高性能AF機としてより高速SS 1/8000機として持つ意味も大きい。Nikon F6

Nikon F6, 50/1.4D, Fujifilm 業務用100

僕の場合だと、高速シャッタースピード機はNikon F6になる。このボディに常用レンズとしてNikkor Ai AF 50/1.4Dをつけてることが多いわけだけど、これだけ明るいレンズになるとISO感度100のフィルムでも太陽の出た日中ではなかなか開放付近では撮れない。

機械式のフィルムカメラなら最高でもSS 1/1000までのものが多いし、ヴィンテージカメラとなるとSS 1/500や1/300のものも珍しくない。そうするとSSを最高にしたとしても絞りをf8からf16あたりまで絞らないと露出オーバーになってしまう。そういう事情もあって機械式だけどSS 1/4000まであるNikon FM2やFE2は人気があったりするんだよね。

極論を言えば、別に絞って撮るならSSは1/1000もあれば十分だけど、日がさす日中に明るいレンズの開放部分の癖を楽しもうと思ったり、ボケを大胆に楽しもうとすると、やがてシャッタースピードがもっと高速なボディが欲しくなる。僕の場合は理由はそれだけではなかったけど、シャッタースピードのことは相当意識してNikon F6を手に入れた。

Nikon F6はフィルム機とはいえ現行機でフラッグシップ機でもあるから中古ボディを選んだとしてもそこそこいい値段になってしまうんだけど、これがフラッグシップ機ではないAF機に目を向ければ、驚くほど手頃な価格でハイスピードなSSのカメラを手に入れることができる。中級機であっても1/8000や1/4000は当たり前にあったりする、実は狙い目のカメラたちが勢ぞろいしている。

AFで撮るのが嫌ならマニュアルで撮ればいいだけなんで、ある程度割り切って高速シャッタースピード機として一台持っておくのも手だと思うんだ。でもたぶんね、AF機の正確さや便利さにも気づかされることになって、フィルムをAF機でも楽しむようになると思うんだけどね笑。

Nikon F6, 50/1.4D

SS 1/4000とか1/8000の世界を手に入れると、どうかしたら冬の空なら開放付近でファインダーを向けることができる。僕は感度100で撮ることが多いけど、感度400を常用フィルムにしている人も多いと思うから、そうするとやはりシャッタースピードは高速であったほうが撮るシーンを選ばない。手頃な値段で新しい世界を手に入れるなら、レンズよりもボディのシャッタースピードに目を向けてみる。これは意外と写真にいちばん大事な要素だと思う。量だけはたくさん撮るスナッパーの一人の意見として^ ^。

RICOH 500 Deluxeの初の街撮り。トリガー巻き上げが気持ちよすぎて撮りすぎた。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

先日手に入れたRICOH 500 Deluxe。前回は家の近所で日中、絞り目で試し撮りしたんで、こんどは絞り開放付近で街撮りしてみたく、持ち出してみた。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4

このカメラはご覧の通り、なかなかの男前っぷりで、艶めかしく光る金属ボディがいかにもタフなスナップシューターを思わせる。何より特徴的なのは、シャッターチャージがボディ底面のトリガー巻き上げ仕様であること。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

まさに拳銃の引き金(トリガー)をひくような撮り方で、それは単に見た目だけの話ではなく、実際に街中で瞬時にシャッターを切るのにも向いている。それはじぶんで引き金をひいて街撮りしてみたことで、確信に変わった。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

カメラボディ自体がセンサーを積むデジタルカメラと違って、フィルム撮影の場合は、写真の仕上がりはフィルムとレンズで決まるとよく言われる。それでいえば、このリケノンのレンズはなかなか味のある描写を見せてくれる。写真はほとんど早朝の絞り値f2.4開放だけど、ふわっとしつつも「余韻」といえる曖昧さは僕には心地いい。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

45mmという焦点距離も一見中途半端に思えるが、実際撮ってみると50mm慣れしてる僕にはまったく違和感がなかったし、38mmのKonica C35 ヘキサノンや40mmのRollei35と比べても決して狭さは感じない。意外と絶妙なスナップ焦点距離だと思った。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

