35mmと夜ライカの季節。
といっても、まだ8月21日。秋の始まりというには早すぎて、実際はかなり汗ばんでの撮り歩きだったけど、やはり夜スナップは気持ちいい。
きょう持ち出したのは、M型デジタルのLeica M-P typ240と、フォクトレンダーのColor-Skopar 35mm f2.5 C-type。実は初めての組合せだ。
いつもは大抵、焦点距離50mmのレンズで撮るんだけど、スナップといえば35mmレンズということもあるし、そういえば手持ちのレンズの中に35mmもあったぞと、ちょっとふだんと気分を変えたいのもあって、Color-Skoparの出番となったわけである。
50mmよりは広く、でも28mmほどは広大ではない画角は、たしかに自然体の目線に近い気がして、しばらくこの焦点距離で撮り続けようかと思わせる何かがある。
このクラシックタイプのカラスコは、開放f値がf2.5と夜スナップにしては控えめな明るさのレンズなんだけど、ある程度光のある場所で撮れば、しっかり光をすくい取ってくれる。感度を3400まで上げると、比較的どんな暗がりでも心配無用で撮れ、そのレンズのコンパクトさと相まって、「けっこういいじゃん」と妙に納得するところがある。
なんといっても見ての通りのコンパクトさなのである。M型デジタルtyp240は最新のM10系モデルと比べるとボディは厚みがあるんだけど、レンズがこれだけ小さいと一気に全体の印象が変わる。この小ささが街撮りスナップを軽快な気分にさせているのは間違いない。
写りの方は僕がまだカラスコの癖をつかんでいないから甘々で、ほぼ無限遠で撮ってるからボケのチェックまでは至っていないんだけど、遠くの光景はなかなかキリッと写ってるようにも見えて、そのポテンシャルには大いに期待しているところ。
そして35mmという焦点距離もやはりスナップらしくて、しばらくこのまま撮り続けたいと思わせる世界観がある。きょうはカラーだけしか撮っていないけど、次回はモノクロームもぜひ切り取ってみたいかな。こんどは距離も3mか6mあたり固定目測でね。
僕の場合、ライカのレンズは基本、フィルム機のM3に装着することをベースに所有していている。M3は焦点距離50mmが基本だから、そのレンズを使い回すとなるとM型デジタルも基本、50mmばかりで撮ることになる。けれど、時にこうして35mmや28mmで撮るのを楽しめるのもM型デジタルの良いところ。断捨離に加えず残しておいてよかったなと、ちょっとニヤけてる夜なのである。
そう、気分を変えるなら、ボディを変えるよりレンズを変えたほうが手っ取り早いのである。