「コンデジ」より「スナップシューター」って呼称のほうが良くね?

Leica X2, 固定レンズ Elmarit 24/2.8 ASPH

この写真のカメラはLeica X2だけど、X2のことじゃなくて「コンデジ」と呼ばれる小型カメラ全般についての話なんだけどね。たしかに「コンパクトデジタルカメラ=コンデジ」で合ってはいるんだけど、これサイズのことしか言ってなくて「何に適したカメラか」ということは言っていないんだよね。だから単純にコンデジって聞くと少しチープなカメラを連想するんだけど、現代のコンデジはチープなんかじゃまったく無くて、むしろ高性能なハイテクカメラ機能をギュッと小型に凝縮した、最もクールなカメラと言うことができるんじゃないかと。そのほうが性能の素晴らしさにフィットしてるなと、ふと思った。

つまり、コンデジじゃなくて、例えば「スナップシューター」と呼んでみるとかね。実際、僕が持っているコンデジと呼ばれるカメラはRICOH GRとLeica X2なんたけど、スナップシューティングという使い勝手や性能でいえば、世の中のあらゆるカメラを凌駕する魅力に満ちている。一昨日、マイクロフォーサーズのPEN-Fの軽量コンパクトな魅力をブログに書いたけど、スナップの持ち出しやすさにかぎっていえば、それをさらに凌駕するのがこの二台の「スナップシューター」なんだ。

とにかく小さい、そして軽い。ついでに言えばファインダーが無い分、突起も少なくて、鞄の中やポケットの中にもするりと収まる。ちなみに僕はきょう出張に出ているんだけど、相棒はこのLeica X2だ。僕の平日の友となった小型のPEN-Fも、さすがに出張先に持ち出すには少し大きいし、何より路上をガタガタと転がして移動するキャリーバッグの中に詰めるには精密機械すぎて気がひける。その点、Leica X2やRICOH GRならもっと無造作にバックの中に入れられるラフさとタフさがある気がする。

そして、GRもX2も当然オートフォーカスだから、街中でサッと構えてヒュンヒュン撮れる。ファインダーはないし、背面モニターも決して見やすいものではないけど、AFが効いている安心感でけっこう乱暴に撮っても後から見るときちんと撮れていたりする。それもそのはずでGRもC2も小型なんだけどセンサーはAPS-Cと贅沢だ。絞り開放付近で撮ればボケのあるスナップもしっかり撮れる。写りの感覚的には一眼レフを持ち歩いているレベルにあるわけだ。一眼レフのサブカメラとして高性能なコンデジと呼ばれるカメラを所有している人も多いと思う。でも、サブにしとくにはもったいない性能が、ことストリートにおいてはあるんだよね、このカメラたちはね。

僕は以前、デジイチなんかを一斉に手放してカメラをGR一台だけにして過ごした時期がある。物足りなくない?と言われそうだけど、これがまったくジレンマはなかった。とにかく身軽で、どこに行くにもGRが一緒で、僕の中にスナップのカタチみたいなものがあるとするなら、それはGRだけで撮りまくった時期に出来上がったものだとさえ思う。ノーファインダーな撮影、縦位置に構える撮り方、モノクロスナップの覚醒、広角スナップの画角感覚、どれをとってもGRがその魅力を気づかせてくれたし、M型ライカにハマりつつもこうしてコンデジのX2をさらに手に入れようと思ったのは、それがコンデジなんじゃなくて「スナップシューター」だったからだ。

世の中の進化がこれだけ「大きかったものが、ハイスペックかつコンパクトになる」という方向にあって、カメラについては何か大きなもののほうが本格的であったり高性能という風潮がまだどこかあるけど、昨今のフルサイズミラーレス時代の到来で、ようやく高性能=コンパクトという流れに向かいつつある気がする。ミラーレスといってもフルサイズならば一眼レフよりは小さいものの、まだまだスナップシューターとしては大きい。むしろ、もっと小さなミラーレス本来の魅力であるマイクロフォーサーズやスナップシューター(コンデジ)たちに日が当たっていると感じるのは僕だけだろうか。なんというか「時代がようやく追いついてきた」という感覚が、スナップシューター(僕にとってはマイクロフォーサーズやコンデジと呼ばれるカメラたち)にはぷんぷん感じるんだよね。そろそろ、センサーのサイズなんかでジャンル分けするのをやめて、使われ方性能でカメラたちを呼び始めたほうがいいんじゃないかな。

僕が選んだデジカメたちの話。

Olympus PEN-F

何を隠そう、実は僕はデジカメもけっこう所有している。いま手元にあるのは、RICOH GR、Nikon D300、Nikon Df、Leica M-P typ240、FUJIFILM X-E2、Leica X2、そして最近仲間入りしたOLYMPUS PEN-Fだ。こうして数えてみると7台もあったのかと少し驚いてるけど。

