そういうじぶんを少し客観視すると、D750で撮っていた頃の僕はずいぶんと構えすぎていたのかもしれない。この場合の構えるとは、カメラをがっちり固めて撮ることでもあり、写真とはこうあるべきという意識みたいなもの。それがGRだけになってラフ過ぎるくらい。定規を使って線を描いていたひとが、フリーハンドでヒュンヒュンと線を引き始めたとでもいえばいいだろうか。とにかく自由なんだ、僕とGRは。D750のファインダーの中の濃密な光景も大好きだったけど、少しそのファインダーの中であーだこーだ言ってた僕がいたかもしれない。良い悪いじゃなくて、GRはカメラの前の光景がすべてだ。しかも、その光景の凄さを撮りたいというより、その場の空気感をヒュンヒュンとブックマークしてゆく感じ。そういえばソニーの初めて買ったサイバーショットは”日常をブックマークする”みたいなコピーだったっけ。ずいぶんとライトなカメラだったけど、それと比べるとGRは写真を撮っているという手応えもしっかりあって、その絶妙のバランスがGRの真骨頂かもしれない。花をマクロで狙うようなことはすっかりなくなったけど、いまふたたびカメラの楽しさを味わっている。
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