今朝は久しぶりに寒さが戻ってきた、そんな薄曇りの週末の朝だった。いつもの愛犬との散歩に、さて、どのカメラを持って行こうかとしばらく考えたけど、直感的にライカがいいと思い、M型デジタルのLeica M-P typ240を持ち出した。
僕はフィルムで撮ることが好きだ。それでいうなら、持ち出す所有ライカはLeica M3かLeica IIIaということになるが、こうして日々の近所の散歩にはさすがに高価なフィルムは惜しいということもあって、デジタル機をチョイスすることが多い。そこに、たまにフィルムを混ぜて新鮮さを味わう、そんな感じだ。
そして、Leica M-P typ240を持ち出す時にいちばん多く装着しているレンズが、ズミルックスSummilux 50mm f1.4 2nd〈第二世代〉だ。僕のズミルックスは、M型デジタルのために手に入れたと言っていい。また逆に、ズミルックスを使いたかったからM型デジタルを入手したとも言える。この二つは、手に入れた時期は少しずれたけど、僕の中ではセットだったんだ。
ズミルックス50の魅力は、なんといってもそのとろけるようなボケだ。このf1.4開放のボケを楽しもうとすると、必然的に高速のシャッタースピードが必要になる。SS1/4000まで使えるデジタルライカはその点が好都合だ。それでも日中はさすがに厳しいから、少し暗い早朝がいい。しかも、こうして曇り空だと完璧だ。
僕はボケが好きなんで、ライカ以外のNikonやCanon、OLYMPUSやMinoltaのレンズも基本、f1.4付近の明るいレンズを好んで使ってるけど、同じf1.4でもズミルックス第二世代のとろけ方はやはりどこか違う。いわゆる空気レンズといわれる構造ゆえか、実際にピントをあてた部分だけが浮き立つように切り取られ、その背景は見事に脇役として溶けていく。主役を明確にするレンズ、そう僕は思っている。桜といえば、もっと明るく華やかな写真が好まれるのだろうけど、僕はこの曇り空の少し影のあるズミルックス桜が好きだ。