まあでもそんな風にポジティブな印象に思えるのは、リズムよく撮影できたからだろう。その意味では、このカメラはトリガー巻き上げであることに尽きる。それが街撮りを軽快にし、スナップを実に気分良く楽しませてくれる。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

こうして複数枚の写真を並べてみると、全体的に青系がかっていて、少し淡い感じかな。同じレンズシャッターのKonica C35なんかと感覚は似ているかもしれないと思った。あと、f2.4なのでそれほどボケはでない。でも、スナップシューターだと捉えたらそれもまったく気にならない。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

夜も試し撮りしてみたけど、シャッターショックもないんで、普通に感度100のフィルムでも撮れてしまう。これなら昼夜こいつ一台と富士フイルム業務用100だけで街撮りスナップへ出かけることができる。カメラ自体の重さはそこそこずっしりくるけど、それもまた味。一度は経験してみたいと考えていたトリガー巻き上げ式のカメラ、RICOH 500 Deluxe。お店で見つけられさえすれば安く手に入るし、なかなかおすすめの一台だと思う。街中で引き金ひいてみたい人はぜひ、どうぞ。快感です。

ライカM3とは、

Leica M3, Summicron 50 1st

僕ごときがライカのしかもM3を語る資格も力量もないけど、あらためて少し書いてみようと思った。というのも、今朝Twitterで「こんどのM10-Dには巻き上げレバーがついているらしい」という記事を見かけたからだ。

現代も脈々と受け継がれるM型ライカの元祖、M3。その造りはすべてにおいて驚嘆のレベルだ。その前までのモデル、バルナックライカも素晴らしいが、そこからさらに圧倒的進化をとげて現代のカメラの普遍的なスタイルを世の中に強烈に打ち込んだのは、間違いなくこのM3であり、フィルムカメラでおなじみのあの巻き上げレバーもM3が発明した。

のぞいた瞬間にその美しさに誰もがハッとするであろうファインダーや、かすかな音で囁くようにそっと景色を切り取るシャッター音も素晴らしいが、この世界初の巻き上げレバーの感触もとんでもなく素晴らしい。僕のM3は初期型のダブルストロークだが、精密機械の緻密さながら、あのなんとも言えない人間味のあるニュリュリとしたレバーの手ごたえは、僕が触ってきたカメラの中では間違いなく他を圧倒的に引き離したナンバーワンだ。M3に触れた人の多くが、実は最も心打たれて購入する理由はあの巻き上げレバーの感触が実は筆頭なんじゃないかとさえ思う。それくらい、M3がタダモノではないことを物語る凄さがあるのである。

こんどのM10-Pはデジタルでありながら、背面モニターを排するだけじゃなく、この巻き上げレバーを復活させるのだとしたら、あのM3の巻き上げレバーの「感触」までも復活するのかと、ふと興奮したのである。M型デジタルがいくら進化したとしても、それは性能面の話であってさすがに感触はハイテク時代らしいソリッドなものであると思ってるんだけど、もしそのデジタル機にあのエモーショナルの塊のような巻き上げレバーの感触が戻ってくるとしたら、これこそアナログとデジタルのハイブリッドであって、撮る歓びが間違いなく異次元へとシフトする。そんな言いようのない興奮を僕は感じたのである。

ライカというブランドは凄いことしてくるなと。ライカという企業がクレイジーで凄いのか、それともポルシェ911と同じで、あまりにも初代の完成度が究極すぎて、それを超えられない呪縛に苛まれ続けている結果なのか、それは分からない。けれど、M型フィルムライカをやってきた人間であれば、どんなセールストークよりも巻き上げレバーが復活することの意味は計り知れないだろう。

ライカでいうM3とは、ポルシェでいう911。僕はBMW乗りなんでポルシェのことは分からないが、空冷ポルシェ時代のあの何者にも超えられない孤高の凄みは分かる。ライカがフィルムライクに撮りたいファンたちへ送り出すモデルに巻き上げレバーを復活させようとしているなら、それは一目おかざるを得ない。デジタル時代に機能的には必要のない巻き上げレバーを復活させてきたライカ、果たしてその役割はどういう意味を持たせてくるのか。そして、その感触はあの時代の必要とされた機能美の結果と比べてどうチューニングされてくるのか。そこに、ライカの本気度を確かめる目を持って、その登場を楽しみに待ってみたいと思う。ライカM3とは、という話ではなくなった気もするけど、最新のライカを考えることは、ライカM3を考えることなのである。

