マウントアダプターには夢があるよね。

Fujifilm X-E2, SMC Takumar 55/1.8, M Elmar 50/3.5

今朝なんとなくNikonミラーレスのことをTwitterにつぶやいたんだけど、仮に来週発表されても今のところ購入の予定はない。というのも、僕は今、Fujifilmのミラーレス X-E2で十分楽しめてるからだ。

これまでも、Lマウントアダプターを介してElmar 50/3.5 Red Scaleをつけたり、ロシアンレンズ Jupiter-8 50/2やIndustar-61 L/D 55/2.8をつけてはストリートでスナップしたり、家の近所を散歩カメラしたりで、すっかりオールドレンズをデジタルで楽しむ日々を送っている。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2
Fujifilm X-E2, Industar-61 L/D 55/2.8

で、ずっと気になっていたのが、Asahi Pentax SPで使っているSMC Takumar 55/1.8と、M型Leicaで使っているMマウントレンズたちをミラーレスで楽しむこと。というわけでM42マウントアダプターとMマウントアダプターを新たに入手したというわけである。

Fujifilm X-E2, SMC Takumar 55/1.8

まずはSMC Takumar。いやあ、フードをつけたらかなり先まで長く伸びたフォルムだけど、なかなか迫力があってよろしい。あ、まだレンズを装着したばかりなんで作例の写真はない、あしからず。このSMC Takumarはフィルム機であるAsahi Pentax SPで撮った時にあまりの写りの良さにほんと驚いて、ここ最近ミラーレスにも装着して試したいと思っていた。

Fujifilm X-E2, M Elmar 50/3.5

そして、僕がいちばん使っているであろうM型ライカ用のMマウントのレンズたち。ひとまずM Elmar 50/3.5を装着してみたけど、そもそもレンジファインダー用なんでマウントアダプターも薄くて、まるでM型ライカに装着した姿と違和感がなくて実にしっくりくる。なかなかカッコいいなと。Mマウントレンズは他にもSummilux 50/1.4 2ndやCarl Zeiss Planar T*2/50 ZM、M-Rokkor 28/2.8なんかもあるから、おいおいいろいろ試してみたい。

あとはM42マウントのレンズたちがもう少し欲しいかな。これまではLマウントの手頃な価格のオールドレンズを探したりしていたけど、これからはM42マウントのレンズたちもいけるから、レンズ選びの選択肢が格段に増えたこともうれしい。そんなこんなでまだこのミラーレスX-E2で試していないことも多いし、まずはX-E2をオールドレンズ母艦にしてひと通り試してみようかなと。

LMリング, Elmar 50/3.5
Leica M-P typ240, Elmar 50/3.5(L)

僕はこの他にもLMリングアダプターを持ってるから、手持ちのボディとレンズの組み合わせだけでもかなりバリエーションを楽しめる。僕が購入したマウントアダプターは安価なK&F製だからコストもそれほどかからないし、まさにオールドレンズ を遊び倒すにはもってこいのミラーレスなんだ。LMリングはライカ純正にしたからけっこう割高だったけど、曖昧さを楽しむオールドレンズなら安価なアダプターでも十分かなと。というわけで数千円で夢が格段にひろがるマウントアダプターの世界。これは夢の魔法のアイテムといってもいいくらい。そう、まだまだやることがたくさんあるのである。Nikonのミラーレスにふれる前にね。はやく週末が来ないかなあ、そんなことを思う週の真ん中、水曜日。

 

週明けは現像を2本、ほどよいペースだ。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Velvia100&業務用100

ようやくLeica IIIaの中のフィルムを使いきった。これで昨日撮ったRolleiflex Standardのリバーサルフィルムと合わせて2本の現像を週明けに出すことになる。

フィルムカメラを始めた頃は、とにかくシャッターを切りたかったのと、一日も早くフィルムのコツを掴みたくて、多い時は週に7〜8本の現像を出していたけど、最近はほどよい量に落ち着いてきた。ほどよい、っていうのは僕の中では大事なものさしだ。

