マウントアダプターには夢があるよね。


Fujifilm X-E2, SMC Takumar 55/1.8, M Elmar 50/3.5

今朝なんとなくNikonミラーレスのことをTwitterにつぶやいたんだけど、仮に来週発表されても今のところ購入の予定はない。というのも、僕は今、Fujifilmのミラーレス X-E2で十分楽しめてるからだ。

これまでも、Lマウントアダプターを介してElmar 50/3.5 Red Scaleをつけたり、ロシアンレンズ Jupiter-8 50/2やIndustar-61 L/D 55/2.8をつけてはストリートでスナップしたり、家の近所を散歩カメラしたりで、すっかりオールドレンズをデジタルで楽しむ日々を送っている。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2
Fujifilm X-E2, Industar-61 L/D 55/2.8

で、ずっと気になっていたのが、Asahi Pentax SPで使っているSMC Takumar 55/1.8と、M型Leicaで使っているMマウントレンズたちをミラーレスで楽しむこと。というわけでM42マウントアダプターとMマウントアダプターを新たに入手したというわけである。

Fujifilm X-E2, SMC Takumar 55/1.8

まずはSMC Takumar。いやあ、フードをつけたらかなり先まで長く伸びたフォルムだけど、なかなか迫力があってよろしい。あ、まだレンズを装着したばかりなんで作例の写真はない、あしからず。このSMC Takumarはフィルム機であるAsahi Pentax SPで撮った時にあまりの写りの良さにほんと驚いて、ここ最近ミラーレスにも装着して試したいと思っていた。

Fujifilm X-E2, M Elmar 50/3.5

そして、僕がいちばん使っているであろうM型ライカ用のMマウントのレンズたち。ひとまずM Elmar 50/3.5を装着してみたけど、そもそもレンジファインダー用なんでマウントアダプターも薄くて、まるでM型ライカに装着した姿と違和感がなくて実にしっくりくる。なかなかカッコいいなと。Mマウントレンズは他にもSummilux 50/1.4 2ndやCarl Zeiss Planar T*2/50 ZM、M-Rokkor 28/2.8なんかもあるから、おいおいいろいろ試してみたい。

あとはM42マウントのレンズたちがもう少し欲しいかな。これまではLマウントの手頃な価格のオールドレンズを探したりしていたけど、これからはM42マウントのレンズたちもいけるから、レンズ選びの選択肢が格段に増えたこともうれしい。そんなこんなでまだこのミラーレスX-E2で試していないことも多いし、まずはX-E2をオールドレンズ母艦にしてひと通り試してみようかなと。

LMリング, Elmar 50/3.5
Leica M-P typ240, Elmar 50/3.5(L)

僕はこの他にもLMリングアダプターを持ってるから、手持ちのボディとレンズの組み合わせだけでもかなりバリエーションを楽しめる。僕が購入したマウントアダプターは安価なK&F製だからコストもそれほどかからないし、まさにオールドレンズ を遊び倒すにはもってこいのミラーレスなんだ。LMリングはライカ純正にしたからけっこう割高だったけど、曖昧さを楽しむオールドレンズなら安価なアダプターでも十分かなと。というわけで数千円で夢が格段にひろがるマウントアダプターの世界。これは夢の魔法のアイテムといってもいいくらい。そう、まだまだやることがたくさんあるのである。Nikonのミラーレスにふれる前にね。はやく週末が来ないかなあ、そんなことを思う週の真ん中、水曜日。


日々のカメラ、週末のロードバイク。僕は生きかえる。


Specialized Roubaix SL4 Sport, Fujifilm X-E2 + Jupiter-8 50/2

6月最後の土曜日の朝、激しかった雨が奇跡的にあがり、2時間程度なら持ちそうな空の色を確認して、僕はロードバイクを持ち出した。月末はプールも休館日のため、この体の鈍った感じを取り去るにはロードバイクに乗るしかないように思えた。

