RICOH GR

風、秋桜、RICOH GR。

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大地が茶やオレンジの暖色系になっていく中で、私はちょっと違うと主張するようにピンクのグラデーションを放つコスモスは大好きで、見かけたら撮ろうと思っているんだけど、僕のせいか、GRのせいか、よく見る可憐な写真じゃなくて男っぽくなる。どちらかというとコスモスというより秋桜と書いたほうがしっくりくるなと思ったり。Instagramには3枚あげたけど、どれも男っぽい、僕の秋桜。

写真というのは不思議なもので、目の前の風景の色とか明るさ、構図が正確にトレースできればその場の空気を切り取れるかというと、そうではなくて。色が転んだり明暗がデフォルメされたりしたほうがその場の空気を表現できることがある。モノクロ写真はそうだし、このGRというカメラのフィルター「ポジフィルム調」もそう。僕はGRで撮る時はモノクロがこのポジフィルム調で撮ることが多い。スナップ用カメラだからスピード重視で絞りもシャッタースピードもいじらない、いつもプログラムモードだ。いじるといえば露出くらいだけど、これもスピード重視でいつもほぼマイナス1.0。あとはアングルだけ少し考えて撮れば、なんとなくじぶんが目でとらえたその場の空気に近い写真が撮れることが多い。一眼レフはその都度レンズを換えたり絞りを変えたりするから、まだじぶんの中に型みたいなものがないけど、GRは使い方がシンプルな分、じぶんの型が出来てきているのかもしれない。

それでもじぶんの撮る写真を客観視するというのはとても難しくて、たまに他の人から「この写真いいね」と言われても、正直じぶんではどこが具体的にいいのかはつかめていないところがあって。じぶんではあまりいい写真じゃないかもと思っていた写真が、むしろいちばんいい写真と思ってたものより褒められたりして、いやほんとにそんなことばかり。このあたり、みんなはどうなんだろうなあ。

ことしの1月に思いたって一眼レフとコンデジを始めてからもうすぐ9ヶ月か。もう何枚撮っただろう。間違いなく数万枚は撮ってるな。上手くなっている感覚はないけど、撮り始めた頃のガムシャラ感はだいぶおさまって、いまはゆっくりと味わいながら撮れているような気がする。じぶんらしい写真であり、じぶんらしい記憶。そして、撮れば撮るほど、いい写真とはという定義が壊れていく感じが僕にとってのカメラや写真の魅力かなと感じつつある今日この頃。不思議なツールだよ、カメラって。

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