写真とは

いや、今では縦位置の写真のほうが多いかもしれない。

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僕は一眼レフを手に入れて以来しばらくの間、縦位置の写真がまったくなかった。最初はスマホが縦位置ばかりだったから横位置のほうがいかにも一眼レフで撮る写真らしいと好んで横位置で撮っていたのだけど、そのうち縦位置で撮ることが苦手になっていることに気がついた。そうすると縦位置で撮るってどうしたらいいんだろう、どういうシチュエーションがいいんだろう、どういう心境で撮ればいいんだろう、とまわりの人の縦位置の写真ばかりが気になり始めた。そして、物理的にも一眼レフを縦に構えることは平衡感覚を無くすというか、フィジカルでなかなか難しいことでもある(シンメトリーじゃないアンバランスさの心地悪さみたいなもの)と気がつく。と、そこまでなんとなく分析しつつも、それでも一眼レフを縦に構えるのは億劫なじぶんがいて、そうなるともはや諦めというか、僕は縦位置は諦めようみたいに考えてるフシもあったのだけど、ある日転機がやってきた。それは、街角の路地で外国人の人がビルとビルの間に沈む夕陽をまさにカメラを縦に傾けて撮っていたのをたまたま見かけたことがきっかけだ。あ、そうやって構えればなんだか自然体で縦位置って撮れるのかと。なんというかストンと腑に落ちた。で、その外国人の人が撮っていた位置に行って同じように持っていたRICOH GRを縦に構えてみた。お、そういうことかと。モニターの中にはいかにも縦位置が気持ちいい構図が写し出されていた。ほんと、それ以来なんだよね、縦位置の写真を撮るようになったのは。あの外国人の人にも感謝だけど、GRだけをしばらく使ってきたことも大きくて、GRは形がシンプルだから縦位置にカメラを回転させても90度というのがフィジカル的に分かりやすい。そこが僕の中の縦位置克服の突破口になった。一眼レフをあのまま使い続けていたら、未だに縦位置はどこかぎこちない写真になっていたと思う。

そして、その苦手だった縦位置だけど、今はというとむしろ横位置より縦位置で撮るほうが多いくらいだ。それはじぶんのInstagramの写真を一覧でふと見ていて気がついた。あれ、縦位置の写真ばかりじゃないかと。そういえば、フィルム一眼レフで土日に試し撮りした時も普通に縦位置をけっこう撮ってた。あの一眼レフの形でも横にカメラを倒すことが自然体でできるようになっていたってことだね。こうしてまたひとつ苦手だったことを克服できたことが密かにうれしい。なんでもやってみるもんだなあというのと、他人の真似は案外素直にしてみるもんだなあと。ちなみに縦位置に構える時は僕はシャッターのある右手を上にしてカメラを横に寝かせてるけど、これは合ってるのだろうか笑。たしかあの時、夕陽を撮っていた外国人がそう構えていたのを真似た気がするからそうなんだろうとは思うけど。いや、右手を下にするほうが姿勢的に難しいか笑(いま、手を動かしてみたけど)。あと、縦位置で撮るとスマホの写真ぽくなるのかなと思っていた当初の不安のことだけど、これが不思議とスマホ縦位置写真とカメラ縦位置写真はまったく雰囲気が違うもので僕の中でははっきり別物という実感がある。なんでだろう、ここはまだ正解がわかっていない。

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