雨の日のカメラ撮影はみんなどうしてるだろうか。僕は雨専用カメラとしてこのFujifilm X-E2と安価なオールドレンズを用意している。防水防滴仕様ではないんだけど、雨を気にせず、まあ仮に壊れることがあっても平気というつもりで、このラフな組み合わせの機材を使っている。
だからといって写りも安価かというと、決してそうではない。比べるものではないけど、M型デジタルのLeica M-P typ240の描写と同じように気に入っているといえば、そのクオリティを分かってもらえるだろうか。そこには、やはりFUJIFILMミラーレス機が搭載している「フィルムシミュレーション」が大きく影響していると思う。そこで、いくつかのカラーのポジションを試してみた。
最初の3枚は僕がいつも常用しているポジション〈クラシッククローム〉だ。説明にはこう書いてある…「発色を抑えた暗部のコントラストを高めることで、落ち着いた表現に適します」。デジカメはフィルムに比べアンダー気味の写真が合うから、まさにデジカメポジションといえるかもしれない。
続いての3枚がフィルムファンにはおなじみの〈Velvia/ビビッド〉だ。Velviaは僕がフィルムカメラでも使っているリバーサル(ポジ)フィルムの風合いがモチーフだ。説明には…「高彩度な発色とメリハリのある階調表現で、風景・自然写真に最適です」と書いてある。たしかに、しっとりと落ち着いたクラシッククロームと比べると、俄然見た目は鮮やかで華やかになる。
そして最後の3枚が〈ASTIA/ソフト〉。実は僕はこのポジション、今日初めて使ってみた。フィルムもASTIAは使ったことがないから、どこか馴染みがなかったんだよね。説明にはこう書いてある…「落ち着いた発色とソフトな階調で、しっとりとした表現に適しています」。さて、どうだろう。
こうしてみるとFUJIFILM機のフィルムシミュレーションはやっぱりいいね。もちろんフィルムそのものの発色や階調なんかとは異なるけど、デジタルでもフィルムのフィーリングをベースにした写真づくりにこだわっていることが伝わってくる豊かさがある。オールドレンズで撮っているのもあるけど、僕はこのX-E2が写し出す世界に触れていっぺんにFUJIFILMのカメラのファンになった。デジタルは写りすぎてちょっと…というのはあるけど、フィルム現像コストをかけずにこうして撮り比べができるのはデジタルの強み。ミラーレス×オールドレンズの世界もまたなかなかのもんなのである。