RICOH GR

もちろん所有台数でいえばフィルムカメラのほうが多い。それでもデジカメもけっこう数があるのは何もコレクションしているわけではなくて、実用するからある程度使い分けを想定して手に入れていて、しっかりフィルムカメラとデジカメを併用しているのである。

Nikon D300

ただ、傾向はあって、スナップ用カメラか、フィルムライクなカメラだということ。D300だけ少し異質かもしれないけど、単純に本格一眼レフ機で息子のスポーツ行事なんかを撮ることもあるから、それはそれで所有し続けている理由はあったりする。

Nikon Df

けれど、こうやって揃ったカメラたちを俯瞰で眺めてみると、まあメジャーなカメラは一台も持っていない。どこか本流からズレたカメラというか、一癖ある潔い方向性に振ったカメラが多い。あまり人が持っていないカメラ、ということになるんだろうか。やはりじぶんはひねくれてるなと思ったり。

Leica M-P typ240

それでもデジカメは僕のカメラ生活に無くてはならないモノへとしっかり定着した。ひと頃はカメラはGRだけだったんだけど、ある日フィルム一眼レフに出会って以来、「スナップ」と「フィルムライク」というじぶんの中の嗜好が見えてきて、そのモノサシにそったデジカメであれば積極的に使ってみようと思えるようになったのである。

FUJIFILM X-E2

ただ、そんなだから、デジカメの作法もちょっと普通とは違うかもしれない。ISO感度やホワイトバランスなんかは「オート」にはしておらず、一回一回持ち出すたびにフィルムカメラのように値をセットする。モニターもオフにしたり見なかったりでそこにデジカメの便利さはない。レンズもマニュアルフォーカスが多いから、そうだなあ、デジカメの恩恵としてはまさにフィルム代がかからないのと、現像に出さなくていいことということになる。

Leica X2

それでも高感度であることや、シャッタースピードが高速で切れることは物理的にもメリットで、それでスナップの幅が大きくひろがるということはある。実際にフィルム代や現像代がかからないから、日々の愛犬との散歩へ持ち出すのはもっぱらデジカメだし、アダプターを介してオールドレンズを楽しめるのもなかなか気に入っている。

OLYMPUS PEN-F

まあ、写真の雰囲気はフィルムのほうが豊かなんじゃないかとかいろいろ意見はあるだろうけど、いかなる時もシャッターが切れるというのはフィルムカメラやデジカメを問わない使い方のメリットだし、もしこれから先、仮にフィルムがこの世から無くなることがあっても、僕にはデジカメだってあるという安堵感はどこかある。理由をあえてあげればそんなことになるけど、単純に好きなんだよね、デジカメも。好きになったというのが正確かな。最初に書こうと思ったことと若干論点がズレてる気もしなくもないけど、まあつまりデジカメもいいよ、という話でした。

僕の中の28mmは、考えることを放棄する世界。

RICOH GR, GR Lens 28/2.8

これは完全に僕個人の見解だけどね。僕にとっての28mmとはほぼGRのことを意味するんだけど、あれだけ苦手意識のあった広角を曲がりなりにも撮れるようになったのはGRのおかげで、GRがなかったら今も僕は広角とは仲良くなれていなかったと思う。

とはいえ、RICOH GRが教えてくれた、気づかせてくれたのは、28mmを撮る際のノウハウとかコツではないんだ。強いて言うなら「広角は考えるな」ということ。なぜなら28mmは僕の視界より少し外側が写り込んでしまうんだ。じぶんの目で目の前の光景を切り取ったつもりが、好むも好まざるも意識していない少し外側の世界が入り込んでくるから、僕の抱いた画角の世界とは少し異なる印象の写真が撮れてしまう。少しとはいえ、写真の端に想定しないモノが写り込む影響はかなりでかい。何度も撮るけど、これはもうどうしようもない。ある種の「放棄」の世界だ。思い通りの写真を撮ること、何か考えを巡らせて撮るなんてことを諦めさせてくれるものがそこにはあるような気がする。

そう思い始めてからは、実に楽になった。考えて撮らない、どうせファインダーはないし、モニターを凝視してる暇もない。そんなあれこれ考えてるよりは一枚でも多くシャッターを切る。そんなことをGRは教えてくれたように思う。僕はスナップ向けカメラといわれるものはGRしか知らないから、他のカメラでのぞく28mmの世界のことはよくわからないけど、GR的にはそう思ったし、僕的にはその解釈によって28mmが楽になり、好きになった。人間の視界の外側が少し写り込む微妙な違和感のある世界。そのザラついた感じがとても心地いいんだ。思い通りになることがなにも気持ちいいというわけではないことを、このカメラは教えてくれる。