いつもの通り、車と並走せずに済む川沿いの道まではそろりそろりとロードバイクを走らせる。ママチャリと同じくらいのスピードだが、公道はいつもこんなペース。自転車のF1カーとも言われるロードバイクはあまりに軽量すぎるため、車の多い道や歩行者が行き交う道ではスピードが出過ぎるし、ビンディングシューズでペダルと固定された足は、急な停止には向かない。つまり、人や車のいない道で高速で走れる場所でしかロードバイクのポテンシャルは引き出せないし、自転車道が整備されていない日本の道路ではほとんどの場合、ロードバイクの本質を楽しむことはむずかしい。

だから、僕の場合はロードバイクのポテンシャルが引き出せない道路では、ママチャリと変わらない乗り方しかしない。僕の知人でロードバイクやトライアスロン(TTバイク)をやってる人間は、車にロードバイクを積んで移動し、安全な場所に着いたらようやくロードバイクにまたがりハイパフォーマンスを楽しむ。ロードバイクのポテンシャルを高次元で引き出せる乗り方をした時の爽快感はたまらないものがある。無心になれたり、記憶が蘇ったり、肉体が風と同化したり、想像を超えた多幸感に包まれる。そして、そこまで力を出し尽くした後の疲労感は、何者にも変えがたいほど心地いい。

現代はどんなにしなやかに仕事をしようと思っても、かなりのストレスと疲労感にさいなまれるけど、それでもなんとかまた翌週がんばれるのは、僕にとっては週末のこのロードバイクのおかげだ。このロードバイクが僕の主に肉体的な疲労感をリセットしてくれるとするならば、脳的なリラックスをもたらしてくれるのがカメラ。毎日わずかずつでもシャッターを切れるよろこびは、他のものでは代わりがきかない。

人間には、じぶんを解放することができる何かがいる。僕の場合なら、それはカメラでありロードバイクだ。Runや水泳もするけど、道具と戯れることが僕はどうやら好きなようで、その意味ではカメラとロードバイクは脳と肉体をリセットしたり高めたりするのにとても合っている。そして、カメラとロードバイクは相性もいい。きょうはロードバイクで走る背中にミラーレスカメラFujifilm X-E2を乗せていて、休憩がてら何枚か道中のスナップを楽しんだ。ロードバイクに乗る時は大抵、なんらかのカメラはいつも一緒だし、逆にカメラを楽しみたいからロードバイクに乗って出かけることもある。決してこけることのない安全な乗り方をすれば、どんなカメラでもこうしてロードバイクと少し遠出の散歩カメラ的スナップが楽しめる。

僕はカメラもロードバイクも楽しむ時は大抵ソロ、つまりひとりだ。仕事も家庭も常に誰かと動いている中で、ひとりになれる時間は貴重だし、じぶんのペースみたいなものを取り戻せるところがある。今の目の前のことだけでなく、昨日のことを考えたり、明日のこと、数年後のこととかいろんなことが頭の中をめぐる。そうした脳のゆらぎみたいなものに、カメラとロードバイクはとても心地よく刺激を与えてくれる。子どもの頃は永遠と思えたゆるやかな時間の流れも、この歳になると加速度的に慌ただしく過ぎていく。そういう日々と週末に、少しだけじぶんらしいペースの時間を。趣味とは遊びだけじゃなくて、じぶんらしさを確認する大切な時間でもあるんだ。


雨の土曜日、ミラーレスX-E2でフィルムシミュレーションを撮り比べてみた。


Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

雨の日のカメラ撮影はみんなどうしてるだろうか。僕は雨専用カメラとしてこのFujifilm X-E2と安価なオールドレンズを用意している。防水防滴仕様ではないんだけど、雨を気にせず、まあ仮に壊れることがあっても平気というつもりで、このラフな組み合わせの機材を使っている。

フィルムシミュレーション〈クラシッククローム〉

だからといって写りも安価かというと、決してそうではない。比べるものではないけど、M型デジタルのLeica M-P typ240の描写と同じように気に入っているといえば、そのクオリティを分かってもらえるだろうか。そこには、やはりFUJIFILMミラーレス機が搭載している「フィルムシミュレーション」が大きく影響していると思う。そこで、いくつかのカラーのポジションを試してみた。