ほどよい量に落ち着いたのは、ふだん撮りにデジタルが増えたから。特に代わり映えのしないふだんのスナップはフィルムをガンガン使うのはさすがにもったいない。あと仕事がなかなか忙しくて現像出しや受け取りにラボを頻繁に行き来する余裕もちょっとなかったりで、デジタルにはけっこう助けられてる。

それでもそんな合間を縫うようにこうしてフィルムカメラで写真を撮るのはなかなか癒しだからね。とてもほどよいペースでフィルムを楽しめている実感がいまある。バルナックからフィルムを取り出す所作もあいかわらず厳かで心地いい。きょうはカメラたちを陰干ししてメンテナンスしてあげようと思う。いつまでも長生きしてほしいからね。僕の人生とともにね。

カメラを難しいものにしたくない、という気持ちはどっかある。

Nikon F6, 50/1.4D

もともとこのブログはカメラのことを書こうと思って始めたんじゃなくて、「カメラを通して見る記憶の数々を記していこう」と書き始めたもの。だから、僕自身、カメラのことは詳しくないし、写真の腕もあるわけじゃない。そんな僕とこのブログではあるだけど、だんだんとじぶんの想像を超えてカメラに魅せられていく日々となり、近ごろはカメラのことについて書く機会が増えた。

それはなんとなく僕のようにカメラに詳しくない人でもカメラは気軽に楽しめるんだぞ、ということを伝えられる場になればなという思いがある。実際、カメラはプロの写真家も使う道具だから突き詰めていくと機能も所作も奥が深い。けれど、それを必要とするのはほんのひと握りの人であって、多くの人にとってはカメラの基本的機能さえわかれば実にシンプルでフランクに写真を撮ることができる。というか、いいカメラになればなるほどビギナーやアマチュアにやさしい大きな包容力がある。

例えばNikon F6は見た目も性能もゴツいけど、単に写真を撮るというこに関していえばほぼすべてがオートでシャッターボタンを押すだけで驚くほど満足のゆく写真が撮れる。フィルムカメラの原点であり35mmフィルムカメラの原点であるバルナック型ライカやM型ライカも、その撮影所作は驚くほどシンプルで、変な操作に惑わされず写真を撮ることにまっすぐ集中することができる。

近ごろのデジタルだって、M型デジタルのLeica M-P typ240は想像以上に機能も少なく、街中でサッとスナップを撮るのにも必要以上に躊躇することなく写真が撮れる。一見面倒に見えるクラシカルな二眼レフだって、撮ってみればその操作のステップが拍子抜けするくらいシンプルで、あ、もっとはやく出会っておけばよかった、みたいなフレンドリーさへの感動がある。そんな、実はカメラは僕らアマチュアの写真好きビギナーにも優しいんだということがブログを通して伝えられたらなと思うんだな。

しかもカメラはシチュエーションにも優しい。何も絶景やモデルさんを撮らなくても、撮る楽しみということでいえば、カメラさえ持ち歩いておけば辺り一面が被写体になる。僕にはこのカメラの一面も構えることなくとてもリラックスして向き合えて、心底カメラに出会えてよかったなと思っている。そうして日々を楽にユニークなものにしてくれたカメラたちだから、なかなか所有カメラをどれも手放せずにいる笑。けれど、たまにいつもと違うカメラを持ち出してこうしてブログにそのカメラのある暮らしの気分みたいなものを綴るのもまた僕自身の気分転換や癒しになる。そんなことを感じながら、コツコツとだけど難しくないカメラのブログを書いている。

デジタルな日々にフィルムを混ぜる最高。

Rolleiflex Standard, Leica IIIa

それにしても暑かった。暑すぎると人間は少し理性を失うというか、少し撮り歩いてきた笑。あ、現像はまだなんで作例はない、あしからず。僕が気分転換にこの酷暑の中でも持ち出すのは、やっぱりフィルム。そこはね、どこか涼しくなる気がするんだ、不思議だよね。

フィルムを始めて加速した僕のカメラ生活だけど、最近はデジタルで撮ることの方が多い。なかなかフィルムでスナップを撮る暇がないというか、現像ラボを行き来する余裕がなくて、でもデジタルでも全然平気じゃん!というのが、今の僕の気分。Leica M-P, Nikon Df, Fujifilm X-E2に加えて、最近Leica X2も手に入れたんで、デジタルなローテーションでけっこう日々を楽しめている。

