ふだんはiPhoneカメラで済ます機材の写真だけど、今日は雨やどりがてらNikon Z6とZ50/1.8Sでブログ写真を撮った。絞り開放でサクッと撮ったんで、ピントの場所もふわふわだけど笑。
というわけで、今日は先週手に入れたミノルタのフィルムAF機のことについて少し。タイトルにもある通り、手にしたのはαSweat IIというフィルムカメラ好きな人にはお馴染みのカメラ。僕も以前から名前はよく耳にしていた。レンズはαマウントというのかな、広角から中望遠までいける標準ズームレンズが付いていた。
このαSweat IIをなぜ手に入れたかというと、まずとにかく綺麗な個体であったこと。そして、安かったこと。あと決定的だったのはシャッターフィールがめちゃくちゃ気持ち良かったから。僕はいかにも電子的シャッターフィールのフィルムカメラとして、Nikon F5、Nikon FA、Nikon F-401S、Nikon F80s、Contax RXを所有してるけど(こうして書いてみるとけっこう持ってるな笑)、F5は別格として、αSweat IIはその中でも抜群に良い音色を奏でると言っていい。これはほんと、文章では伝えようがないんで、ぜひ一度店頭で聴いてみてほしい。
いくら僕がカメラ好きといっても、壊れたらほぼ直せない電子基板を多用したフィルムAF機をポンポンとは買わない。そこにはソソられるだけの理由があって、その要素の中でシャッターフィールというのは実はいちばんの選択要素だったりするのである。それでいえば、このαSweet IIは抜群に合格ということになる。決して大袈裟ではなく、素晴らしく気持ちよくシャッターが切れる。
しかも、シャッタースピードは1/4000までOK。ある程度明るいレンズを付けることができて、しかも軽量コンパクトで安いとなると、フィルムスナップ好きの人たちにも支持されてることはなるほどな、ということになる。まだ、ストラップを通したばかりだから試し撮りもしていないけど、特に故障していなくてきちんと撮れるようなら、レンズは定評のあるミノルタのものだから、きっと満足ゆくスナップが撮れるんじゃないだろうか。
僕はミノルタ機としては機械式のSRT101とレンズMC Rokkor 55/1.7を持ってるけど、とにかくミノルタという製品への印象はすこぶる良い。なんというか、製品作りに機能性はもちろんのこと芸術性を持ち込んでる印象があって、日本のカメラの黄金時代をリードしたプライドみたいなものをビンビン感じるんだよね。
あのライカがかつて提携先に選んだブランドであることは伊達じゃない、そんな印象の孤高のブランドイメージ、それがミノルタだ。ライカとミノルタが共同で送り出した製品としてライツミノルタCLがあるけど、その際にミノルタはMマウントの専用レンズとしてM-Rokkor銘柄のレンズを数種類送り出してるんだけど、開発にあたっては「ライカから技術的に学ぶことは特にない」と言ってのけたというエピソードは大好きだ。やるじゃないか、ミノルタと。
あと、二眼レフのRolleiflex Standardを購入する際にお店の人と会話した時も、唯一比較対象として出てきたのがミノルタコードで、「写りだけでいえば、ミノルタのほうが上かもしれない」と言われたことは強烈に印象として残っている。昔の有名スタジオの人がミノルタがカメラ事業から撤退する時に、あの写りが今後手に入らなくなるのならスタジオを閉じようと思った、というエピソードにもゾクゾクした。つまり、僕の中ではミノルタの逸話とは格別なのである。
まあ、あくまで人づてに聞いた話だからその真相は分からないけど、確かなのはじぶんで確かめればいいってこと。こうして、信じられないような値段でかつての人気のミノルタ製品たちが試せるわけだから、それは使わない手はない。しかし、いつも思うのは、このミノルタやコニカといった一切を風靡したメーカーが今も残存していたとしたら、どんなクールなカメラを世に送り出し続けていただろうかと思ってしまう。きっと、現代のSony αシリーズも真っ青のスーパークールなカメラたちを世に送り出していたんじゃないかってね。
そういう過去と未来を行き来するような感覚でフィルムカメラたちを試し撮りするのが、僕にはたまらない時間なのである。そうした予感を掴み取るのに値する素晴らしい音色のシャッター音を聴きながら、妄想を巡らす日曜日。ひと通り空シャッターを楽しんだら、フィルムを詰めるとする。さて、フィルムは何を詰めようか。