何はともあれ、Nikon最後のCCD機 D3000にオールドニッコールAuto 50/1.4を装着した姿はなかなかカッコいいでしょ。あ、この記事はおすすめするものではなく、あくまで僕個人の実験なので、装着するかどうかは自己責任でお願いします笑。
というのも、ニコンさんはこのAPS-Cデジタル機に非Aiのオールドニッコールレンズの装着は公式に推奨はしていない。というか非推奨。装着して機材が壊れても何もどこにも文句は言えないのだ。もちろん、僕もその腹づもりでAuto Nikkor装着を試みた。で、結論から言うと装着できたのである。
上の写真は昨日装着してみたGレンズのほう。AF-Sレンズはもちろんメーカー推奨。というか、D3000はボディ内にAF駆動用モーターが無いのでAFタイプでもDレンズはAFが効かない(というか僕がお店で試した時は使えなかった印象)。で、MFレンズのほうはそもそも装着は未想定なんだよね。けれど、装着はできる。ただし、D200のようにAE絞り優先モードは機能せず、完全にフルマニュアル撮影になる。
まあ、いちおう日頃からフィルムカメラで撮り慣れてる僕にとっては、フルマニュアル撮影は特に苦ではない。というか、Nikon DfやD200でも好んでマニュアルで撮る方なんで、オールドニッコールが装着できればこっちのもの笑。早速、愛犬との散歩がてら、試し撮りへ出かけてみたのである。
ファインダーをのぞいて最初に感じるのは、ピントの山のつかみづらさかな。EVFのようなピーキング機能はもちろんない小さめの光学ファインダー(LVもD3000は未対応なので)だから、そこはあまり期待すべきポイントではない。けれど、これも目測と掛け合わせれば大した問題ではない。サクサクと撮り始める。
それにしてもNikonのCCDセンサーはやっぱりいい。特に色のりがこってり系と言われるD40なんかよりは自然な色味だと思うんだけど、それでも現行のCMOSセンサー機が叩き出す色と比べると、どこか心がホッとする色合い。あのデジタル特有のギラっとした印象がないのは、フィルム好きにはうれしい描写性能なんだ。
操作の方だけど、絞りはレンズの絞り輪で切り替えて、シャッタースピードは背面右上部のコマンドダイヤルで切り替える。モードダイヤルはマニュアル撮影だから「M」似 に合わせる。あとは機械式フィルムカメラと同じ、じぶんで絞りとシャッタースピードを決めて撮影する。露出計は効かないけど、デジタルだから露出を決めて撮ってみたら、モニターを見れば露出の失敗具合も分かるから、ちょこちょこ調整すればすぐ適性露出で撮れるようになる。
いつもの試し撮りの通り、基本は絞り開放で撮り続ける。D3000はシャッタースピードが1/4000までいけるから、早朝の光なら絞り開放でもシャッタースピードを高速にすれば大抵撮れてしまう。絞りとシャッタースピードとモニターを見ながら露出を決めていくのはゲームのようで実に楽しい。
シャッターフィールは昨日の記事にも書いたけど、実におっとりとして静かなもので、フィルムニコンの感覚でいえばNikon F80にとても似ている。とにかく周囲には気づかれないような静かなシャッター音なんで、朝の住宅街でも静かに撮り歩くことができる。
オールドニッコールを装着してるから、レンズ部を操作する感覚も、そして小ぶりなボディをかまえる感覚も、F80似のシャッター音も、なんというかフィルムカメラ的でとてもいい。撮影もフルマニュアルだし、撮れる絵はCCDテイストだから、もうフィルムライクな撮影が好きな人にはもってこいのライトなカメラ&レンズといえるんじゃないだろうか。
でも、冒頭にお話したように、メーカーも僕も推奨はしていないので笑、このボディとレンズの組み合わせは、自己判断でよろしくお願いしまする。撮れる写真の雰囲気についても、僕はその微妙な描写を解説するスキルは持ち合わせていないので、ここにあげてる写真を見て判断してもらえればと思います。まあでも、一言でいえば楽しいことは間違いない。
こういう遊び心の余地を残しておいてくれるのが、ニコンというカメラメーカーの粋なところだと思うし、僕がニコンというブランドとそのプロダクトたちが好きな理由でもある。世間ではニコンのカメラ事業の赤字が取り沙汰されてるけど、僕はこれからもニコンを愛し続けるし、できればニコンのある日々の楽しさをこうしてブログで発信し続ける所存である。がんばれニコン、僕らもがんばる。