FUJIFILM X-Pro1 レビュー

光学ファインダーで体感露出ゲームをたのしむ。

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OVFでも撮れるFUJIFILM X-Pro1

僕がクラシックなスタイルのカメラを好むのは、フィルムカメラで撮っていたあの感触をなぞりたいというのがある。それはデザイン然り、手に持った時のボディの大きさのバランス然り。

フィルムカメラとデジタルカメラはまったく別物だと言われれば、まあそうかもしれないけど、だからといって写真の撮り方まで大きく変えようとは僕は思わない。アマチュアの趣味のカメラの特権だ。

いまでもたまにフィルムで撮るから、そういう意味でもデジカメとの間にギャップを作りたくないというか、できればシームレスにフィルムとデジタルを行き来して日々を楽しみたいのだ。

ISO感度はデジタルの時でも、フィルムで慣れ親しんだISO100や200、400を選ぶことがほとんどで、最大でもISO1600まででセットして撮りたい。このあたりの感度なら、機械式のフィルムカメラで撮っていた「体感露出」が使えるのだ。

ずぼらで面倒くさがりの僕は、機械式カメラで撮る時はほとんど露出計を使ったことがない。大体のじぶんの勘で絞りやシャッタースピードを合わせて撮る。ポジフィルムはさすがにスマホの露出計をかざすこともあるが、ラティチュードの広いネガフィルムはほぼ勘オンリー、つまり「体感露出」だ。

FUJIFILM X-Pro1, XF 35/2R WR

いや、シンプルにそのほうがたのしいのだ。カメラにオートで撮ってもらうんじゃなくて、じぶんでカメラを操って撮る感覚。もちろん、アンダーになったりオーバーにはなったり、ブレたりとかもするけど、それも含めてクラフトワークな感じがしておもしろい。

そんな感触が写真を撮るたのしみのベースにあるから、デジカメでもよく体感露出で撮る。僕的には露出当てゲームのようでこれまた楽しい。デジカメなら失敗してもコストはかからないし、一段や二段ずらして撮っておくということも容易だ。つまり、デジカメのほうがマニュアルで撮る恩恵は大きかったりする。

ここで重要になるのが光学ファインダーでのぞいて撮るということ。マニュアルモード撮影自体は現代のミラーレスカメラでも当然できるけど、EVFで撮るとどうしてもその露出で撮れる写真がシャッターを切る前から見えてしまう。

もちろんそれが失敗しないためのミラーレス機のメリットなわけだけど、僕のように体感露出当てゲームを楽しむような撮り方だと、やはりシャッターを切るまで答えが分からない光学ファインダーのほうがワクワクできるのだ。

そんなこんなもあって、一度はミラーレスにも舵を切ってみた僕だけど、いまはほとんどの常用カメラは光学ファインダー機ばかりになった。シャッターさえ切ればすぐに撮れた写真は確認できるから、利便性もなんら問題ない。それよりも素通しのガラスやプリズムを介してリアルな光を感じて撮ることのほうが歓びは大きい。

FUJIFILM X-Pro1, XF 35/1.4R

まあ、あくまで僕個人的な好みの話なんだけどね。のんびり撮れるアマチュア写真愛好家だから言えることかもしれないけど。

でも、シャッターは切りたいけどそんな毎日劇的な瞬間に遭遇するわけじゃない。そんな時に、なんてことない光景でも体感露出当てゲーム的にマニュアルで写真を撮って歩くのはなかなかたのしい。ここはSUNNY16でとか、ここは明るく見えて意外と暗いからシャッタースピードをちょい稼いでとかね。

そうやって撮れる写真は、道端の雑草であろうが空と電柱であろうが、なかなか感慨深いものがある。フィルムだとコストがもったいないと思うところもデジカメなら心配いらないしね。そう、デジタルこそマニュアル向き笑。

あまり需要がなさそうな話になったけど、一昨日もそんな体感露出当てゲームをたのしみながらウォーキングしていたんで、きょうはそんな話を少し書いてみた。なにも最新のカメラじゃなくても、10年前のX-Pro1だって十分に楽しめるのだ。写真機の楽しみ方はある意味、不変なのだ。

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