デジカメで流れるようにシャッター切りまくるのも、スナップの醍醐味。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

もちろんフィルムでも流れるようにバンバン撮りまくっている人はいるんで、これは僕の主観でもあるんだけどね。というか僕の場合、フィルムカメラでもスナップはするけど、さすがに無尽蔵にシャッターを切るようなことはない。それはフィルムカメラの所作がゆっくりなこともあるけど、やっぱりフィルムはそれなりに貴重なんで、撮るリズムはデジカメに比べればずいぶんゆっくりだ。

そこからすると、デジカメはとにかく枚数のことは頭からハズすことができる。成功も失敗も含めて、とにかくスナップすることに集中し、何も気にせずひたすらシャッターを切ることができる。思えば、僕のスナップの始まりはRICOH GRとだった。GRの気持ちよさはなんといっても俊敏にスパンスパン撮ることができる自由さだと思う。あの自由さはフィルムカメラのそれとは少し違う。とにかくフィルム枚数のこと、フィルムチェンジのことは気にせず、電池がある限り無限感覚で撮り続けることができる。それはスナップシューターとしてはとんでもなく偉大なことかもしれない。

GRで始まった僕のデジカメスナップはその後、フィルムカメラを介してLeica M-P、FUJIFILM X-E2、Leica X2ときて、いまOLYMPUS PEN-Fに至っている。M-PとX-E2はオールドレンズをつけることが多いので50mm主体だけど、その他はGRが換算28mm、X2が換算36mm、PEN-Fが換算24mmとどれも広角寄りだ。このパンフォーカス気味で使える広角がまたスパンスパン撮るリズムを後押ししているところがある。僕は街中をフィルムでスナップすることもたまらなく好きだけど、この反射神経に委ねてバンバンと自由に撮れるデジカメスナップというのも相当正義だと思っている。センサーサイズなんか置いといて、とにかくお気に入りのデジカメ・スナップシューターを手に入れて、通勤途中や移動中の街を撮りまくってみないか。ひたすら自由に。

僕が選んだデジカメたちの話。

Olympus PEN-F

何を隠そう、実は僕はデジカメもけっこう所有している。いま手元にあるのは、RICOH GR、Nikon D300、Nikon Df、Leica M-P typ240、FUJIFILM X-E2、Leica X2、そして最近仲間入りしたOLYMPUS PEN-Fだ。こうして数えてみると7台もあったのかと少し驚いてるけど。

RICOH GR

もちろん所有台数でいえばフィルムカメラのほうが多い。それでもデジカメもけっこう数があるのは何もコレクションしているわけではなくて、実用するからある程度使い分けを想定して手に入れていて、しっかりフィルムカメラとデジカメを併用しているのである。

Nikon D300

ただ、傾向はあって、スナップ用カメラか、フィルムライクなカメラだということ。D300だけ少し異質かもしれないけど、単純に本格一眼レフ機で息子のスポーツ行事なんかを撮ることもあるから、それはそれで所有し続けている理由はあったりする。

Nikon Df

けれど、こうやって揃ったカメラたちを俯瞰で眺めてみると、まあメジャーなカメラは一台も持っていない。どこか本流からズレたカメラというか、一癖ある潔い方向性に振ったカメラが多い。あまり人が持っていないカメラ、ということになるんだろうか。やはりじぶんはひねくれてるなと思ったり。

Leica M-P typ240

それでもデジカメは僕のカメラ生活に無くてはならないモノへとしっかり定着した。ひと頃はカメラはGRだけだったんだけど、ある日フィルム一眼レフに出会って以来、「スナップ」と「フィルムライク」というじぶんの中の嗜好が見えてきて、そのモノサシにそったデジカメであれば積極的に使ってみようと思えるようになったのである。

