2週間くらいかかるかなと思っていたNikon F2の修理が10日間ほどで終わり、ようやく手元に戻ってきた。この艶かしいクロームボディを眺めるとやっぱり心がハイになる。ブラックボディやチタンボディもたしかにいいなと思うけど、この時代のカメラはクロームにかぎる、というのがLeica M3と共通する僕の嗜好だ。
修理の内容だけど、ある時フィルム送りがぎこちなくなり、やがてシャッターの巻き上げも引っかかりが出るようになってね。それでもタフなカメラだからだとフィルム巻き上げボタンなどを押しながらシャッター巻き上げをしていたんだけど、最終的にはほぼ巻き上げが不能に。で、地元ではここしかないというカメラ修理店に初めて手持ちカメラを持ち込んだ。ついでにヘリコイドがスカスカ気味だったAi28/2.8も装着して、修理をお願いして10日間。しっかり快調なコンディションになってボディ/レンズともに生き返った。
受付の人たちは事務専門の女性スタッフたちだったので、あまりカメラの修理には詳しくないことが分かってたから、男性の修理職人の人を見つけて、今回の修理の内容を聞いてみたところ、修理項目としては分解して内部清掃とあるけど、清掃というのは内部の部品やグリスが劣化して削れたり固まったりして起こす噛み合わせの不調を正すという意味らしい。僕のF2を修理した本人ではなかったけど、親切丁寧に教えてくれた。まあ古い機械だから、さすがにこうした経年劣化による故障は起こるけど、やっぱり小まめにシャッターを切ってあげることが最上のメンテナンスって言ってたな。あと、レンズのほうも経年劣化でヘリコイドが硬くなって動かなくなったり、逆にスカスカになるらしいけど、これはそういう症状が見られたら早めにグリスを塗り直したほうがいいと。ちなみにAiレンズはきめ細やかなグリスを使用しているんで、症状としてはスカスカになるパターンらしい。これを放っておくとカメラ内部と一緒でグリス屑みたいなものがレンズの組み立て部品を痛めてしまうらしい。なるほどなと。
というわけで、初めてのカメラ修理もなかなか新鮮な学びになった。じぶんがこうしたメカに弱いんで、ただただ職人さんの言葉に関心しきりというか、なんかものすごく頼もしいなと思った。これなら、今後また修理するカメラが出てきたとしても、それほどオロオロせずに済むかなと。何事も経験しとくというのは大事だよね。蘇ったF2の空シャッターをさっそく切る。カチャーンと甲高い金属音が響く。そうそう、この頭蓋骨に響くシャッター音と感触こそがF2の魅力。しばらくフィルム一眼レフはNikon F6を多用してるけど、次の週末はF2も久しぶりに連れ出そう。秋本番に間に合ってよかった。
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