RICOH GR IV Monochrome

昨今のコンデジ人気の代表格のひとつが、このRICOH GRだろう。いまだに抽選でしか販売されない品薄感とか、数年前と比べるとやたら高値になったとか、そういうある種のネックがあるにも関わらず、である。

僕が初めてGRを手にしたのは10年ほど前の、APS-Cになった初代GRであった。当時も知る人ぞ知るGRであったと思うが、いまほどポピュラーな存在ではなかった気がする。

価格も当時は新品が6万円から7万円ほどで手に入れられたんで、そういう意味でも現在との違いを感じる。しかし、変化したのは為替とか世の中からのGRの見られ方で、GRそのものは頑なに変わらない姿勢を貫いている。RICOH開発陣の言葉を借りれば、進化より「深化」だ。

フィルム時代から始まった究極のスナップシューターなる姿勢は、ある意味「頑固」とも思えるほど一貫していて、その歴史は30年を迎えた。そして、その異常と言っていいほどのこだわりに、世の中がだんだんと惹きつけられていった30年かもしれない。

世の中に生み出し続けられるプロダクトの新製品の多くは、世代が変わればある程度の変わり感を求め、その見た目の新鮮さで生活者を振り向かせようとする。しかしながら、GRの見た目はよく見ないと分からない程度しか見た目は変わらない。テクノロジーや使い勝手の進化は、その中身の「深化」のほうにほぼ全振りされている。

30年間もあれば、途中で誰かが大きなイメージチェンジなどを言い出しそうだが、それを止まらせ、もう何世代も前からある種の完成形のかたちにあるスタイルを追求している。もう手を入れる箇所はないんじゃないかと、ユーザーであるこちらの方が思うくらい、突き詰めまくっている。

RICOH GR IV Monochrome

そういう迫力は、手に持つと静かな迫力として伝わってくる。僕は初代GR、GRIII、さらにGRDにも遡ったうえで、いま最新のGR IV Monochromeを手にしているが、パッと見は変わらない姿に見えても、手に持つとその違いであり、明らかな磨き上げが施された凄みを感じる。

一方で、それほどまでにGRレンズも、速写性も、明らかな薄さも驚くほど深化しているにも関わらず、何世代か前のGRを手にしても不思議と不満を感じない。ここがまた、GRのマジックである。どの時代のGRでも、ある意味、絶妙のチューニングのバランスにより不満を感じさせないとでも言えばいいか。

だから、GRにかぎっては何も新製品じゃなくてもいい。事実、僕も初代GRはそれはそれでいまだに究極のスナップシューターなのである。何を言ってるのか分からないかもしれないが、それはどの時代のGRでもいい、一度触ってもらえれば、一緒に暮らしてみてもらえれば、なんとなく伝わるのではないかと思う。多少饒舌が過ぎるかもだけど、これが僕の個人的なGR評である。