考えてみると、僕がこれだけカメラにハマった要因は「単焦点レンズ」にもあるんじゃないかと。さっきのブログ記事にも書いたけど、僕が初めて本格的カメラ Nikon D5300を手にしたのは、知人らが奥の深い写真をSNSにアップしてるのが気になり始めたから。
それはいま思うとボケの美しさや光のすくいとり方が絶妙な写真たち。少しネットで調べてみると、どうもそれらは一眼レフで撮るといいらしく、それも単焦点といわれるレンズで撮るのがいいらしいとわかってくる。で、僕はNikon D5300を買う時に標準レンズである18-140のズームレンズと50/1.8Gの単焦点レンズも一緒に買ったんだよね。
で、初めて週末にD5300を持ち出して愛犬と散歩へ出かけたんだけど、なにげない木の枝をこの単焦点レンズで撮ってモニターで確認した時の驚きは今も忘れない。そう、この時から僕のメインレンズは単焦点レンズになった。ズームレンズはあくまでサブ、メインは単焦点レンズという僕の中のカメラ観がこの時できたんだ。
ズームレンズは便利で写真撮影の幅も広げてくれるけど、カメラ本来の軽快さや写りのキレでいえば、やっぱりシンプルでレンズの原型ともいえる単焦点レンズのほうが際立つものがある。軽いレンズならカメラを持ち出すのも楽になるし、固定の焦点距離なら画角の感覚を覚えるのにもいい。なにより、じぶんの足がズームになって一歩踏み込んで撮る感覚は、カメラの楽しさの最大の醍醐味かもしれない。
スマホカメラではなくて、本格的カメラの楽しさや魅力を伝えるなら、メーカーが設定するレンズキットも「単焦点レンズ」にしたほうが、絶対カメラにハマる人の率が上がると思うんだけど、どうだろう。ちなみにNikon Dfのレンズキットは50/1.8G(オールドニッコールをモチーフにしたSpecial Edition)なんだよね。他のカメラのことはよく分からないけど、大抵は標準レンズといわれるズームレンズがレンズキットに設定されているんじゃないだろうか。
カメラを買う時には誰でも心も踊って、買ってからは家族写真を撮ったりしてハマるわけだけど、そのうち大きな一眼レフなんかを持ち歩くのが億劫になって、だんだんとカメラから離れていく人も少なくない。だとしたら少しでもコンパクトで軽快な単焦点レンズなら持ち出す機会を増やすかもしれないし、なにより単焦点レンズの美しい描写なら濃いカメラファンをもっと増やせると思うんだ。
なにげない道端の写真でも、ハッとする描写を見せてくらるのは、やはりレンズの性能を研ぎ澄ました単焦点レンズの魅力。ぜひ、カメラメーカーさんにはレンズキットとして単焦点レンズを安くカメラビギナーのみんなへ提供してほしいな。絶対、カメラ市場を活気づける要素になると思う。