フィルムシミュレーション〈クラシッククローム〉
フィルムシミュレーション〈クラシッククローム〉

最初の3枚は僕がいつも常用しているポジション〈クラシッククローム〉だ。説明にはこう書いてある…「発色を抑えた暗部のコントラストを高めることで、落ち着いた表現に適します」。デジカメはフィルムに比べアンダー気味の写真が合うから、まさにデジカメポジションといえるかもしれない。

フィルムシミュレーション〈Velvia/ビビッド〉
フィルムシミュレーション〈Velvia/ビビッド〉
フィルムシミュレーション〈Velvia/ビビッド〉

続いての3枚がフィルムファンにはおなじみの〈Velvia/ビビッド〉だ。Velviaは僕がフィルムカメラでも使っているリバーサル(ポジ)フィルムの風合いがモチーフだ。説明には…「高彩度な発色とメリハリのある階調表現で、風景・自然写真に最適です」と書いてある。たしかに、しっとりと落ち着いたクラシッククロームと比べると、俄然見た目は鮮やかで華やかになる。

フィルムシミュレーション〈ASTIA/ソフト〉
フィルムシミュレーション〈ASTIA/ソフト〉
フィルムシミュレーション〈ASTIA/ソフト〉

そして最後の3枚が〈ASTIA/ソフト〉。実は僕はこのポジション、今日初めて使ってみた。フィルムもASTIAは使ったことがないから、どこか馴染みがなかったんだよね。説明にはこう書いてある…「落ち着いた発色とソフトな階調で、しっとりとした表現に適しています」。さて、どうだろう。

こうしてみるとFUJIFILM機のフィルムシミュレーションはやっぱりいいね。もちろんフィルムそのものの発色や階調なんかとは異なるけど、デジタルでもフィルムのフィーリングをベースにした写真づくりにこだわっていることが伝わってくる豊かさがある。オールドレンズで撮っているのもあるけど、僕はこのX-E2が写し出す世界に触れていっぺんにFUJIFILMのカメラのファンになった。デジタルは写りすぎてちょっと…というのはあるけど、フィルム現像コストをかけずにこうして撮り比べができるのはデジタルの強み。ミラーレス×オールドレンズの世界もまたなかなかのもんなのである。


手頃なFUJIFILM X-E2でオールドレンズ散歩を楽しむのはどうだろう。


Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

僕はじぶんが試してみて良かったものは積極的に人におすすめするタイプなのでご容赦を(笑)。で、このFUJIFILM X-E2はもう何年も前に発売された旧機種のミラーレスAP-S機。僕はこれにマウントアダプターをつけてライカLマウントのオールドレンズ を楽しんでいる。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

ここにあげてる写真たちはすべてロシアンゾナーことJupiter-8 50/2で撮ったものだけど、そのほかに同じくロシアンレンズのIndustar-61 55/2.8をつけて、お気軽散歩や街撮りスナップを楽しんでいる。とにかく軽量だから、首からぶら下げて一日中歩いたとしても全然平気なんじゃないだろうか。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

オールドレンズの真の楽しみ方としてはフィルムで撮ったほうがいいのかもしれないけど、デジタルミラーレスで撮る楽しみとしては大きく2つかな。ひとつはやっぱりフィルム代をかけずに撮れて、現像に出さなくてもこうしてブログなんかにアップできること。若い人たちがコストを抑えながらこうしてオールドレンズを楽しんでる気持ちはとてもよく分かる。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

もう一つ大きいのは、レンズの開放付近で撮れることじゃないだろうか。デジタルなら1/4000くらいまでは高速でシャッターが切れるから、オールドレンズの最もおいしい絞り開放付近で日中でも撮ることができる。フィルムカメラならNDフィルターを付けたりしないとf2開放なんかはなかなか日中では使えないからね。僕はそういう楽しみ方をしている。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