アレモコレモさんの真似をして、欲しいものを素直に少し書いてみた。

Leica Standard

買いたいじゃなくて、くれるなら欲しいという話だから、気楽に書けるという解釈で。そうだなあ、まずはこのライカ・スタンダードのブラックペイントだな。以前カメラ屋で見かけて思わず触らせてもらい、写真を撮らせてもらったという笑。IIIaを購入した直後だったからとても買う気までは至らなかったんだけど、よく言われることで「中古カメラは出会った時が買い時」という言葉の通り、次回訪れた時はもう無くなってた。以来、どこのカメラ屋へ行っても心のどこかでこいつを探してるじぶんがいる。

あとは、Rolleiflex 3.5F(または3.5E)クセノターかな。これは欲しいというよりずっと憧れ。川内倫子さんの使用するカメラという意味で、なんか僕の中で聖域なんだな。手にしたいような、いや手にしちゃいけないような、そんな存在。

それから、気になっているといえばContax I型のブラックペイント。あの四角シカクしたボディ。いい感じにペイントが剥がれて真鍮が浮き出たボディは、もう写りとか分からなくてもただただいいなと思う。車でいえばMINIじゃなくてFIAT Pandaのカクカク具合。あの直線的美学はライカにはない味だと思う。

あとね、単純にNikon Z6とRICOH GRiiiはいいと思う。登場を待ってる人は絶対買っちゃえと思う。Zは初号機ならではの熱量を感じるし、GRはこの期に及んで小さくしてきたからやるなあRICOHって思う。カメラは作り手の意思みたいなものがモロに滲み出るプロダクトだからね。この2つにはそれを感じる。

それと、いつもなんとなく意識して見てるのは、やっぱりNikon FとF3かな。僕は最終的にF2アイレベルを選んだけど、最後の最後までFとF2、F3は比較しまくったからね。その時にふれた手触りが今でも忘れられないんだろうね。

そうそう、ミノルタ機も気にはなる。SRTシリーズだっけ、あれにロッコールというのはなんともクールなイメージ。所有してる人のイメージとして、変にカメラをアピールせずに、ほんとにカメラとか写真を静かに愛してる感じがする。そういう意味では稀有なカメラなんじゃないかな。私見ではあるけど。

最後は、Leica R6.2。機械式の一眼レフ機。ライカはM3をもう一台欲しいと少し狂った感情を持った時期もあるんだけど笑、その予算が仮にあれば先にこいつかなあ。ズミクロン つけて、クタクタになったR6.2を首からぶら下げて都市や荒野へ出る。なんとも最高じゃないか。

いやあ、妄想も悪くないね笑。もうカメラは増やさないと一応じぶんに課してるから、こうして書くだけなら大丈夫。買わなくても、カメラ屋に通って眺める価値はあるこんなカメラたち。それにしてもこのライカ・スタンダード、やっぱりたまらないオーラあるな。

デジタルこそマニュアルで撮ったほうがたのしい。

Leica M-P typ240, Industar-61 55/2.8

僕の場合、まず前提としてフィルムで撮るのがたのしい、ということがあるんだけどね。それは、いい意味で手がかかるということ。フィルムを選ぶたのしみ、フィルムを装填するプロセス、露出を決めるたのしみ、そしてフィルムを巻き戻し、現像する(僕はラボへ出すけど、その待つ間だってたのしい)たのしみ。できあがる写真の素晴らしさもだけど、フィルムカメラに魅せられる人々は、手のかかるプロセスをたのしんでるんだろうね。いつ故障するか分からない少し古いイタ車を可愛いがるような感じに近いかな。

それと比べると、デジカメは便利でランニングコストもそれほどかからないけど、手がかからな過ぎる。どうかしたらほぼフルオートで美しい写真が撮れてしまう。それはそれでいいことなんだけど、たのしいかといえば微妙かなと。瞬間を逃すことのできないプロカメラマンならともかく、割とゆっくり撮ることができるアマチュアカメラマンにとって、撮るという行為は何も急がないし、カメラをじぶんなりに攻略するのがたのしいんじゃなかったっけと。僕だけかな、こんな暇人めいたことを言ってるのは笑。

