考えてみると、Nikon Dfはとても守備範囲の広い一眼レフかもしれない。フィルムカメラ時代のレンズであるオールドニッコールたちを装着してオールドレンズ 遊びを楽しめるのはもちろん、こうして望遠レンズをつければ家族の行事の記録写真にも連れ出せる。カメラ好きのお父さんには「これ一台あれば、趣味と実益を兼ねてカメラを楽しめる」という究極の一台かもしれないからだ。
実際、僕の場合はデジタル一眼レフカメラは、このDf一台だけ。ふだんは趣味用カメラとしてフィルムニコンのレンズを装着してオールドレンズ ライフを楽しんだりしてるけど、その性能はオールドではなく現行機種のフルサイズ一眼レフだから、驚くほど普通に実用カメラとして使い倒せる。僕は28mm、35mm、50mmの単焦点レンズのほかに、標準ズームの24-85VRと望遠ズームの70-300VRを持ってるけど、そうするとDf一台でほぼ何でも撮れてしまうのである。
今時の高性能一眼レフと比べれば、WiFiが無いとか、動画機能がないとか、デュアルスロットルじゃないとか至れり尽くせりではないけど、その必要不可欠な機能のおかげでNikonフルサイズ機の中では最軽量モデルたから、想像以上に軽く取り回しやすい。カメラを頻度高く持ち出すには、この軽さがなんといっても最高のメリットになる。WiFiは、僕の場合はフィルムカメラ同様、別に今すぐ撮影した写真をどうこうしたいというのはないから困らないけど、必要なら別売オプションで安くキットもある。動画はまあ、僕はムービー専用のビデオカメラを使ってるし、その方が動画専用機だから当然使い勝手もいい。多彩な機能をなんでも詰め込んでファットなボディになるより、使えるシーンが多彩なほうが実用上はとても有効なのである。
明日は息子の入学式で、Dfに望遠レンズを装着して出かける予定。こうして眺めてみると、Df×70-300VRの姿もなかなか精悍で悪くない。望遠でしっかり息子の勇姿を撮りつつも、カメラ好きの父としては感度調整ダイヤルをカチカチ回りたりしながらフィルムカメラライクなひとときを楽しめる。まさに一石二鳥のカメラだったりするわけである。一眼レフカメラなんかに凝り始めると、どうしても複数台のボディを所有したりしがちだけど、当然お金も余計にかかる。だったらDfみたいな、遊びから実用までひとつでいけるカメラを一台持つのも、父としてのカメラとしてはコスパも高くてとても納得のいく選択でもある。Dfはとかく懐古主義的なオールドレンズ遊び機と捉えられがちだけど、実は意外とオールマイティが売りの高バランスカメラだと思うんだよなあ。