一言でいえば「めちゃくちゃ楽しい」ということになる。ミラーレスがあると、フィルムカメラとデジカメの融合がこんなにも加速するというか、最大化するのかと。いや、もともと僕はオールドレンズ母艦としてNikon Z6を購入したわけではないんだよね。
けれど、フィルムカメラ用のレンズがけっこうあるし、せっかくミラーレス機を持ってるんならアダプターを介してオールドレンズをデジカメでも楽しんでみるかと、まずはヤシコン→Z用のアダプターを購入して週末に少し撮り歩いてみたんだけど、これが想像以上に楽しかったんだな。
オールドレンズといえば、僕にとっては別に初めてじゃなくて、過去にFUJIFILM機でロシアンレンズのJupiter-8やIndustar-61も楽しんできたし、何よりオールドニッコールについてはNikon Dfで存分にデジタルでも楽しみ尽くしていたから、今さらデジカメでのオールドレンズ遊びを広げることもないなと思っていたんだよね。けれど、ボディのせいなのか、Z6で楽しむオールドレンズの世界はなかなか格別だったんだ。
Z6に最初に装着したニッコール以外のレンズがヤシコンのプラナーだったことも、その違いというか驚きや新鮮さの面で大きかったのかな。その独特の光のすくいとり方と滲み具合に「あ、これはアリかも」と本能が反応したんだよね。あと、Z6の使用感が、ある意味デジカメで撮ってることを意識させない、とてもカメラらしい作りであることもオールドレンズを引き立てたんじゃないかと思ってる。光学ファインダーかと思う美しいEVFの眺めとか、オールドレンズが似合うルックス、スペックには現れにくい各部の操作フィールとかね。
そのオールドレンズとZ6の組合せの楽しさにすっかり魅せられた僕は、他の手持ちのフィルムカメラのレンズたちも試したくなって、ミノルタSRT101のMCロッコール、オリンパスOM-1NのGズイコー、さらにキヤノンF-1のNew FDが装着できるアダプターを軒並み手に入れることになる。まずはMCロッコールを装着して散歩へ出かけてみたんだけど、これがまたたたみ込むようにおもしろかった笑。
逆光気味に撮るとおもしろいようにフレアが出るんだけど、それがまた味がある。写真を極めてる人からは怒られそうだけど、少なくとも僕はこの不完全的なオールドレンズの遊びの部分が、それこそ遊びとして愉快だし、そのレンズが醸し出す滲みや揺らぎが、なんとも時空を超えた何かを感じて胸がジンジンとするような歓びがあるんだ。
オリンパスOM-1に装着していたズイコーもなかなかジャジャ馬のようで楽しかった。フィルムで撮ってる時からその開放の暴れ具合が只者じゃない笑と思ってたけど、デジカメで撮るとその全貌がより明らかになるというか、これはなかなかのヤンチャなレンズだなと嬉しくなった。
そして、今回の最後はキヤノンF-1に装着していたNew FDとNikon Z6の組合せ。この写真をボディとレンズの機材名入りでTwitterにアップしたら「禁断の組合せ」と言われたけど笑、そうCanonとNikonはこれまでのカメラ史を牽引してきた二大ブランド。良きライバルであり、ユーザーもキヤノン派とニコン派に分かれていることが多い。まあでも、僕の場合はニコンもキヤノンもフィルムカメラでは分け隔てなく楽しんでるから、この組合せはむしろ一番やってみたかった。
キヤノンのFDレンズはその写りの素晴らしさは評判として聞いていたし、実際F-1で撮るフィルム写真もいわゆるキヤノンらしい華やかな写りで、ボディはNikonの質実剛健さを楽しみつつも、レンズはキヤノンの華やかさを楽しみたいと思うのは何も僕だけじゃないと思う。そして、その期待はなかなか当たりだったなと思うわけである。
というわけで、Nikon Z6とオールドレンズたちの週末をざっと僕なりの目線でまとめてみた。あくまで個人的な感想なので、オールドレンズを使い込んでる人たちの見識には遠く及ばないけど、でも、ミラーレス機とフィルムカメラ用のレンズたちがあれば、ひとまずこんなにも遊びの幅が広がるか、というのは伝わるんじゃないかと思う。そう考えると、今度登場してくるNikon Z50も、APS-Cゆえのさらなる手軽さで俄然楽しいカメラであることは容易に想像がつく。おもしろくなってきたね、カメラとレンズの世界は。