Leica M-P typ240

これ一台でオールラウンドに撮れる、と考えればM型デジタルは割高ではないのかもしれない。

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Leica M-P, Summilux 50/1.4 2nd

Leica M-P typ240を手に入れたことをブログに書いた時、ある人がTwitterにコメントをくれた。ニュアンスとしては

「M型デジタルは意外とオールラウンダーで、仕事から家族の写真までカバーできるんで、今では一眼レフも手放し、Leica Mだけでカメラ生活を楽しんでいます」

というような内容だった。とても丁寧にその様子を教えてくれて、確かに三脚にのせて仕事(たぶん建築とかインテリアのお仕事なのかな)用の写真を撮られてるシーンを見せてくれたりした。とはいえ、僕はその時、まだM-Pを購入したばかりで、スナップシューターを目的として購入したこともあり、これ一台ですべてをこなすというのはさすがに無理があるんじゃないかと正直受け取ったところがあった。

その後、Leica M-P typ240を集中的に試し撮りして約10日ほど経った今、それは「たしかにそう言えるかも」と思い始め、その人のコメントをふと思い出したので、いまこうしてこの記事を書いている。

M型デジタル。このライカが送り出すデジタルのレンジファインダー機は、値段だけ見ると不当に高額なんじゃないかと思えるくらい、国産のカメラたちより3倍から4倍は割高だ。おまけにアクセサリーも一桁間違ってるんじゃないかと思うくらいいちいち高い。でも、カメラがこれ一台で事足りるとしたら、決して高額ではない、そんな風にも言えるんじゃないかと思えてきた。

カメラ好きの人なら大抵、複数台のカメラやレンズを所有している。一眼レフならメインカメラとサブカメラ、それに標準ズームに単焦点、望遠にマクロ、さらにはオールドレンズ好きならミラーレスも別途所有して、場合によってはフィルムカメラとその現像コストもあれこれ…これを足しあげると、たしかにM型デジタルとレンズ1セットくらいは買える金額になっているはずだ。それがもしM型デジタル一台で事足りるとなれば、十分説得力のある話になる。では実際のところ、どうか。誤解を恐れずにいえば「M型デジタル一台で事足りる」と僕も思えてきた。

たしかにマクロは望遠は物理的にレンジファインダーでは難しいけど、マクロと望遠が無くても生きてはゆける。普通に写真を撮る分には単焦点カメラがあれば十分だ。それも、コンパクトなレンジファインダーであれば、フルサイズの余裕で一眼レフ並みにじっくり本格的に撮ることもできれば、コンデジなように普段の鞄の中に入れて手軽なスナップカメラとしても持ち出せる。そして、僕なんかはこれが重要なんだけど、フィルムカメラの操作感と写真の風合いまても楽しめる。たしかに、考えようによっては究極のオールラウンダーかもしれないのだ。

カメラを一台だけ所有すると考えれば、その所有感を満たしてくれるという要素も重要だけど、M型デジタルはそれに関していえばとんでもなく高い質感で満たしてくれる。しかも、新商品の登場するモデルサイクルも国内製カメラのように一年や二年で旧製品になることもないし、何世代か前のカメラもライカのメンテナンスであればまず心配することはないだろう。とすると、たしかにこれ一台であらゆる写真が撮れると感じた人にとっては、他の一眼レフやコンデジは必要なくなるし、オールドレンズを遊ぶための別途フルサイズミラーレスも必要ない。ライカM型デジタルこぞか本家本元、究極のオールドレンズ母艦ボディだから。

どうだろう、ちょっと言い過ぎだろうか。でも、僕も徐々にそういう感覚がわかりかけてきたところがあり、カメラはフィルムカメラのLeica IIIaとM3、そしてこのM-Pの三台にそれぞれのレンズだけでいいんじゃないかと思い始めている。三台でも使いきれないという人なら、まさにM型デジタルだけでいい。この究極のカメラを一台に、あとはレンズを数本揃えるだけでいいのかもしれない。そんなことをふと考えると、M型デジタルというのは決して不当に高い値段じゃなくて、複数台のカメラを一台でカバーできるようにしたトータル価格なんだと考えれば意外と適正価格なのかもしれないと。

ライカ好きの人はとかくコレクション的な意味合いもあって複数台持ちのカメラ好きの人が多いけど、それはもうほんと「収集好きのコレクションマニア」でもあるから、写真を撮るということにはあまり直接的には関係ない。ただピュアに一台のカメラであらゆる日常のカメラ生活をこなすということで考えれば、M型デジタルだけを所有してカメラのある生活を楽しむというのは全然アリなのである。

僕はもう少し、今の所有カメラたちも手元に残したまま、このLeica M-Pを使い倒してみて、これ一台でいけるという確信が今以上に明確に持てたら、その時は宝の持ち腐れにならないよう他のカメラたちを手放そうと考えている。もうしばらくすればその答えは出る気がしている。そして、この記事に書きたかったのは、M型デジタル一台でオールラウンドにカメラ生活をこなすという楽しみ方は全然アリですよ、という話。実際のところ、そんなに何台のカメラを持っていたって体はひとつ、すべてを使いこなすのは土台無理。だったら、M型デジタルを一台、徹底して深め、使い倒すほうが写真を深める意味でも理に適ってるかもしれないからね。実際にM型デジタルを使ってみて、ふとそんなことを思ったので書いてみた。M型デジタルは欲しいけど高額だから、ともし悩まれてる人がいたら、そういう選択肢も全然アリという、とあるユーザーの参考意見にしてもらえれば幸いです。本当にアリですから。

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