あと、デジタルだとFUJIFILM機ならフィルムシミュレーションという描写エフェクトも楽しめる。僕はいつも大抵「クラシッククローム」か「モノクロ」だけど、FUJIFILMらしくかつてのフィルムをイメージした「Velvia」や「Provia 」なんかも選べる(僕はまだ試したことはないけど)。これはかつてのフィルムファンにはたまらないであろうポイントで、フィルムをやる人でデジタルのFUJIFILM機を使っている人が多いのもうなづける。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

このFUJIFILM X-E2はひとつ前の機種だから中古で安く手に入るし、オールドレンズもロシアンレンズなんかは数千円で見つけられたりする。3万円もあればオールドレンズライフが始められ、しかもフィルム代や現像代コストもかからない。ふだん、なかなか現像まで時間や手間をかけてカメラを楽しむことがむずかしい人でも、これなら入りやすい。僕はデジタル+オールドレンズは素晴らしく正義だと思う。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

デジタルで撮る写真は、フィルムのようにオーバー目で楽しむというよりはアンダー目になるけど、それもまた写真の楽しみ方のバリエーションとしてはアリで、僕は好んで雨の日なんかはデジタル+オールドレンズを持ち出すことが多い。FUJIFILM X-E2はそんな楽しみ方がしたくて手に入れたカメラでもあるんだ。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

それとオールドレンズがいいのは、もちろんフィルムカメラにも使えるということ。僕もJupiter-8やIndustar-61はフィルムライカIIIaやM3、あとデジタルライカのM-P typ240にも使いまわして楽しんでいる。そうか、考えてみるとElmar 50/3.5をX-E2に装着するのはまだ未経験だな。こんど試してみよう。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

マニュアルフォーカスのレンズだし、撮影はほぼ目測だからピントも甘かったりするんだけど、そもそもオールドレンズを楽しむならそんな描写のゆらぎも味だから、それも含めて気軽に楽しめる。僕はボディはもう買い足さなくていいなと思ってるけど、オールドレンズだけはお得で面白そうなものに出会えればもういくつかあってもいいなと思ってる。レンズひとつでいくつものボディで楽しめるからね。


作品じゃない、写真だ。


Rolleiflex Standard, Tessar 75/3.5

作品というのは、僕の中では創作しているイメージがあって、何かしら目的意識をもって、その構想にそって作り出されたものなのかなと思って。あくまで、僕の持つイメージの話だけどね。その意思自体はとても素晴らしいことだと思っていて、作品のためにカメラを持って遠くへ出かけたり、機材を研ぎ澄ましたり、現像レタッチにこだわったり、その熱はきっと日々を頑張って生きぬくエネルギーになる。

僕はそこまでエネルギーを注げないから、ただただ静かに目の前の光景たちを写真に撮っている。移動の路上、散歩の道端、家族や愛犬の写真。実に平凡な日常をカメラで撮っている。記憶してるといえばカッコいいんだけど、そこまでもなくて、カメラで写真を撮る行為が好きだから日々シャッターを切っているというのが正直なところだ。そんな緩い気持ちで写真を撮っていて楽しいのか? その程度ならスマホカメラで十分なんじゃないかと言われそうだけど、そこはやはりカメラで撮るからどこか心地いいんであって、それだから飽きずに日々撮り続けられている。日常とカメラがセットな感じなんだよね。

明らかに作品なんかじゃない笑。紛れもなく写真であって、それ以上でも以下でもない。もちろん、写真を誰かに見てほしいという気持ちはあるけど、それもこうして日々の記憶のブログの中で十分だと思ってる。十分っていうとなんか妥協してるように思えるか。妥協どころか本人としてはそれがむしろ気持ちいい。そのカメラとの距離感、割く時間の長さも、趣味としての適度な労力。どれもが気持ちいいんだ。好きなカメラで、好きな時に、好きなようにシャッターを切る。それが楽しくて、そのうえ気にいるような写真が撮れればそれはもう儲けものみたいな。作品を撮ってる人からすると、あまりに緩いカメラとの向き合いかもしれないけど、それも含めて許容してくれるカメラってのは懐が深いなあと思う。僕の生きてるシーンのほとんどはごくごく平凡な日常だから、そのほとんどを一緒に行動できるカメラというのは実に理に適った道具なんだ。