Rolleiflex Standard, Fujichrome Velvia100

とはいえね、カメラ生活ばかりじゃなくて仕事の日々のほうもはっきり言ってデジタル漬けなんで、そこはね、やっぱり体が求めるんだよね、たまにフィルムのあの感触をね。ジーコジーコと手で何かを動かし何かを創り出すあの感触。フィルムカメラは雰囲気ある写真の風合いの良さだけじゃなくて、あの機材たちあっての世界なんだよね、やはり。

きょうは久しぶりにローライフレックス・スタンダードを持ち出したけど、まあお約束の失敗としてフィルムチャージを忘れて、また意図しない多重露光を撮ってしまったわけだけど、それも含めていいんだよね、フィルム機材の所作がね。露出計をかざすのも暑苦しかったからぜんぶ体感露出で12枚撮った。暑いんだけど、でもあの絵本の世界の中にいるようなファインダーの絵を見ると、何か心にすーっとそよ風が吹くような感覚があるんだ。ウエストレベルファインダーのあの感動的なひと時は、ぜひ一人でも多くの人に味わってほしい、ほんとうに。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5

そしてローライフレックス・スタンダードを連れ出す時は、必ずサブ的にもう一台のカメラを持ち出すんだけど、きょうはこのバルナックLeica IIIa。残りフィルムが入っていたのもあるけど、とにかく軽く軽快だからね。スタンダードのお供としてはこのIIIaかRollei35がいい。ブローニーを12枚撮るとちょっと集中し過ぎるというかいい意味で少し疲れるから、その後に135フィルムでサクサク撮る感覚はまた気持ちいい。

僕のカメラ生活のペースというか型みたいなものが少し定まってきた気がしてるんだけど、基本はデジタル、そしてたまにフィルム。その割合はどうだろう、デジタル7:3フィルムくらいな感じかな。でも心の中の割合的にはデジタル5:5フィルムくらいの感覚があるから、やっぱりフィルムが満たしてくれる影響というのは偉大なんだなと改めて思う。で、これから愛犬の散歩にまたカメラを持ち出して行くんだけどね。我ながら物好きだなと思ったりしながら笑。

綿密さに驚ろかされたレンズ、エルマリート。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

なんと表現すればいいんだろう、このレンズの描写。そのレンズとは、ライカのエルマリート。コンデジ Leica X2に固定で装着されたElmarit 24/2.8 ASPH.だ。

正直、このカメラを手に入れたいちばんの理由は、そのフォルムがバルナックライカを彷彿させたのと、そのコンパクトで軽量なボディ。レンズについては二の次で、期待していなかったわけじゃないけど、まあそこそこ写れば十分なんじゃないかと思っていた。ところがこの描写なのである。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

感覚的にはまさにM型ライカのLeica M-P typ240に和製エルマリートといわれるM-Rokkorを装着した絵に近い気がする。広角24mm(換算で36mm)だからそれほどボケないけど、その分というかとにかく綿密な描写をみせる。M-Rokkorが登場した頃は、本家エルマリートを凌ぐ写りの良さといわれたらしいが、最新のエルマリートはその評判を覆すクオリティということなのか。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

あいにく台風のような雨続きで、まだまだたくさんは撮りきれていないX2でのスナップだけど、わずかな試し撮りの数枚を見てみても、未熟な僕の目ですらこのレンズがちょっと只者ではないことが分かる。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

そういえば、このLeica X2を購入する時に、お店の人と話していたら、「ライカのレンズを手に入れることを考えたら、ボディ付きでこの金額はお得」と言っていたのを思い出す。たしかにエルマリートを単独で手に入れようとするだけでもかなりの金額になることを考えたら、このX2は破格なのかもしれない。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