でも、ある時からデジカメをフィルムカメラ的に、つまり撮る所作というかプロセスをたのしむようになってから、僕の中のカメラとの向き合いが少し変わった。デジカメをもっと手のかかる子として扱ってみることで、デジカメの撮影プロセスにも味を見出すことができるようになったんだ。いちばん手っ取り早いのは、デジカメをマニュアルで撮ること。ラティチュードのひろいフィルムと比べるとデジカメは露出にかなり正確さを求められるけど、これもフィルムカメラを経た人であれば、ゲーム感覚くらいでけっこう無理なくたのしめるはず。絞り、シャッタースピード、ピント、感度、どれもフィルムカメラと同じ作法で撮れば、実はかなりおもしろいことに僕は気づけた。これは大きかったなあ。

まあデジカメはその時々の先進テクノロジーの塊だから、その恩恵を存分に生かして写真を撮ることは正しいし、それが価格に見合う価値でもあるわけだけど、試しに手持ちのデジカメをマニュアルで試してみてほしいなあ。意外とカメラの忘れていた本質的たのしみを感じとることができるかもしれないし、撮影する時間の流れ方が変わると思う。つまり、ちょっと人生の流れ方が変わる。僕はそう思う。

手荒く扱えるカメラを何台か持っておくといいよね。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4

僕にとってはこのRICOH 500 Deluxeもそうかな。フードまで全身艶かしいスチールで覆われたボディはいかにもハードに使えそうだし、僕もこれならガシガシ街へ連れ出して使えそうと思って手に入れてるから、やれ必要以上に大事に取り扱わなきゃとかそういう気にはならない。

これがさすがにLeica M3やLeica M-P typ240あたりだと、いかにも精密機械といった佇まいであることもあって、ラフには使ってもガシガシと無造作に使うには多少気がひける。埃とか雨とか、そういう状況下からは最低限守ってやらないとカメラとして長持ちさせられない気がするのだ。実際はそんなヤワじゃないんだろうけど、なんとなく気分的にね。

僕は出張なんかも比較的多いから、旅行鞄の中なんかにカメラを入れて、鞄をコロコロと地面に転がして移動したりするんだけど、そういう時はガシガシ使えるカメラの出番だ。そうだなあ、僕の中でそういう出番のカメラとしては、このRICOH 500 DeluxeにKonica C35、Bessa-L、Retina typ117、Rollei35、PEN EE-2あたりがコンパクトさも含めてそうかな。デジタルだとRICOH GR、Leica X2、オールドレンズ機としてはFUJIFILM X-E2なんかがそうだ。

このあたりのカメラなら、鞄に入れずとも一日中、首から下げたり、ハンドストラップで手に持ったまま移動しても気にならない。つまり、少しぶつけてもいいし、あちこちに置いて底が擦れても別にかまわない。それよりも機動性重視と思えるカメラたちだ。価格的な価値ということでも特になく、そのカメラたちのパーソナリティによるところが大きいと思う。本当はね、ブラックペイントのLeica M-Pをもっと酷使して真鍮が見えるくらい使い古したいんだけど、余計な振動だけは与えないようにそこは少し気を使ってる。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4

このRICOH 500 Deluxeは最近手に入れたばかりで、一度家の近所で試し撮りしてみたんだけど、想像以上にキレのある描写で手ごたえを得たんで、こんどはいよいよ街撮りスナップに連れ出したいなと。このワイルドな見た目のトリガー巻き上げも、やっぱり速写が似合う街中向きだ。僕は新しいカメラを手に入れた時は、内部の油を滑らかにする意味でけっこう集中して使ってみる。RICOH 500 Deluxeもフィルム数本を立て続けて使って、本当の意味での試し撮りを終え、本調子へ持っていきたい。それにしても、この金属の塊のカッコよさよ。カメラは見た目がとても大切だ。撮影者をソノ気にさせるという意味においてね。

週末の朝は、愛犬と一眼レフと森へ。

Nikon Df, 50/1.8G

10月中旬の土曜日の朝、あまりにも適温で気持ちいいので、庭にアウトドアチェアを出して、いまこのブログを書いている。平日5日間、仕事に走り抜けてきたご褒美と思って、ありがたくこの至福の時間をいただく。