撮りたいスタイルは特にない。撮りたいだけ。


Fujifilm X-E2, Industar-61 55/2.8

写真を撮るのが上手いひとなんていうのは、どこかじぶんのスタイルみたいなものを持っていそうだけど、僕には特にスタイルというものはない。じぶんではそう思ってる。まあ写真が上手いひとでも何でもないから、それはそうではあるんだけど。

街も撮るし、自然も撮る、近所の道端も撮る。一眼レフでも撮るし、レンジファインダーでも撮るし、デジタルでもフィルムでも撮る。広角もアリだし、標準でも、中望遠でも望遠でもアリ。オールドレンズもあればAFレンズもあって、じぶんで言うのも何だけど、とにかく多種多様に撮る。

撮りたいものが明確な時もあるけど、その日持ち出すカメラやレンズの癖に合うものを撮る、というところもある。そう考えると僕の中のカメラとは、記憶装置というよりも気分転換装置なのかもしれない。気分転換だから、カメラやレンズを変えるように、撮る写真のスタイルらしきものがその都度変わるのは自然なことだと思うし、複数台のカメラやレンズを持つ楽しみはそこにあったりする。何かスタイルを確立してるひとたちの写真を見ると凄いなあと思いつつ、僕にはそれはできないし、それを真似る技術もない。行き当たりばったりだけど、ひたすら自然体で撮り続けるしかないんだよなと思う。それが楽しかったりもするのだけどね。さて深夜になった。眠りにつこう。


写真に言葉はいらないけど、タイトルはあったほうがいいと思った。


「紳士と街」Fujifilm X-E2, Industar-61 55/2.8

今さらの気づきでアレなんだけど、ふと昨夜そう思ったんだ。きっかけはTwitterでつながっている〈だいきちボンバー〉さんとやりとりしたこと。(あ、この〈だいきちボンバー〉さんはフィルムカメラやオールドレンズの素晴らしいブログを展開されてる方なので、ぜひ一度のぞいてみてください)。で、そのだいきちボンバーさんが僕の過去にTwitterにあげた写真を「タイトル」で呼んで会話されたんだよね、何気なくね。

というのも、僕はふだんはほとんど機材クレジット(使用したカメラ、レンズ、フィルムの情報)しか載せないんだけど、ここ最近、特に意味があったわけじゃないけどタイトルらしきものを写真に添えていたんだよね。あまり写真の印象に影響のないようなシンプルで普通のタイトル的言葉。例えば上の写真は「紳士と街」、下の写真は「すれちがい」。まさに、だいきちボンバーさんが会話にふと持ち出された2枚だ。

「すれちがい」Fujifilm X-E2, Industar-61 55/2.8

そのTwitterでの会話そのものは別に写真タイトルなんかの話ではなくて、ロシアンレンズへの興味関心のやりとりだったんだけど、そのスナップ作例の中のある写真を持ち出した会話の時に、さらっと写真タイトルが持ち出されたんだよね。その時は自然と会話を終えたんだけど、後から振り返った時に、

あ、写真にタイトルがあると、なんというかニックネームみたいで、コミュニケーションがしやすくなる。

なんか今さらだけど、そんな風に思ったんだよね。とはいえ、僕がTwitter なんかにあげてる写真は、ほんとなんてことない日常のスナップなんでタイトルをつけるほどのものでもない。だから無理やりはつけない。スナップを撮る時にふと頭によぎったであろうフワッとした感情みたいなものを瞬間的に思い起こせるものは、タイトルとして、いやニックネームとして添えようかなと。そんなことを、ふと思ったんで、メモのような記憶として。


インダスター61 L/D 55/2.8の写りは、ジワジワくる。


Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2

ここ二日間、手に入れたばかりのロシアンオールドレンズ[インダスター61 L/D 55/2.8]で撮っている。カメラはミラーレスAPS-CのFUJIFILM X-E2、フィルムシミュレーションはクラシッククローム。作例というにはアレだけど、一応上げておこう。

Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2

まずは、しっかり写るという印象。すでに所有しているロシアンレンズ[ジュピター8]と比べても遜色ない。ジュピター8が予想以上に素晴らしい写りですっかりお気に入りなんだけど、インダスター61もそこへ仲間入りかな。コストパフォーマンスに関してはジュピター8のさらに上を行くからね。

Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2

どことなく写りに落ち着きがあるのは、やはりこのレンズの開放値がF2.8という決して明るいレンズではないからだろう。日中はF5.6かF8を基準に絞りを前後変えていろいろ撮ってみたけど、暗めのテッサー型レンズということでいえばエルマー 50の写りに近いのかな。開放付近で暴れる感じもない。

Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2

ひとつ強く感じたことは、APS-Cミラーレスに55mm、すなわち35mm換算で82.5mmともなるとかなり狭い、密度のある画角になるなということ。ジュピター8の50mm、すなわち換算75mmよりも確実に狭い世界だなと思った。もはやスナップの焦点距離というより、ポートレートの焦点距離になるのかな。

Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2

こうして写真を一覧で並べてみても、派手さや華やかさみたいなものより、落ち着いた感じがベースにある。開放f2のジュピター8なんかは開放付近ではもっとボケの強い個性を放ってくるが、インダスター61の場合はいたずらに癖を表に出さない。写真は内面ですよ、とでも言わんばかりの大人の写りといえばいいかな。

Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2
Industar-61 L/D 55/2.8, Fujifilm X-E2

ロシアンレンズというとチープな印象があるかもしれないけど、それはヘリコイドの感触とかフォルムデザインの面からのもので、レンズとしての写りの方は本家カールツァイスやライカのレンズと比べても見劣りしない。それゆえのギャップがまたロシアンレンズをおもしろい存在にしているのかもしれない。僕のインダスター61はLマウント、55mmだけどバルナックライカにつけたくなってきたなあ。エルマーとの比較という意味でもね。またひとつ楽しみが増えた。


新しい遊び相手がやってきた。Industar-61 L/D 55/2.8


Fujifilm X-E2, Industar-61 L/D 55/2.8

こうして見ると、ルックスも悪くないな。近ごろはオールドレンズたちに遊んでもらってるんだけど、今夜もう一人ロシアから新しい遊び相手がやってきた。Industar-61 L/D 55/2.8というロシアンレンズだ。

試し撮りはまだ。ひとまず家に帰ってFujifilm X-E2につけてみたところ。このX-E2にはJupiter-8をつけて遊んでたんだけど、遊ぶどころか、そのロシアンゾナーの写し出す出来が僕の想像を遥かに超えて良かったから、ロシアンテッサーでいいんだっけかな? このインダスターも試してみようと連れて帰ってきた。

それにしても、この手のロシアンレンズはほんと値段も安くて、え?という価格で買えてしまう。特にレンズを買う予定はなくお店をのぞいたんだけど、一万円を大きく切る価格でこんなレンズがショーケースにあったら、そりゃ買ってしまう笑。お店でサクッと検索してみたところ、Industar-61といっても僕の買ったものはL39スクリューマウントのものだから、いわゆる星形ボケのものとは違う。でも、店員さんと話してると絞りを8とか11にすると絞り羽が星形にはなるんで、どうかしたら星形も撮れるかも、なんて二人で話してた。

あとギズモショップで扱われてたという記事があった。なんでも、元々はFED-5の標準レンズだったらしい。とりあえず見た目の無骨さはJupiter-8とも似ていて、なにやらニヤリと笑みがこぼれるロシアなワイルドさというか、ヤンチャ感が僕にはたまらない。開放で2.8だからあまりボケの癖を期待するでもなく、ひとまず開放から絞った感じまで試し撮りしてみたいなと思ってる。まずはX-E2装着でJupiter-8との比較かな。

それにしても、オールドレンズには何とも言えない惹かれるものがある。特にロシアンレンズはとにかくリーズナブルで、そのフォルムも独特の存在感がある。チープクールとでも言えばいいのかな。それでいて、写りは大いにギャップを感じさせてくれる期待値があって、ミラーレスで遊ぶにはモッテコイのライトさがある。ひとまず、いろいろ撮り倒してみたいと思う。作例はまた次回ということで。数千円でこんなにワクワクできるなんていうのは、ほんとニヤリだよなあ。