ただひとつ言えるのは、このレンズは簡単でもないということ。それはAPS-Cのセンサーとの兼ね合いもあるけど、気を抜いて撮っても雰囲気ある写真が撮れるレンズではない。気をぬくとどうかしたらスマホで撮ったような、記録画像のようなありふれた写真にもなる。そういう意味では、僕がLeica M-P typ240にオールドレンズ のSummiluxやElmarをつけて撮る時より、むしろ本気さを要求するカメラ&レンズかもしれない。フルサイズの余裕のある感覚とは異なるけど、ここにもまたライカらしい手を抜かない質みたいなものを感じた。この大雨が去ったら、もっともっと夏の街を撮りに行こう。綿密なクールさを堪能するために。

週末はデジカメで辺りを撮る。気負いのない50mmで撮る。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

この週末はデジカメだけで撮った。FUJIFILM X-E2+Jupiter-8 50/2、Nikon Df+Ai AF 50/1.4D、そしてLeica M-P typ240+Summilux 50/1.4 2ndの3台。デジカメはこのほかにRICOH GRとNikon D300を持ってるけど、今はこの3台が好きでメインで使っている。

なんとなく使い分けとして、平日は街をフィルムで撮り、週末はデジカメで撮る、そんな日々。週末はあまり街へ赴きたくなくて、自然の多い自宅の周辺でのんびり過ごしたり、ロードバイクで自然の多い道をひた走っては休憩がてら写真を撮るのがお気に入りだ。そんな時、デジカメのほうが軽快なんだよね。いろんな意味で。

レンズは50mm。広からず狭からず実にちょうどいい。街中のように背景の雑多な感じが写り込むのを楽しむ平日のスナップと違って、週末のスナップは特に面白みのある背景があるわけじゃないから、50mmで切り取る空間サイズがちょうどいいんだよね。それでいて50mmはマクロのように寄れるわけでもないから、切り取り方としては少々工夫を要する。その意外と簡単じゃないモノの切り取り方がなんといっても50mmの魅力だ。簡単そうで簡単じゃないところ。

50mm以外に、フィルムコンパクトならKonica C35が38mm、Rollei35が40mmだったりするけど、ふだん50mmに慣れてる僕からすると街中の背景が少し余分に写り込むからちょうどいい。あと、Rolleiflex StandardとFUJIFILM X-E2(APS-Cなんで35mm換算)は75mmの中望遠だけど、これも感覚的には50mmの延長線上でモノを少し凝視する感覚だから、ここでもふだんの50mmの目が役に立っている気がする。

iPhoneのカメラがたしか28mmくらいで、50mmに慣れるとそれがすごく広く感じるんだけど、例えばこの木と葉の写真なんかは僕には切り取る目線としてちょうど良くて、これがiPhoneだとシーンというよりは記録画像のようになってしまう。そう、50mmだとそこに僕の目が介在するようなシーンになるんだ。それがたぶん、僕が50mmに魅せられる理由だし、50mmが週末のスライス・オブ・ライフに合っているポイントじゃないかな。

あとは欲しいレンズとして35mmのズマロンなんかもあるんだけど、これはもうフォルムが好きなんであってね。あのコンパクトでクラシカルモダンなデザインがミラーレスのX-E2やM型ライカに実に合いそうで、ちょっと気になってはいる。でも35mmの焦点距離が気になってるというのとは少し違う。あのズマロンのフォルムで50mmだったら即欲しいんだけどな笑。というわけでたわいのない話だったけど、週末の散歩カメラにはデジカメと50mmが気負いがなくていいよ、という話でした。

雨の土曜日、ミラーレスX-E2でフィルムシミュレーションを撮り比べてみた。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

雨の日のカメラ撮影はみんなどうしてるだろうか。僕は雨専用カメラとしてこのFujifilm X-E2と安価なオールドレンズを用意している。防水防滴仕様ではないんだけど、雨を気にせず、まあ仮に壊れることがあっても平気というつもりで、このラフな組み合わせの機材を使っている。

フィルムシミュレーション〈クラシッククローム〉

だからといって写りも安価かというと、決してそうではない。比べるものではないけど、M型デジタルのLeica M-P typ240の描写と同じように気に入っているといえば、そのクオリティを分かってもらえるだろうか。そこには、やはりFUJIFILMミラーレス機が搭載している「フィルムシミュレーション」が大きく影響していると思う。そこで、いくつかのカラーのポジションを試してみた。

