Olympus PEN-F

終わりか、始まりか、オリンパス。

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OLYMPUS PEN-F

驚きはしたけど、内心どこか冷静に受け入れていたじぶんもいた、そんな感じだろうか。オリンパスがカメラなどの映像事業を売却するというニュース。

いまのご時世、2年間も赤字を続けている事業を存続はできないよね。それは企業としては極々まっとうな経営判断だと思うから。

僕は今朝もDigital PEN-Fを持ち出して散歩カメラしていたオリンパスユーザーだけど、それでも本音をいえば現状のオリンパスラインナップではPEN-Fだけしかグッとくるものを感じていなかった。

PEN-Fとかつてのフィルムオリンパスが好きではあったけど、現在のオリンパスが好きかというとちょっと違った感情で捉えていたように思う。

なんだろうね、やっぱりマイクロフォーサーズというポジショニングがそうさせたのかな。いや、街撮りとかね、パンフォーカスで撮る分にはそれほど問題は無いんだけど、フルサイズ機やAPS-C機と比べるとやはり描写の抑揚というか、奥行きの豊かさというか、どこか物足りないというか中途半端感が僕にもあった。

特に僕なんかはボケを求めて一眼レフを手にした人間だから、道端のなにげない草花なんかを撮る時なんかは、その抑揚の少ないマイクロフォーサーズの描写はやはりフルサイズ機には敵わないなと感じていた。

でも、フルサイズ機を使っていたから、違う感覚のサブ機感覚としてマイクロフォーサーズを受け入れていたところがあるんだよね。メイン機としてなら、なかなかむずかしい立ち位置のカメラだったかもしれない。

いまはスマホカメラの性能も凄く上がったからね。どうかしたらパンフォーカスの写真ならスマホカメラでも驚くほど綿密でシャープな写真が撮れる。それからすると、まさにスマホカメラとの差を鮮明に描けなくなったというのが、マイクロフォーサーズを展開するオリンパスの苦悩だったのかもしれない。

いや、専門的観点からいえばスマホカメラとマイクロフォーサーズはもちろん全然違うと言われそうだけど、世の中の多くの人は専門的見地を求めているわけじゃないからね。そのカメラでしか得られないハレの時間を味わいたいんだよね、シンプルにね。

とはいえ、これでオリンパスが終わりというわけでもない。事業を継承された企業のもと、大胆に方向性を変えて復活劇を見せてくれるかもしれない。

何か新しいことを取り入れるためには、何かを捨てないといけないと言われるけど、そんな新しい始まりのためのひとつの時代の終わりなのかもしれないんだよね。

カメラ産業の至るところで廃業や廃刊なんかもジワジワと進行していて、それはまさしくカメラを取り巻く業界にとっては恐れを感じる状態にあることは間違いないんだけど、だからといってカメラが完全に不要になったわけでもない。

カメラはどこへ行くのか。それはカメラメーカーの手に委ねられているようで、実は僕たちカメラファンに問われているテーマでもあると思う。

傍観者になるか、当事者になるか。僕はささやかではあるけど、当事者であることを胸に生きていきたいと思う。オリンパスの粋な復活劇を夢見ながらね。この夏はPEN-Fと濃密に過ごす、密かにそんなプチ野望を抱きながら。

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