
昨日のブログには「PENTAX機は、他とは異なる一台として持っておきたい」と書いたけど、同じように「別腹」として使っているのがM型デジタルライカだ。
正確に言うと「レンジファインダー機」であることが大きく、フィルムカメラで撮っていた時から「ライカM3が別腹」だったのと同じように、デジタルにおいてもM3の擬似体験をするかのように、たまにM型デジタルを楽しんでいる。
僕のM型デジタルは年式も古く、M9とM10の間に製造販売されていた「M ty240」を使っている。初めて手にしたM型デジタルが〈M-P typ240〉で、その後に初代機の〈M8〉も使ったが、いまはまたじぶん的に先祖返りして再び〈M typ240〉を使っている。



僕にとっては「M型デジタル=typ240」が原体験みたいなところがあるから、いまだにこれで撮るとどこかホッとする。カメラ屋へ行くとM10系やM11系も触らせてはもらうものの、僕的にはクラシックなtyp240で十分すぎるくらいレンジファインダー感覚は満たせているので、幸い法外な出費は避けられている。
ホッとする理由のひとつとして、typ240らしい「フィルムモード」の「スムース」という設定の描写が好みであることも大きい。僕の場合はJPEGで撮ることがほとんどなので、富士フイルムのフィルムシミュレーション同様に、typ240にこの「フィルムモード/スムース」があることが、再びtyp240を使い続けている動機にもなっている。



レンジファインダー機は、ミラーレス機ともレフ機とも異なる機構だから、脳の気分転換にもなるし、ずっとM3で撮るフィーリングを忘れずにいられるのもいい。ブライトフレームという曖昧な切り取り感覚や、目測気味なピント合わせは、きっちり撮らなきゃという呪縛から見事に解放してくれる。
世間が抱く高級品というきちんとしたイメージではなく、ラフで自由な気分にさせてくれることこそがM型ライカの真骨頂だと僕は思っている。壊れないかぎり、ずっと「別腹の一台」として使い続けたい、そういう意味での特別なカメラなのだ。