Bessa-L

久しぶりに不慣れな感じがたまらない。Bessa-L + Snapshot-Skopar 25/4

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Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

今週初めに訪れた出張先のバス停のそばにあったカメラ店で、思わず一目惚れしてバスが来るまでの実質3分間ほどで購入を決断したBessa-L。ひとまずボディだけ手に入れたものの、ファインダーやレンズのチョイスを一週間ほど悩み、今日ようやくこんな組合せで僕なりに出来上がったんで試し撮りに出てみた。(なので、まだ現像あがりの作例はない。ご了承を。)

Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

レンズについては正直かなり悩んで、手持ちのLマウントのElmar 50mmやJupiter-8 50mmをつける選択肢もあった。実際、Twitterの中のカメラ好きの人たちからも、目測にある程度慣れてるなら50mmでもOKなんじゃないかとアドバイスもらったりもしたんだけど、そうだとしても外付けの50mmファインダーがいる。これがまずカメラ屋なとで見つけられなかったのと、他のカメラへの使い回しのイメージがうまくわかなかった。で、たどり着くところ、いちばん最初に注目していた広角レンズのひとつ、Snapshot-Skopar 25/4を選ぶに至った。

Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

コシナ・フォクトレンダーがBessa-Lを出す時に同時に登場させてきた専用レンズのようなものだから、その収まりはやっぱり素晴らしい。僕はこのレンズを購入するにあたってこちらのブログ記事を参考にさせてもらったんだけど、この写真や記事を読んだ時にある種の衝撃を受けていて、最後はその強烈なファーストインプレッションに回帰したという感じ。この削ぎ落としたボディ&レンズ、そしてセットで売られた外付けファインダーの組み合わせの妙は、この「デザイン」のクールさだけで所有する価値があると思わせる。見事だよ、コシナ。

Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

このSnapshot-Skoparは距離計非連動のレンズ。そもそもBessa-L自体が距離計がないカメラだから、それ向けに用意されたレンズもそういう潔さなわけで、他のボディで使い回す時はピント合わせと連動はさせられないけど、その分目測専用レンズとしてのこだわりも持ち込まれている。上の写真のレンズ下に見えるピントレバーが1m、1.5m、3mでカチッと止まることで、レンズの目盛りを見なくても距離が刻めるように設計されている。最短は0.7m、最長は無限遠、つまり五段階で手元を見ずに目測撮影が可能だ。

Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

ピントレバーは実際に試してみても、これは使えるという小気味いいクリック感がある。これなら慣れればかなり実用的な機能として使えると思った。で、その25mmという世界なんだけど、これは僕には「ひたすら広い」と思った。僕のこれまでの経験でいうとズームレンズで24mmはたまに使うけど、単焦点レンズでは28mmがマックス、25mmの世界はなかなか未知の世界だ。今日、いつもの散歩道を試し撮りした感じでは、とりあえずいろいろ余計なものが写り込むなと笑。こらは間違いなく散歩カメラというより、街中のスナップ向きだろうね。けれど、ファインダーの見え方も明るくクリアで、1999年製とそれほど昔の設計じゃないからなかなか素晴らしい眺めを提供してくれる。この眺めは、街中ではかなりヤル気をそそるスナップシューターの視界だと思った。

Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

まあでも、そんな性能云々より、このフォルムがヤル気をそそるすべてだと言っていい。この薄さ、軽量でコンパクトな身軽さ、とにかくスナップシューティングのために余計なものはすべて削ぎ落としましたと言わんばかりのフォルムは、スナップ好きの人々のハートを強烈に撃ち抜く理屈抜きの力がある。ライカ機とも富士フイルム機とも違う、Bessaだけが持つ価値観や思想がそこには色濃く宿っている。一週間いろいろ悩んだけど、最終的にSnapshot-Skoparを装着するに至ってよかったかなとも思ってる。あ、Super Wide Heliar 15mmも最後まで悩んだけど、僕は超広角の非日常性より、自然なスナップの視界の範疇であること、そして他のボディにも使い回したくなる焦点距離としてSnapshot-Skoparをチョイスした。とはいえ、ここでも最後はデザインが決め手になったかな、やはり。それくらい、Bessa-LにはこのミニマルなSnapshot-Skoparのデザインはよく似合う。

Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

シャッターフィールも機械式ゆえに気持ちいい。スパンスパン撮れる感じはバルナックに似てるかな。あと使わないだろうと思っていた内蔵露出計が意外と便利だという気づきもあった。露出計を見ながら絞りやシャッタースピードを一段、二段と調節するのも片手で軽快にできるし、あと必要なのは僕の目測センスだけかな笑。試し撮りの現像が上がってきたら、そのへんのBessa-Lの癖みたいなものもいろいろ確かめていきたい。

それにしても1999年というそれほどカメラが原始的ではない時代に、距離計なし、ファインダーなしの孤高のカメラとレンズを出してきたコシナの潔さはある意味、感服というか、そういう姿勢はめちゃくちゃ男前でかっこいいなと思った。ここまで突き抜けると、きっとBessa-Lユーザーでファインダーなしでスナップしてる人も結構いるように思う。それもアリだなと思わせる究極まで削ぎ落としたクールさがこのカメラにはある。もう便利さみたいなものとは真逆をいくカメラだけど、そういうところに惚れるんだよ、男は。街を徘徊しろよ、男だろ、と脳天をガツンと撃ち抜かれるカメラ、それが僕の中のBessa-Lのファーストインプレッションだ。というわけで、ひとまず使用感のレポート、作例はまたそのうちに。

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