。

ただ、カメラはボロくても、写真はまったくボロくない、そんな軽い衝撃が人生に訪れるから。これはもう、言葉では言い表せない。体験してもらうしかない。

でも絶対、フィルムとフィルムカメラは裏切らないから。そこにはとんでもなく新しい始まりが待っている。

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