フィルムシミュレーション〈クラシッククローム〉
フィルムシミュレーション〈クラシッククローム〉

最初の3枚は僕がいつも常用しているポジション〈クラシッククローム〉だ。説明にはこう書いてある…「発色を抑えた暗部のコントラストを高めることで、落ち着いた表現に適します」。デジカメはフィルムに比べアンダー気味の写真が合うから、まさにデジカメポジションといえるかもしれない。

フィルムシミュレーション〈Velvia/ビビッド〉
フィルムシミュレーション〈Velvia/ビビッド〉
フィルムシミュレーション〈Velvia/ビビッド〉

続いての3枚がフィルムファンにはおなじみの〈Velvia/ビビッド〉だ。Velviaは僕がフィルムカメラでも使っているリバーサル(ポジ)フィルムの風合いがモチーフだ。説明には…「高彩度な発色とメリハリのある階調表現で、風景・自然写真に最適です」と書いてある。たしかに、しっとりと落ち着いたクラシッククロームと比べると、俄然見た目は鮮やかで華やかになる。

フィルムシミュレーション〈ASTIA/ソフト〉
フィルムシミュレーション〈ASTIA/ソフト〉
フィルムシミュレーション〈ASTIA/ソフト〉

そして最後の3枚が〈ASTIA/ソフト〉。実は僕はこのポジション、今日初めて使ってみた。フィルムもASTIAは使ったことがないから、どこか馴染みがなかったんだよね。説明にはこう書いてある…「落ち着いた発色とソフトな階調で、しっとりとした表現に適しています」。さて、どうだろう。

こうしてみるとFUJIFILM機のフィルムシミュレーションはやっぱりいいね。もちろんフィルムそのものの発色や階調なんかとは異なるけど、デジタルでもフィルムのフィーリングをベースにした写真づくりにこだわっていることが伝わってくる豊かさがある。オールドレンズで撮っているのもあるけど、僕はこのX-E2が写し出す世界に触れていっぺんにFUJIFILMのカメラのファンになった。デジタルは写りすぎてちょっと…というのはあるけど、フィルム現像コストをかけずにこうして撮り比べができるのはデジタルの強み。ミラーレス×オールドレンズの世界もまたなかなかのもんなのである。

なんでもない光景を撮る癒しについて。

Asahi Pentax SP, SMC Takumar 55/1.8

実際、僕が撮っている写真の多くは、いやほとんどかな、なんてことない生活動線上のありふれた光景だから、何かメッセージ性のあるものを写真に収めたり主張しているわけじゃなく、ほんと、じぶんが心地よくなるためにシャッターを切り続けている。

でもね、不思議とそれでもめちゃくちゃ楽しいのがカメラなのである。それは通勤途中の道端でも、出張中の移動の途中でも、愛犬との朝晩の散歩の時でも、カメラさえあれば僕はその時間を二倍楽しめるという思いがあるし、なにより癒されるんだ。

そりゃ世の中に目を向ければ、素晴らしい写真を撮っている凄い人たちもいて、そんな本格的風景写真やポートレートってカッコいいなと思う時もあるけど、面倒くさがりの僕にはそこまでカメラと写真に突っ込んで向かい合うエネルギーはない。でもね、そんなずぼらな僕にもカメラは実に大きな包容力をもってして、向き合ってくれる。

スナップといえるほどの写真ではないけど、スナップという言葉に出会えたことは大きい。たとえ本格的なスナップ写真じゃなくても、スナップという言葉が僕のカメラや写真の向き合いをとても楽にしてくれたように思う。そっか、気負わず、スライス・オブ・ライフでいいんだという気づきであり安堵。それが、毎日懲りずにカメラを持ち出し、時に疲れきった僕の脳や肉体をやわらかくほぐしてくれる。特にフィルム撮影はその場で撮った写真を確認しない分、とてもリズムよく潔くスナップを楽しめる。そんなカメラの癒し力みたいなものを伝えたくて、きょうもブログを書いている。

