ちょっと違う世界というのは、ある意味、他のメーカーのカメラたちとは異なる場所という感覚。あくまで僕が個人的に感じることだけど、そういう独特の居場所こそがSIGMA fpがもたらす満足感だと思っている。
カメラは使い方によっていろんな種類の機種があるわけだけど、基本的にはそのなかでグレードとか新旧とかの階層があって、どのカメラもその階層のどこかに位置する。だから、より高いスペックなモノが欲しいと思ったり、より新しい製品が欲しいとか考えるわけだ。
けれど、SIGMAの製品というのは、昔からそういうその他大勢とは異なる場所にいる。SIGMA DP1、DP2 Merrill、dp3 Quattro、SD15…。僕が歴代使ってきたSIGMAのカメラたちだが、どれをとっても同じようなことが言えた。まさしく孤高の存在なのだ。
とにかく描写にこだわる頑固で意固地と思える芯みたいなものが強固。そして、ルックスは意地でも他所のカメラの真似などしない。まわりと同じように見えたら、それはとても恥ずかしいこと。いやあ、若い頃のじぶんを思い出す笑。
なんというか、誰しもあるでしょ、思春期の頃の、あの人と同じは嫌な、理屈抜きにじぶんらしさを突き抜けていたいあの感覚。そういう艶がこのSIGMAというブランドのカメラにはあるんすよ。もちろん、めちゃくちゃ褒めてる笑。
時代のせいか、その最新モデルであるSIGMA fpはパッと見、ちょっとマイルドで大人になった感じがあるけど、そこは長年のブランドパーソナリティからするとそう簡単に抜けるもんじゃなくて、触ったみても、使ってみても、まあなかなかのとんがり具合。その我が道感がいいのだ。
最新モデルといっても、もう登場から5年くらい経つわけだけど、そもそもの思想が他所と同じ土俵で戦ったりしていないから、古さとかトレンドのズレみたいなものは感じようがない。壊れでもしないかぎり、流行り廃りなんかに背を向けて使い続けられるだろう。
いわゆる、他所のカメラらしい万能性とは異なる作り方のカメラだから、完全じゃないのもいい。不完全だから、そこに各々が個性をプラスする。道具とはそういうモノだ。
なので、カメラを手にした後に、やれ型落ちしただとか、他のカメラに目がいきそうとかそういうことが気になる人は、それこそSIGMA fpがいい。他所と比べるなんて発想が起こらない。そういう時流みたいなあやふやなものを嘲笑うかのように、我が道で撮り続けるのだ。
いろいろ迷ったら、いっそSIGMA fp。
僕はそれをおすすめしてる。迷うくらいだったら、まったく異なる道を突っ走るのである。そう、あの思春期の頃のじぶんのように。
★今日の注目商品をチェック!