Leica M3

空シャッターの音を聴きながら、週末を待つたのしみ。

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金曜日の朝、一度だけ空シャッターを切って自室のケースにしまい、いま仕事場へ向かっている。今週のはじめにわが家へやってきたライカはまだフィルムも入れておらず、試し撮りは明日からの週末がはじめてとなる。

そもそもライカのフィルムの装填も、お店で一応は習ったのだけど、操作方法も含めて自宅でネット記事を見ながらゆっくりやろうと思い、まだフィルムは入れていないままだ。とすると、そっかと、空シャッターを切ってシャッター音はたのしめるなと、はたと気がついた。僕はこれまでフィルムをすべて撮り終わるとすぐに新しいフィルムを入れていたから、いわゆる空シャッターを切って音や感触を味あうということを思いつかなかった。でも、近ごろ読んだライカユーザーの人の本に、しばらくフィルムを入れていない時はフィルム巻き上げ動作と空シャッターを数回切ると機械の維持メンテにもなるし、何よりライカの機械としての精密さを五感で楽しむことができる、みたいなことが書いてあった。そこで、週末までは何度かライカを手に持ち、その手にずしりと馴染む感触や、フィルム巻き上げ動作、繊細なシャッター音なんかを密かに楽しんだ。

ライカの取扱説明を調べると、フィルム交換も日本のフィルムカメラのようには簡単ではないことがわかる。バルナック時代よりは交換しやすくなっているけど、例えば日本のフィルムカメラのように道端で立ったままフィルム交換はむずかしい。少なくともどこかテーブルに腰掛けてゆっくりと行う必要がある。だとすると、ライカ、それもM3時代のものは、一度フィルムを入れたらそれを撮り切るまでで撮影を終える、という使い方になるのかなと。僕が使っているフィルムであれば24枚撮りだから、朝フィルムを入れたら自宅に帰るまでは24枚しか撮らない。でも、だからこそ、一枚一枚を大事に撮る、そんな感覚。

ライカを手にして今のところ思うのは、この「フィルムは撮る前までは装填せずに、ふだんは空シャッターをたのしむ」ということと、「フィルムは基本的に一日に一本までしか撮らない」ということ。試し撮りする前からこんなこと考えてるのもじぶんでも少し呆れているけど、そんな撮らない時間でさえもあれこれ触ったり考えたりできることがライカが愛される理由なのかなと思ったり。きょうは雨の金曜日だけど、明日は晴れるかな。桜がようやく咲いたみたいだから、ライカと初めての散歩カメラができるといいな。いよいよフィルムを入れて。

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