Jupiter-8は、綺麗に撮ろうと思わせないところが好き。


FUJIFILM X-E2, Jupiter-8 50/2

きょうは予想通り、一日悪天候。昨夜手に入れたFUJIFIM X-E2とJupiter-8の出番となった。あ、質問をもらったので一応付け加えておくと、X-E2もJupiter-8もまったく防滴仕様ではない笑。ただ、僕が雨の日はライカを持ち出すのを躊躇するんで、もっとラフに使い倒せるデジタルMF機材を持っておこうと考えたわけ。

で、昨夜のモノクロ撮影に続いて、きょうはカラーも試してみようと思ったんだけど、その目的のメインはボディ性能の確認ではなくてJupiter-8の写りを確かめること。ロシアンゾナーと呼ばれるJupiter-8、コピーというよりゾナーそのものと言われる写りの癖みたいなものをまずは掴めればなと思った。でも、正直きょう一日ではJupiter-8がなんたるかは掴めなかった。もちろん、大口径のオールドレンズらしい味のあるボケが楽しめることはある程度分かったんだけど、絞るにつれて性格を変えるその描写変化までは確認する余裕がなかった。

FUJIFILM X-E2, Jupiter-8 50/2

でも、感覚としてはっきり分かったこともある。それが、Jupiter-8だと「綺麗に撮ろう」という意識がいい意味で希薄になるということ。上手く言葉にするのが難しいんだけど、「そんな頑張らずに、もっとラフに撮ろうよ」と語りかけてくるようなところがJupiter-8にはあると思ったんだ。特に僕が装着しているのはデジタルのミラーレス。そもそもいくら失敗しても、そんなこと気にせずに大量のシャッターを切ることができる。そんなことも相まって、とにかくJupiter-8は撮ることの肩の力を抜いてくれるようなキャラクターがある。

FUJIFILM X-E2, Jupiter-8 50/2

この感覚は、僕が所有する他のズミルックスやエルマー、ロッコールなんかとはどこか違う。安いレンズだから?、まあそれも無くはないけど、それよりも、その佇まいによるところが大きいかな。同じオールドレンズでもズミルックスやエルマーはやっぱりどこか高貴さや正統性みたいなものを静かに訴えてくるところがある。それに対してJupiter-8は「要は撮れりゃいいんだよ、大事なのは見た目じゃなくて中身だし、結果だろ」みたいに語りかけてくるとでもいえばいいだろうか。

FUJIFILM X-E2, Jupiter-8 50/2

これはある意味、僕のレンズ觀をぶっ壊してくれたかもしれない。レンズは高価=写りがいい、というもんじゃないという、何かこれまで抱いていたレンズヒエラルキーの先入観みたいなものをぶっ壊してくれる感覚だ。カメラやレンズにかぎっていえば、ブランドもグレードもまったく関係ない、必要なのはじぶんに気持ちよく撮れるか、写るかどうか。写真家じゃなくて、写真“愛好”家の「愛好」の精神みたいなものを教えてくれている気がするんだ。そういう感覚を味わうだけでもこのレンズを持つ意味がある。僕はそう思った。

FUJIFILM X-E2, Jupiter-8 50/2

まあこのへんの話はかなり感覚論でもあるんで、そのフィーリングはぜひ手に入れて感じてほしい。一万円前後で入手可能だから、Jupiter-8はネットでいろいろ調べるより、じぶんの手で、目で撮ってみるのがいちばんだ。あ、この話だけど、Jupiter-8は綺麗に撮れることを期待するレンズじゃないとか、そういう意味ではまったくない。むしろ、いい意味で期待を裏切る写りの良さを見せてくれる。ただ、レンズの効果とは綺麗な写りだけじゃないんだ、ということを教えてくれることがこのレンズの最高性能、そんなことを考えさせるチカラがこのレンズにはあるんだなあ。いやあ、楽しくなってきた、何か新しいとびらが開けたようなね。