夏を残そう。フィルムで、誰かのために。
いや、デジカメでもいいんだけどね、夏を残すのは。けれど、夏の木陰の繊細な光の様子、風の音みたいなのは、やっぱりフィルムのほうがほのかな残り香まで写しこめるような気がするんだよな。
家族の海の写真でもいいし、陽炎がまぶしいグランドの子供たちの姿でもいい。光と一緒に目の前の一瞬をフィルムに封じ込めることで、なにか夏を濃縮して残せたらなって。
その写真の残り香はきっと後から効いてくる。数年後か、数十年後か、もしかしたら半世紀とか一世紀後かもしれない。でも、僕らが昔のフィルム写真を今見て感じるアノ感慨深さみたいな夏が、誰かに残せると思うんだ。何を残すよりも素敵と思わないか。
安いフィルム一眼レフ機が一台と、安い単焦点レンズがあればいい。フィルムだって数本あれば十分だ。それだけ持って夏を徘徊するんだ。僅かな光のゆらぎと風の音とかに耳をすませながらね。写真の神様はけっこう凄い宝物を残してくれてるんだよね、現代を生きる僕らのためにね。
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