レンズフードはいらない? いや、いるでしょ、こんなくそカッコいいモノ。
実際のところはどうなんだろうね、レンズフードの効果って。まあ、たしかにコーティングがなされていない古い時代のレンズなら逆光気味のフレアやゴースト対策に必須なのかもしれないけど(それでも装着していない人もいる気がするけど)、現代のレンズなら無くてもさして変わりはないんじゃないかというのが、僕の素直な感想でもある。
でも、でもだ、仮に写りにそれほど影響がなかったとしても、レンズフードはつけるべきだ。だって、あんな見た目にクールなアイテムをつけないほうがもったいない。カメラのカッコよさは三割、いや半分はレンズフードのシルエットが醸し出しているものなんじゃないかと僕は思っている。レンズフードを装着して、カメラは初めて道具としてのオーラを放つと僕は思っている。
あとよく言われるのは、フレア対策云々よりも「ぶつけ防止」のプロテクターとして装着している、という使われ方。これは僕もそう。レンズフィルターをつけて、そのうえレンズフードをつけた暁には、もうレンズキャップは要らない。僕はフィルターもフードもつけてるから、レンズキャップは持ち運ぶ時ですらつけていない。いい感じに手荒くラフにカメラを扱えるんだ。こんな見た目と効果を両方兼ね備えたプロダクトはこの世にそうは無いとさえ思っている。
ライカなんかはそのフードの美学が金になる?と悟っているのか、やたらフードが高価だ。国産のニコンのフードなんかが¥1,000も出せば手に入るのに比べると、ライカ製フードは軽く一万円を超えてくる。それでも、あのライカ製フードを装着した時のライカボディのカッコよさといったら何者も敵わないというくらいシビれるデザインだから、ライカの美しさに魅せられた人なら、たとえ法外に高価だと思っても買ってしまうのである、あの恐ろしくコスパの悪いフードを。
なかでも、金属製のフードがたまらない。使い込むほどにブラックペイントがはがれ、勲章のようなキズが刻まれたあたりから、フードのカッコよさはさらに加速する。プロカメラマンの機材はベコベコに使い古されていて、いかにもハードワークしてるイメージがあるけど、あのプロの機材のイメージに見えるところも実はフードの恩恵かもしれない。たかがフードだけど、まさしくされどフードなのである。ごめん、これだけは異論は認めない:)