なぜ僕らは段々と黒いフィルムカメラに惹かれるのか。
多少、決めつけ感は否めないけど。でもこの場合の僕らというのは、フィルムカメラにある程度ハマっている人だから、僕も含めて周囲を見るとそうである人が多いのは、ある程度間違いないところだろう。
僕も最初にフィルムカメラを手にした頃は、イメージとしていかにも金属のカメラらしいシルバーボディがいいと思った。Nikon FEもKonica C35もLeica M3もNikon F2アイレベルも、みんなシルバーボディだった。それがいつからか無性にブラックボディに惹かれるようになり、今は所有しているカメラの割合としてはブラックボディのほうが多くなったと思う。
実生活の僕の周囲にはフィルムカメラユーザーはほとんどいないので、この黒ボディの精悍さに段々と魅せられていった要因は、Twitterの中のカメラユーザーの人たちの影響がかなり大きい、というのは自己分析。そういう意味では理屈ではないんだろうとも思う。
それでも理屈を並べるとするならば、まず目立たないということ。特に屋外ではシルバーボディのカメラを構えると意外と目立つ。スナップしたいなら、ブラックボディのほうが周囲に溶け込める。
あと、塗装の剥がれをエイジングとして楽しむことができる。金属のカメラはどこかボロボロに使い込みたいという願望が芽生えるところがある。この記事の写真のNikon Fはほぼ使用感のない状態のものを手に入れたんだけど、大事にしつつも飾り物にするつもりはまったくなくて、僕が傷だらけにしていきたいという妙なヤル気にソソられる。
まあ、ヤンチャ感でありちょい悪感みたいなものが、男心をくすぐるんだろうね。リーバイス501を履き潰していくような、愛用品をベコベコにしていきたい気持ち。そこにブラックボディのフィルムカメラはどんぴしゃハマるんだよな。
いやいや、じぶんはシルバーボディ派だよ、という人もいっぱいいるだろうけど、この現象は「段々と」というのがミソなので、これからこの病?に侵されていく可能性は十分にある。僕は、もうカメラはこれ以上は増やさないと誓ってるところがあるんだけど、この「黒いフィルムカメラ」というモノだけは別腹な気がして、常にビクビクしている、いやワクワクしている笑。