写真を撮るたのしみ、写真を見るたのしみ。
FUJIFILM X-E5, Macro Apo-Ultron 35mm f2「写真を撮るたのしみ」については、これはもういまは桜の花を撮ること。日本全国いろんなところで見られる桜は別に珍しいものではないけど、年に一度、数日間しか見ることのできない桜はやはり儚く尊いもの。仮に人生80年としたら、80回しか見れないのである。多そうで実はそれほど多くないよなと。
今週はFUJIFILM X halfやLeica M typ240、RICOH GR、X-E5なんかで散歩や移動の途中に、大抵遭遇する桜の花にレンズを向けてシャッターを切っていた。撮っている時はそれほど思い入れを込めて撮っているわけでもないけど、逆にそれほどまでに自然体で桜の花と対峙しているということ。
海外からの旅行客の人なんかでは、桜の花が見たくて春の日本を訪れる人も多いと聞くから、僕らにとってはあたりまえの光景でも、やはりそこは人間の本能を揺さぶる言いようのない美しさがあるのだと思う。
FUJIFILM X-E5, Macro Apo-Ultron 35mm f2
FUJIFILM X-E5, Macro Apo-Ultron 35mm f2
FUJIFILM X-E5, Macro Apo-Ultron 35mm f2これは桜の花にかぎった話ではなく、自然界の四季を構成する草木や花、空気の色みたいなものにはすべて言えることなんだけどね。もちろんスマホカメラで撮るのも即興的でいいのだけど、できればお気に入りのカメラとレンズで撮ると、どこかクリエイティブかつ文化的てもあり、いいもんです。
そして「写真を見るたのしみ」のほうについて。こちらは先日発表のあった今年の木村伊兵衛写真賞を受賞した濵本奏さんの「ー・・」の話。
濵本奏さんの「ー・・」
濵本奏さんの「ー・・」
濵本奏さんの「ー・・」僕は恥ずかしながら濵本奏さんをよく存じ上げてはおらず、木村伊兵衛写真賞の発表を見て、とにかくじぶんの目で確かめたくなり、すぐさまネットで調べて受賞の作品を注文した。すでに在庫が品切れにもなっているようで、木村伊兵衛写真賞発表直後にすぐ注文してよかった。
咲夜、写真集「ー・・」が届いて、今朝、朝陽を感じながら開封して、その写真集の質感などを確かめながら、この作品と向き合ってみた。あまり僕が要約してもこの作品の意図を正確に伝えきれないと思うので、興味のある人はぜひ以下のインタビュー記事や濵本奏さんの公式サイトをのぞいてみてほしい。
ちなみにタイトルの「ー・・」は(チョー タン タン)と読む。この作品の根底にある横須賀の海でかつて活動していた伏龍特攻隊が、海底に到着したことを告げる合図のモールス信号の意味である。
「ー・・」の写真はもちろん素晴らしいが、そこには濵本奏さんの日記も織り込まれており、その言葉を読み取ると写真の見方が変わるというか、ぐっと奥深く心の中にいろんな思いが込み上げてくる。もともとは横須賀のあえて地下空間を選んで、インスタレーションと合わせて展示された作品なので、写真集というよりは「作品」であり「メッセージ」なのだと感じた。
作品としての「ー・・」には音も重要な要素として宿っており、この写真集の巻末には濵本奏さんのフィールドレコーディングとしてのレコード盤が添えられている。いま、我が家にはレコードプレイヤーが無いので、どうにかしてこのレコードを聴く方法をいろいろ模索しているところだ。この音まで聴いて、ようやく濵本奏さんの思いと対峙できるのではと感じている。
写真は撮るのもたのしいが、こうして見るのもたのしい。それが魅力であり、写真がコミュニケーション装置として存在していることの意味だとも思う。そんな写真の大きな賞である木村伊兵衛写真賞も、年を追うごとに評価ポイントなども刻々と変化している。写真を超えていくことに、写真の未来がまたある。とても興味深いことである。
さて、あなたのいまの「写真を撮るたのしみ、写真を見るたのしみ」はなんだろう。

















