FUJIFILM X-E2

ただ、そんなだから、デジカメの作法もちょっと普通とは違うかもしれない。ISO感度やホワイトバランスなんかは「オート」にはしておらず、一回一回持ち出すたびにフィルムカメラのように値をセットする。モニターもオフにしたり見なかったりでそこにデジカメの便利さはない。レンズもマニュアルフォーカスが多いから、そうだなあ、デジカメの恩恵としてはまさにフィルム代がかからないのと、現像に出さなくていいことということになる。

Leica X2

それでも高感度であることや、シャッタースピードが高速で切れることは物理的にもメリットで、それでスナップの幅が大きくひろがるということはある。実際にフィルム代や現像代がかからないから、日々の愛犬との散歩へ持ち出すのはもっぱらデジカメだし、アダプターを介してオールドレンズを楽しめるのもなかなか気に入っている。

OLYMPUS PEN-F

まあ、写真の雰囲気はフィルムのほうが豊かなんじゃないかとかいろいろ意見はあるだろうけど、いかなる時もシャッターが切れるというのはフィルムカメラやデジカメを問わない使い方のメリットだし、もしこれから先、仮にフィルムがこの世から無くなることがあっても、僕にはデジカメだってあるという安堵感はどこかある。理由をあえてあげればそんなことになるけど、単純に好きなんだよね、デジカメも。好きになったというのが正確かな。最初に書こうと思ったことと若干論点がズレてる気もしなくもないけど、まあつまりデジカメもいいよ、という話でした。

世の中の流れとちょっと違うミラーレス、PEN-Fという選択。〈レビュー〉

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

いまカメラの好きの人たちの中では空前のミラーレスブームである。先行していたフルサイズ機のSony α7系に続いて、ついに一眼レフ2強が追撃開始。Nikon Z7 & Z6、さらにCanonからはEOS Rも登場。そう、世の中はフルサイズミラーレスブームなのである。そんな最中にこんな行動をとる僕はつくづく時流に乗れていないと再認識するわけだけど、僕はめでたくマイクロフォーサーズのミラーレス機、Olympus PEN-Fを昨夜手に入れることとなる。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

布石はここニ、三週間かな。フィルムを現像しにいつものカメラのキタムラへ数回通うなかで、待ち時間になにげなく触った数台のうちのひとつがこのPEN-Fだったのである。このネーミングはさすがに僕も知っている。フィルム時代にハーフサイズの一眼レフカメラとして、その独特のデザインフォルムが神格化されたとも言っていい名機。それとまさに同じネーミングでこのミラーレス機は登場してきたわけである。

かつてのPENシリーズといえば伝説の設計者である米谷氏の存在が圧倒的で、僕もフィルムカメラのOM-1NとPEN EE-2を持っているから、そのカメラたちに込められた米谷氏の美学が尋常でないことは分かる。その意思を受け継いで、オリンパス80周年にあたる2016年に文字通り気合を入れて投入されたのが、このデジタル版 PEN-Fなのである。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital ED 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

そのオリンパスのクラフトマンシップは現代でも相当なもので、このPEN-Fのボディにはネジがまったく見当たらない。デザイナーが隠そうとしただけではなく、それを開発陣たちが本当に製造段階まで思想を持ち込んで実現してしまった。ダイヤル類なども削り出しの工芸品のような出来。僕はたまたまお店で触れた時にちょっと衝撃を受けたわけである。

正直、なぜ今までこのPEN-Fの存在に気がつかなかったんだろうと不思議に思ったくらい。けれど、それはもしかしたら必然でもあったのかもしれない。フィルムカメラで撮るようになって、この夏にOM-1NとPEN EE-2に出会うまではここまでオリンパス機を意識していなかったから。けれど、このオリンパス機たちの出会いは僕が想像する以上にセンセーショナルで、僕の深層心理の中に色濃くこのブランドの美学が宿り始めていたのかもしれない。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

