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フィルムカメラが、カメラ界を活性化すればいいなあ。

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Nikon F, Auto 50/1.4

フィルムカメラが、カメラ界を活性化すればいいなあ。

今の世の中、写真を撮るということでいえば、たしかにスマホカメラがあれば大抵の写真は撮れる。いや、画素数でいえは相当な写真が撮れるのかもしれない。そんな時代にわざわざ別個にカメラを所有するというのは相当な趣味人じゃないとあり得ないのかもしれない。

けれど、ここのところ、僕はカメラの未来に少しだけ希望を感じ始めている。世間でいえば片隅のニュースかもしれないけど、ジワジワとワクワクする気持ちが広がっているように思うのだ。

つい先日には、富士フイルムからモノクロフィルムのACROSが材料の見直しなどを行なって、この秋にACROS IIとして復活することが発表された。国内唯一のフィルム販売会社である富士フイルムさんには感謝しかないんだけど、そんな富士フイルムさんが一度は幕を閉じたモノクロフィルムをもう一度販売してくれるなどとは、正直夢にも思っていなかった。けれど、夢は叶ったのである。

そして、つい先日、いつものカメラのキタムラへ現像を受け取りに行った際に店員さんと立ち話をしてると、若い人を中心にカラーネガの現像の注文は年々アップしているとも聞いたり。もちろん急激にとまではいかないけど、ジワジワ来ている様子。でも、このジワジワというのがいい。一過性のブームというより、着実に世の中の空気として根付いている感じがするのがいいんだ。

そしてまた、うれしいニュースが飛び込んできた。カメラケースのクラフトなんかでおなじみの「昨日カメラさん」らが、吉祥寺にお店を開店するというのだ:)

昨日カメラさんは、僕がLeica M-Pを購入する時なんかにもその撮れ具合などで実に丁寧にアドバイスをしてくれたカメラ愛にあふれるお方。日々、これまた丁寧な革製のカメラケースなどを手作りされて販売されるなど、精力的に活動されてるなあと思っていたんだけど、ついにリアル店舗を開店されるということで、これもまたカメラ好きの僕たちにはとても希望をもらえるニュースだと思うんだ。

冒頭に書いたように、このスマホカメラ全盛の時代に敢えてカメラを持つ理由があるとするなら、それはやっぱり「カメラと暮らすことのプラスαの何か」がそこにあることだと思うんだけど、その鍵はフィルムカメラが握っていると僕はずっと思っている。

絞りやシャッタースピードを決めて撮るという、カメラと共同作業で写真を撮るたのしみ。とても人間的なフィルム送りレバーの感触や、官能的ともいえるシャッター音。そして、それらをギュッとプロダクトとして凝縮したあの機械の塊としての道具感。フィルムカメラが「敢えてカメラを所有するたのしみ」をもう一度思い出させてくれることによって、その延長線上にデジカメを敢えて所有する理由もまた見えてくる。カメラというモノのまわりにはいろんな人の体温が感じられるんだなあ、僕は。

世の中の大きな時代の流れの中でいえば、このフィルムカメラのニーズとかうねりみたいなものは、ごくごく小さな点でしかないのかもしれないけど、その点と点がジワジワと連結して、いま線になりかけている気がするし、それにまた影響を受けた人たちの思いが重なって線から面へ、そんな息吹を僕はいま感じるんだ。

フィルム好きな人間の希望的観測だと言われるかもしれないけど、僕は普通の人たちの小さな夢とか希望が折り重なって生まれるうねりこそが、ブームとか一過性の盛り上がりを超えた、本当の社会のニーズを生み出すパワーだと思ってる。あー、そんなことを考えていたら、またきょうもカメラで写真を撮りたくなってきた。そろそろカメラを持って愛犬と散歩へ行こう。いろんな妄想をしながら。この話の続きは、またこのブログでジワジワと。

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