ここ数週間ほどフィルムカメラのことを意識し始めて、春になったら何か古いカメラを手に入れようかなといろいろ調べたりしていた。Nikon F3、Nikon FM2、LEICA M3…、コシナBessa、Contax…、知識がないなりに、でもなんとなくレトロな風合いの写真が撮れそうな感覚をフィルムというアイテムに投影して考えていたんだと思う。でも、今日なにかすっきりした気がする。僕はフィルムの質感が好きなんじゃなくてモノクロームの世界が好きなんだなと。その気づきのシンボリックな事象としては、LEICA M Monochromの写真を見たこと。Twitterでみかけたにごさんの写真なんかほんと素晴らしかった。なんというか電流が走るような惹かれ方をした。フィルムじゃなくてデジタル、やわらかさというよりソリッドなモノクロームの世界。あ、僕が惹かれていたのはフィルム調のビンテージ感じゃなくて、モノクロームからくるどこか懐かしさも持ち合わせた、でも凛とした緊張感も持ち合わせた空気感なんだなと。こういう表現があっているかどうかは分からないけど、そんな気がした。だから、僕はきっとフィルムカメラを手にしてもどこか満たされないものがある気がする。それがここ数日どこかすっきりしない感じでフィルムカメラのことを調べていた少し曇り加減の心境だったんだと思う。これで少しすっきりした。一眼レフを手放してGRにしたのも、ハイキーからローキーになってそれが近ごろモノクロになっていたのも、どこかじぶんの中で好きな世界観の写真へと知らず知らずのうちにたどり着いていたんだろうし、デジタルカメラからどこか無理してフィルムカメラに回帰しようとしていた少し無理したじぶんがいた気がする。僕はデジタルでいいんだと。撮りたいのはフィルム調じゃなくて、ソリッドなモノクロームなんだと、そういう気づきというか再確認。さっき、RICOH GRの設定保存にモノクローム3種類のマイメモリーを加えてみた。あらためてモノクロームのおもしろさを突き詰めていってみようと。そして、その先に手に入れたいカメラがあるとするならば、それはLEICA M Monochromだなと。うん、なんか鮮明になってきた。
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