Rolleiflex Standard

そして「二眼レフカメラ ワークショップ」も、何度読んでも飽きない保存版。

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田中長徳 著  二眼レフカメラ ワークショップ

わが家には田中長徳氏の書いたワークショップと言う名の本が二冊ある。ひとつは「ライカ ワークショップ」で、もうひとつがこの「二眼レフカメラ ワークショップ」だ。主にはローライフレックスのことが書かれているが、そこから派生した外国産や国産の二眼レフのことにもかなりふれているから、ローライフレックス ワークショップではなくて「二眼レフカメラ ワークショップ」ということになる。

田中長徳氏の本を読んだことがある人は分かると思うけど、この本も御多分に洩れずチョートク節が炸裂している。いわゆる「浅いカメラ通」や「神経質なカメラ追求人」なんかの思想はバッサバッサと斬り捨て、真のカメラ人類のあるべき姿を語っていく。僕も浅い人間の一人だが、読んでる時はなにか長徳さん側の熱いカメラ人類になっている気分で読んでしまうから、そういう意味でもこの本は見事なモチベーションアップ本といえる。

長徳さん自身は最初に手に入れたローライは「ローライコード アールデコ」、日本では“金ぴかコード”と呼ばれる名機だ。その後、それを手放し「ローライフレックス スタンダード」に買い換えている。このエピソードが僕には親近感がある。実は僕がローライを最初に意識したのも出張先でのぞいたお店で見かけた金ぴかコードだったからだ。あいにくその金ぴかコードは委託品で、修理しないとそのままでは使えないと店員さんに聞かされ、手に入れるには至らなかった。

それから一、二ヶ月してからのこと、地元のいつもの中古カメラ屋をのぞいた時に程度のいいローライフレックス スタンダードと巡り会うことになる。もともと金ぴかコードに惹かれていたのもそのコンパクトさ。同じようにコンパクトでシンプルなスタンダードは一発で僕の心を鷲掴みにした。いつもの店員さんに全体的なコンディションを見てもらったが、レンズのテッサーをはじめ、どれもが珍しいくらい綺麗な状態だということで、その日のうちにわが家へ連れて帰ることとなった。

金ぴかコードからスタンダードへ。この流れが僕にとっては長徳さんと時空を超えてオーバーラップしたような気がして、妙に親近感を覚えてしまったのだ。田中長徳氏といえばライカ通として有名だけど、この本を読む限りでは、ローライフレックスのことも本気で愛しているように僕には思えた。本の中身はネタバラシになるのでこのへんにしておいて、興味がある人はぜひ読んでみてほしい。すでに二眼レフを持っている人はますます所有機が愛おしくなるだろうし、これから二眼レフを検討しようとしている人にはなんというか手にする幸福感みたいなものがつかめると思う。

ローライフレックス スタンダードで撮り始めて以来、その書籍なんかも探すんだけど実は意外に少ない。ライカ本やハッセル本はわりとあるんだけど、ローライフレックスをはじめとする二眼レフの本は、僕はこの長徳さんの本と、もう一冊はKindle本で藤田一咲氏が書いた「ローライフレックスの時間」という二冊しかうまく見つけられなかった。もちろんネット上にはレビュー記事や動画もあるんだけど、そのカメラの世界に入り込みたい時は、僕は本がいい。

なかでも田中長徳氏の本はとにかく土足でこちらの心に入り込んでくるようなところがあって笑、大いに没頭することができる。カメラは写真を撮る道具だから、いい写真が撮れるのならカメラはなんだっていいというのはあるんだけど、カメラに思い入れがあればさらに写真との人生は濃密になる。それくらい田中長徳氏の本は僕のカメラ人生に決して少なくない影響を与えている。責任をとってほしいくらいの笑。

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