ロードバイク

じぶんの肉体がエンジンとなりサスペンションとなる。だからロードバイクの時速50kmは快感となる。

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一週間ぶりのロードバイクは、やっぱり僕を生き返らせた。天気は決して安定していたわけじゃなかったけど、様子を見てロードに出たら見事に梅雨の合間の青空と夏雲が迎えてくれた。風はかなり強めだったから向かい風の道は何かに背中を引っ張れてるんじゃないかと思うほど僕の体力とルーベのスピードを奪ったけど、何事も苦労のあとにはご褒美があって、折り返し地点からは心地よい追い風に変わる。ロードバイクに乗り始めてこれほどの強風に見舞われたことは初めてだけど、追い風に乗るとこれほどまでにロードバイクは高速な乗り物なのかと驚く。強い追い風に乗るとロードバイクを包む風というか空気が止まるような感覚になる。あれ?なんか涼しくないなというくらい風の速度と同じ速度でロードバイクが走っているのか、自分のまわりが無重力状態のように感じる。こうなると平地でも一旦スピードに乗ればぐんぐんと加速する。僕は今日、平地で初めて時速50kmを超えた。サイクルコンピュータをちらっと見ている意識だけはあったが、ここまで速度が出ると本当に無心状態になる。あたりの景色はもう見えない。見えるのは数メートル先のロードとまるで漫画に出てくるような、視界の真ん中から放射線状に流れてゆく風の線のようなもの。その状態をじぶんの肉体がエンジンやサスペンションとなって叩き出していることの感動というか身震いを認識したのは最高速から少しスピードを緩めて肩で息をしている頃だ。僕は今日、間違いなく風になった。人間が自分の肉体を駆使して叩き出す地球上最速の乗り物、それがロードレーサーだ。これはもう何物にも似ていない、唯一無二の快感の世界だ。

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