僕とカメラの付き合い方でいうと、平日はいつも仕事鞄の中には何かしらのカメラが入っているが、速写で街撮りスナップができるようにレンジファインダー機かフィルムコンパクト機がほとんどだ。一枚も撮れないほど忙しかったりするのだけど、それでもカメラを持ち歩いていることは精神的にどこか救われるところがあって、移動中のワンシーンをスナップするのが束の間の安らぎだったりする。

だから、仕事から開放された週末はとにかくのんびりしたいと思う。職場からかなり離れた郊外の家の近所で過ごす週末は、どこか隠れ家にとどまっているかのようで、精神的にはとても心落ち着く。僕なりのオンとオフのバランスをとってるライフスタイル。土のある場所でオフを過ごしたいと思うのは、幼い頃に育った環境もあるんだと思う。

そういうわけで、週末はとにかくまったり過ごしたいわけである。風の音や、葉の揺れる音、大地の枯れ草を踏みしめる足音なんかに静かに耳をすませながら、腕時計を外して過ごすのがいい。相棒は、愛犬と一眼レフだ。平日のノーファインダーな速写とは打って変わって、週末はじっくりファインダーの中の濃密な世界をのぞきながら、辺りに少し響きわたるレフ機のシャッター音を楽しむ。これが、たまらない。

そういう意味では、愛犬にも感謝してる。彼のおかげで眠い朝もなんとか起きだして、早朝の少しドラマティックな光が差し込む自然の中へ繰り出すことができるからね。カメラはNikon Dfであることが多い。このカメラは、ほんとまさにこういう写真ライフを送るためにあるカメラなんじゃないかと思う。一枚一枚じっくり撮る。ダイヤルをカチカチまわしながら、ゆっくり、まったり。僕を癒してくれるこの使い勝手こそ、Dfというカメラの最高性能だと思ってる。

Nikon Df, 50/1.8G
Nikon Df, 50/1.8G

みんな人それぞれ、じぶんを癒したり、頑張ったしぶんへご褒美をあげる方法がある。僕の場合は、週末にこんな癒しの時間というご褒美だ。そして、今は季節もそんな僕にご褒美をくれる。暑くもなく寒くもない抜群の適温のなかで、庭にアウトドアチェアをだして、お日さまと土の匂いを感じながらブログを書く。そして、目をつぶってあれこれ考えごとをする。上空高くには飛行機が飛び去るがその音も心地いい。そろそろ眠くなってきた。昼寝でもするか、風と。

カメラはもうこれ以上はいらないと思ってる。それより時間が欲しいんだ。

Leica M3

僕はカメラが好きだ。写真そのものと同じか、それ以上だ。だから、気をつけてはいるものの、魅力的なカメラをみつけるとついつい手を伸ばしてしまう。おかげでここ最近は毎週末、試し撮りしてるような気分だ。それはそれで楽しいんだけど、そんなカメラより大事だなと思うのが「時間」だ。

もちろん、カメラといる時間は最高の部類に入るわけだけど、人生は案外忙しい。仕事もあれば、家族もあるし、映画も見たければ、本だって読みたい。だから、カメラを人生の主役にするわけにはいかないんだ笑。僕にとってカメラは最高の脇役であって、カメラに振り回されるのはちょっと目指している人生と違う。

だから、カメラはもうこれ以上はいらない。ほんとだよ笑。昨日はNikon FEをある人へ譲った。カメラを増やすことより減らすことに舵を切ったんだ。じぶんではそのつもり。かといって無理やり減らすのもなんか目的がすり替わっちゃうんで、あくまで自然体でカメラを減らし、人生を少し濃くしたいんだ。

できるかな笑。いや、できるようにするんだ。人生は長いようであっという間だからね。カメラとの時間を減らすというわけじゃないよ。カメラとの時間をむしろ濃くするために、時間を大切にするんだ。手持ちのカメラで体験していないシーンがまだたくさんあるからね。というわけで、記憶カメラはまだまだ続く。ジワジワ、濃さをめざしてね。

