強く意図して選んだわけではないのだけど、僕の手持ちのカメラたちは結果、ほぼどれも50mmのレンズになってきた。Nikon FEはAi 50/f1.8、Nikon F2はAuto 50/f1.4、Leica M3はツァイス・プラナー50/f2、そしてDfはAF-S 50/f1.8G。コンパクト2台と望遠用D300以外は、常用装着レンズはどれも50mmに落ち着いてきたわけだ。
28mmも35mmも楽しい。ズーム43-86mmも18-200mmもシチュエーションを選ばない万能感がある。けれど、行き着くところ50mmにおさまるじぶんがいる。50mmはどちらかというと簡単ではない。遠くもなく、近くもなく、言いようによっては中途半端な50mmの世界は、実は写真を切り取る上では容易くない画角だ。でも、巡り巡ってそこにたどり着くというか、結果その画角が気持ちいいことが、いろんなレンズを使っていくうちに分かってくるんだ。
50mmは平凡か?。いや、僕にとってはいちばん難しくもあり、でも最後に帰ってくる基本の場所という感覚がある。広角と比べると無造作には撮りづらい、なんというかちょっと考えて撮ることが求められる50mmの世界。Leica M3が標準として世に送り出したその画角は、やっぱりどこか神がかっているのである。そして、にんげんとはあえて分かりやすくないもののほうが魅了されるのである。不思議とね。
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