Leica M-P typ240

なんでもない光景だから、ズミルックスで撮る。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

軽量でコンパクトなデジカメが手元に増えたこともあって、少々重いM型デジタルは平日の街中のスナップシューターというよりは、週末に光学ファインダーをのぞくカメラへと少し立ち位置を変えつつある。

でも、週末に辺りの散歩道をM型デジタルで撮る理由はそれだけじゃない。常用レンズであるズミルックスでなんてことない道端の小さな世界を撮りたいという気持ちがあるんだ。決して安くはないこのレンズで、わざわざなにも変哲のない道端を撮る必要はないじゃないかと言われそうだけど、ズミルックスだから撮りたいんだ。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd
Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

ズミルックスとは、小さな魔法をかけてくれるレンズだと僕は思っている。それは単にボケが大きいからとか、そういう理由だけじゃない。ズミルックスとは、そこに気配を写しとってくれるんだ。かすかな音とか、わずかな生命の息吹とか、どうかしたら普通に見過ごしてしまうような光と影の微妙に交錯する世界とかをね。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd
Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

僕はもうどうしようもなくこのズミルックスが切り取ってくれる世界が好きで、それはライツだからとか、空気レンズだからとかそういう理屈はもはや超越している。フィルムだのデジタルだのということもすっかり忘れさせてくれる没入感が、このズミルックスにはある。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd
Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd
Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

そうだな、人生観を変えるレンズといえばいいだろうか。なんの変哲もない道端を撮って人生観が変わるって、ちょっと凄いし、素晴らしくはないだろうか。もちろん、人と都市が交差するスナップもズミルックスは愛おしい写真を紡ぎ出してくれる。けれど、このレンズの真骨頂は、なんでもない光景を写真に収めた時の、小さな出来事ではあるんだけど、でも胸の奥底からこみ上げてくる決して小さくない歓びじゃないかと僕は思っている。

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