じぶんの常識をぶっ壊そう。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

言うほど簡単じゃないんだな、これ、かなり意識しないと。僕、これかなり確信あるんだけど、にんげんはどうしてもマンネリする動物だから。時間がたてばたつほどどうしても居心地のいい場所を自然と見つけてしまう、そして知らず識らずのうちにそこに居座ってしまう。すると、にんげんの体の中の血流が止まるようなもんだから、そっと居心地よく大人しくしているようで、実は体や頭にいろいろ支障をきたす。だって、血流が止まってるんだからね。だから、僕らはなんとしても変化を取り入れていかないといけない。それは些細なことでいいんだ。いつもと違う道を帰る。いつもと違う靴を選ぶ。いつもと違う人とやりとりして、いつもと違うカメラやレンズを選ぶ。そうして、凝り固まったじぶんに風穴を開けるんだ。新しい何かが入り込む隙をつくる。ポリシーとしてじぶんを変えないみたいなことは一見クールなんだけど、僕は“常に変えようとすることを変えない”ほうが、数段、数倍クールだと思う。じぶんメモとして。

ライカは目測、僕はほぼそうなった。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

僕の腕前があがったから目測になった、というわけではない。そのほうが楽にスナップできるからである。僕はライカを4台持っている。バルナックIIIa、M3、コンデジX2、M型デジタルのM-P typ240。そのうち特にこのほぼ目測機に値するのが、IIIaとM-Pだ。

IIIaはそもそも二重像を合わせるファインダーが見づらいんで、よほど手前のモノにピントを正確に合わせたい時以外は距離用ファインダーはのぞかない。その隣にある画角用の50mmファインダーは見るけどチラ見程度で、あとは大抵無限遠かF値を絞って撮るから、まあ極端にピントをはずした写真にはならない。

M-Pのほうは、ファインダーは素晴らしく美しいんで見たくなるところだけど、こちらもピント合わせ自体は先に距離を固定しておいて、それが大体合ってるかどうかの確認用にファインダーをチラ見する程度だ。結局、スナップを撮るのはほんと一瞬の連続だから、いちいちファインダーを丁寧にのぞいてる時間がないのである。1m、1.5m、2m、3m、5m、7m、10m、そして無限遠、大体撮る時にどれかの距離に固定して歩き始めることが多い。もしくは、歩きながら被写体を見つけては構える前に目測で距離を合わせてしまう。撮る時はファインダーをチラ見してシャッターを押すだけ。これがとにかく楽なんだな、スナップの場合。最初からそういう思想で撮っているわけではなく、いつのまにかそんな風に撮るようになっていた。じぶんにとっていちばん楽な撮り方として落ち着いてきたのがその所作というわけだ。

じゃあ、その他のライカはどうかというと、X2はそもそもAF機なんでピント合わせはカメラ任せ。M3はなんで目測じゃないの?ということになるけど、これは単に僕がM3のファインダーをのぞきたいと思ってることが大きくて、あのおそらく世界一美しいであろうファインダーを撮るたびに眺めるのが単に好きなのである。なんかあまり説得力のない理由だけど、それが本当のところなのである。

まあでも、そんなM3も速写スナップシーンでは往々にして目測になることも少なくない。IIIaとM-Pでずいぶん目測慣れしたことも大きくて、あまり頭の中で深く考えなくても大体の距離は目測で刻めるようになった。あと、その他のカメラもRollei35やBessa-Lが目測専用機なんで、じぶんでも意識していなかったけどいつのまにか目測慣れしたんだろうね。

まあ、レンズを絞ればどこでもピントは合うから、そういう撮り方でもいいんだろうけど、僕の場合は割と絞り開放付近で撮るのが好きなんで、そうすると撮るたびに目測で細かに距離を刻み直す必要もあって、なんとなく1m単位で目測によって距離を刻んでいく撮り方になった。最近はそれが一眼レフにもひろがっていって、愛犬との散歩の時なんかは片手しか使えない事が多いんで、一眼レフでもピント固定で目測で撮っていることが多い。それもこれもきっかけはやはりライカなのである。まあ目測で撮るけど、目測が得意で正確なわけじゃないから、ピントは甘々の写真が少なくないけど、それもまた愛嬌というか許せる範囲になっている。ライカ使いの人たちがみんなそうなのかは分からないけど、まあこれも一人のライカユーザーの撮り方の一例ということで。さて、明日のカメラ〈Leica M3, Summicron 50/2 1st 〉を仕事鞄に入れて眠りにつくとしよう。