フィルムカメラ

欲しいカメラができてしまった。触るとシビれるCanon F-1。

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Canon F-1。写真はキヤノンカメラミュージアムHPより

欲しいカメラができてしまった。触るとシビれるCanon F-1。

僕は世の中的にいえばニコン党だろう。フィルム機でいえばNikon F、Nikon F2フォトミックA、Nikon FE、Nikon FTNを今現在所有しているし、少し前まではNikon F6のユーザーでもあった。

デジタル機のほうも一眼レフはずっとニコン党。Nikon D5300に始まり、Nikon D750、Nikon Df、Nikon Z6と、ニコンのカメラにずっと魅せられてきた。だからというわけじゃないけど、キヤノンのカメラとは縁のない人生を送ってきた。

そんな僕だけど、初めてキヤノンのカメラが欲しいなと思ったのである。それが、写真の機種「Canon F-1」である。もちろん、その存在は知っていたし、カメラ屋でも何度となく見かけてきたカメラ。でも、今日まで「欲しいかも」と思ったことはなかった。

理由は明瞭である。初めて触ってみたのである。ふだんはニコンの製品が並んだショーケースばかりを眺めてたんだけど、お目当てのNikon EMはあいかわらず入荷していないし、Nikon Fフォトミックを眺めつつもそれはどうしても欲しいという感じまではしない。じゃあ帰るか、と何気に隣のショーケースをのぞいたら、何やら目があってしまったのである、Canon F-1と。

せっかくだから、一度はシャッターでも切ってみるかと、馴染みの店長にショーケースから出してもらう。たしかによく見るとなかなか存在感のあるフォルム、ブラックボディがよく似合う。あれ?何かイイじゃん!と手にとって、何気にシャッターを切ってみる。「え?何これ、何この気持ちのいいシャッター音!」と、正直想定外の驚きに包まれたのである。

店長いわく「いい音ですよね。さすがプロ機ですよね」と。たしかに。この音色はNikon F6の芸術的な音を聴いた時の感覚に近い。各部の造りも、無骨なニコン機と比べるとどこか洗練された印象があり、なるほどキヤノンらしいモダンな仕上げかもしれないと思った。ネットでCanon F-1を調べてみると、1971年登場だと分かる。まさにNikon F2の登場と同じ年になるのかな。

マウントを増やすとレンズを買うのも大変だと思いつつ、店長がさらっとショーケースから出してきてくれたNew FD 50/1.4なら驚くほど割安でレンズも揃う。ファインダーのホコリも取り除いてもらい、実のところ買う寸前までいったんだよね笑。でも、手持ちのカメラのどれかと入れ替えじゃないとこれ以上カメラを増やすわけにはいかないぞ、と少しだけ冷静になって、今日のところはCanon F-1をそっとショーケースに戻して帰路につく。

けれどね、久しぶりにゾクっときたんだよね、あのCanon F-1のシャッター音に。もちろん機械式シャッター機だから、僕のカメラ選びの基準にも合致する。僕はニコン党とはいえ、機械式カメラが好きなんで、他にもOLYMPUS OM-1NとMinolta SRT101も所有していて、別にニコンじゃないとダメというわけではない。というか、Canon F-1のあまりの出来のよさに正直びっくりして、ブランド云々よりもただただ感心したのである。

店長が言う通り、このF-1にはプロ機としての圧倒的なクオリティを感じた。見た目ももちろん上質だけど、圧巻はやっぱり触ってみた時の無言の重厚感であり洗練された操作感だ。いや、買うと決めたわけじゃない。しばらくクールダウンしたらじぶんなりの買わない理由も出てくるかもしれない。けれど、久しぶりに軽い衝撃を受けるカメラと出会えたことは素直にうれしい。Nikonのカメラたちに惹かれるのも、こうした好敵手がいたからなんだなと素直に納得。やっぱり競い合うライバルというのは何より性能向上のためには必要なんだね。しばらくうれしい悩みができた。

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