
しかし、カメラという機械は最高にかっこいいな。
一見ごちゃごちゃしてるように見える軍艦部も、ある意味狭いスペースに究極の配置がなされた機能美の結晶。ひとつひとつのパーツに込められたであろうモノづくりの意地みたいなものが僕はとにかくたまらないんだな。
現代のミニマルなデザインもスーッとして気持ちいいんだけど、フィルムカメラの時代のこの機械の塊感を全身で放つフォルムは、その肌触りも、冷やっとした感触も、ゴツゴツしているようで滑らかな造形も、すべてが本能に突き刺さる。

ライカにはライカの、ニコンにはニコンの、ミノルタにはミノルタのそれぞれ美学がある。時代の変化に合わせて、その機械の技術的な容姿や部品も変わる。だから、いつのまにかいろんな時代のさまざまなカメラやレンズが手元に増えていくわけだけど、若き頃には高価でとても買い揃えることはできなかった名機たちが、いま、じぶんの目の前に並び、こうしてつぶさに眺めていられることはこれ以上ない至福だ。

連休最終日の夕刻、明日からまたしばらくこの機械たちを外に連れ出すことができないことは少し寂しくもあるが、平日を走りきった先にこうしたフルメカニカルシャッター機をはじめとするプロダクトたちと戯れられると思えば、またひと頑張りできる。男とは単純だけどそういう歓びが仕事の励みになったりする。中2の頃と何ひとつ変わってないな、じぶん。
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