Leica M-P typ240

デジタルか、フィルムか。カラーか、モノクロか。

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Leica M-P, Summilux 50/1.4

まず、そもそも迷わない人がいる。フィルムでしか撮らない人、モノクロでしか撮らない人、けっこういるように思う。でも、どうだろう、多くの人はそこまで厳密に撮り方を絞ってはいなくて、たとえばその日の気分や目の前の光景によって、撮り方を使い分ける感じじゃないだろうか。僕の場合は割とそう。きょうはフィルムで撮ろうと思うと、近頃ならLeica IIIaかM3を朝の仕事鞄に入れる。ほとんどはカラーネガで撮るけど、どうしてもモノクロで撮りたい時はC-41現像が可能なILFORD XP2を選ぶ。

でも毎日フィルムなわけじゃない。最近だとデジタルのほうが多いかな。この場合は平日だと、Leica M-PかFujiFilm X-E2ということになる。デジタルだと朝自宅を出る時に色を選ぶ必要はない。目の前の光景に合わせてカラーで撮ったりモノクロで撮ったり、その都度いろいろだ。M型デジタルを購入する時にモノクロ専用のカメラ・Leica M Monochromも検討しなくはなかったけど、僕はその光景によってその場で色を選びたい思いもあり、M-Pを選んだ。その選択は、僕には合っていたかなと思う。

そうすると僕はカメラで撮影する時に、まずフィルムかデジタルかを選ぶことができ、しかもカラーかモノクロかも選ぶことができる。実際、僕の写真はその都度いろいろだ。この選択肢に加えてレンズもその日の気分で選ぶことができるから、かなりの数の撮り比べの組み合わせがある。そして、その都度、何かしらの境界線によって写真の撮り方のバリエーションを楽しんでいる。じぶんで思うに、たぶん光の差し方でフィルムを選んだり、モノクロを選んだりしてるように思う。みんなの場合はどうだろうか。

これにボディやレンズを変える、というのも入ってくるわけだけど、それは気分転換にも大いに役に立つ。僕は平日にレンジファインダーばかりで撮っていると、ちょうど週末頃に一眼レフで撮りたくなるし、そうやって週末を一眼レフと過ごすと、今度はレンジファインダーで撮りたくなる。その繰り返しなんだよね。光を撮っていると考えれば何ら不思議なことではない。目の前にいかにも色鮮やかな光があれば、それはカラーて撮りたいと思うし、光と影の濃淡がおもしろい光景ならモノクロで撮りたくなる。僕は今のところ、このカメラの包容力が好きだ。あえて固定しない自由度といってもいいだろうか。これだけたくさん撮っても飽きないのは、そういう気分転換の振り幅が大きいカメラの使い方をしているからかもしれない。

カメラというのは、集中するための道具でもあるけど、時に気分を開放するための道具にもなり得る。シンプルなカメラ道を極めるにはモノクロばかりを撮り続けるとか撮り方の流儀を固定するやり方もあるけど、もう少し気分転換にも用いるなら、あえて撮り方を固定せずにいろんな撮り方を試してみるのもたのしい。僕のきょうのカメラはLeica M-PとElmar M 50/3.5。まだ一枚も撮っていないけど、仕事の帰り道、数枚は撮るだろうと思う。その時、僕はカラーを選ぶのか、モノクロを選ぶのか。じぶんでも運任せ、でもそれが楽しみだったりもするのである。