僕は中判がやりたいわけではなかった。

Rolleiflex Standard, Tessar 75/3.5

これは言い方のニュアンスがむずかしいんだけど、僕は中判がやりたくてローライフレックスを手に入れたわけじゃないんだよね。ローライフレックスで撮ってみたかったわけで、それが結果、中判だった、というニュアンスのほうが近いんだ。ローライフレックスを持てば時間の流れ方が変わる気がしたし、ローライフレックスとなら初恋のようなドキドキ感が味わえるんじゃないかと思ったんだ。

近い感情でいえばライカM3への思いがそれにあたると思うけど、それでもM3はさわってみて初めて恋に落ちて、たまらず手に入れたもの。さわる前から恋心を抱いていたローライフレックスとは少し思いが異なる。それは川内倫子さんがローライフレックスで撮っていたという影響もあるけど、やっぱり独特のその存在感に魅せられていたことが大きい。

そんな僕の前に現れたのは、3.5Fでも2.8Fでもなく「ローライフレックス・スタンダード」だった。イメージしていたローライフレックス像よりさらにレトロチックで、軽くコンパクト。備え付けられていたレンズは僕が思い入れのあったテッサー。もう、求める条件がすべて揃ったまさに意中の女性が出現、そんな感覚だった。

とはいえ、飾っておくためのカメラを買う趣味は僕にはなく、実際に撮りに連れ出すことこそが最上の「デート」のようなもの。しかも街中をデートしたいというより、人っ気の少ない場所で静かな語り合いを求めた。このカメラにかぎっては、頻繁に連れ出すことよりも、誰にも邪魔されずデートを楽しめれば、その頻度は少なくても心は大きく満たされる、そんな存在が僕の中のローライフレックスだ。

けれど、撮っている最中のデート時間が楽しいだけではなく、撮れる写真もまた素晴らしいのがローライフレックスの真骨頂。1930年代のカメラとは思えないしっかりとした写りをみせてくれるし、そこに魔法のような何かをふりかけた体温のある写真ができあがる。なんか浮かれた恋話みたいで小っ恥ずかしくもあるけど、これが僕の中に潜むローライフレックスへの感情でありまなざしだ。夜中のポストだから少し照れくさいことをこうして書いてみた。これは僕だけの感情なのか、それとも同じような恋にうなされる人がほかにもいるのか、それは分からないけど、このどうしようもない感情はかなりアリだと思うんだ、人生のエネルギーとしてね。

たしかに、SMC TAKUMARは破壊的に良いかもしれない。

Asahi Pentax SP, SMC Takumar 55/1.8, 業務用100

今朝、Pentax SP×SMC Takumarで撮った写真をTwitterにポストしたら、ある方から「smcタクマーは、やはり破壊的に良いですねえ〜」とうれしいコメントをいただいた。うれしいというのは、僕が撮った写真がどうこうということではなくて、そっか、このSMC Takumarの描写の素晴らしさは、他の人から見てもやっぱりそうなんだという確認ができたのと、その素晴らしさの度合いを「破壊的に良い」と表現すればいいんだという気づき。

そう、この良さを上手く言葉にできなかったんだけど、破壊的に良いだ。僕が敢えて何かに例えて表現するとするなら「まるでFUJIFILM PRO400H 」で撮ったかのようなコクのある描写ということになるだろうか。それが安価なスタンダードフィルムである業務用100で描けてしまう。それは単にボケとかキレとかを超えて雰囲気や空気まで描写するという点において凄いなと感じていたのである。

僕にとって一眼レフとはNikonでありNikkorだったわけだけど、その地位をかっさらうかのような世界がこのSMC TakumarとSPにはあるかもしれない。ずっと前から思っていたんだけど、PentaxというブランドはNikonと同じくらいユーザーが濃いというか、ブランド愛が凄い。いわゆるNikon党とPentax党。そこには単にブランドイメージ云々じゃなくて、この代わりのきかない破壊的な写りの良さがあるんだろうね。そういうことが肌で感じられただけでも、Pentax機を手にした甲斐があった。もっともっと撮ろう。そして、もっともっと広めよう、この破壊的な良さを。