最初にお店で触れた時にはそのデザインに釘付けになったのはもちろんだけど、シャッターを切った時の音とフィーリングにとても驚いた。え?、これはNikonやCanon、FUJIFILMなんかを凌ぐエモーショナルなものじゃないかとさえ思った。その新鮮な驚きが殻を破ったというか、僕はその後、現像でお店に寄るたびにこのPEN-Fを触ることになる。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

触れば触るほど惹かれていき、見た目では分からない性能をネットで調べ始める。なんと驚くことにその小さなフォルムの中にボディ内5軸手ブレ補正を内蔵している。そしてシャッタースピードは1/8000。だんだんとこのPEN-Fがとてもハイスペックなフラッグシップ機のひとつであることに気がつき始める。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

ボディカラーはかつてのPEN-Fを思わせるシルバーと、精悍なブラックがあったけど、僕は直感的にブラックボディに魅せられていた。デザイン的にもそうだけど、街中でスナップを撮るんでなるべく目立たず雑踏に紛れることのできるブラックボディは必須の“性能”であったりする。色選びは必然だった。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

そしてレンズ選び。お店のデモ機にはレンズキットである単焦点 M.Zuiko digital ED 12/2がついていた。35mm換算で焦点距離24mmの広角レンズだ。フィルムカメラでZuikoにはとんでもなく良いイメージしかなかったから、AFでも使える単焦点はひとつ持っておきたかった。オールドレンズ専用機にする手もあったけど、意を決してTwitterでカメラ界の大御所の赤城さんにアドバイスをお願いしたところ、このレンズは買いだとも分かり、一緒に購入することとなる。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

ここまで作例的に載せてきた写真たちはすべてこのレンズで撮ったものである。このPEN-FとM.Zuiko 12mmの組み合わせだけど、その撮影フィーリングは最高というほかない。シャッターフィール、そしてレンズのヘリコイド的タッチ、気持ちよく決まるオートフォーカス、軽量コンパクトな恩恵でもある使い良さは、ちょっと軽い衝撃なくらいスパンスパンとスナップを撮り続けることができる。僕的には圧巻だと感じた。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2
Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

一眼レフやレンジファインダー機を多用する僕にとって、マイクロフォーサーズ機は印象としてどこか本格的ではないライトなカメラと思っていたところがあるけど、きょうを境にそのあたりの先入観は完全に消え去った。このPEN-Fはとんでもなく玄人好みのカメラなのである。少なくともこれだけフィルムカメラを愛する僕がデジタル機として不満を感じないレベルは、僕が常用するM型デジタルライカとNikon Dfに匹敵するし、スナップシューターとしての身軽さで言えばPEN-Fが一躍トップに躍り出たといっていい。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

詳しい使い心地はこれからおいおいブログでふれていこうと思うけど、現時点で間違いなくいえるのは、このPEN-Fはスナップ好きな人にはイチ押しのカメラ性能であること、そしてプロダクト好きの人にとってもとんでもなく満足感の高い工芸品レベルの仕上げであるということ。言葉と写真だけで伝えるのは困難なくらい、手に触れた者だけに訴えてくるエモーショナルな性能の塊のようなカメラなので、ぜひ一度、お店でさわって想像力を掻き立ててほしいと思う。明日のじぶんの新しいカメラスタイルを思い浮かべて。

きょう確信しちゃったかも。OM-1が使用感では最高の一眼レフだと。

Olympus OM-1N, Zuiko 50/1.4

今更かよ、って言われそうだけと、今更なのだ。何気なくKonica FSとOM-1Nを連れて散歩カメラへ出かけてたんだけど、Konica FSから持ち替えたこともあるかもしれないけど、このOM-1Nの使用感としての超絶の素晴らしさに満たされたというか、これは凄いカメラだぞと。

まず何よりファインダーが美しい。大きく明るく迫力がある。直接比べていないんで感覚的な話で恐縮だけど、僕が所有する最高のファインダー機 Nikon F6に匹敵するんじゃないだろうか。細かな差はあるかもしれないけど、のぞいた世界観は互角と言っていい。そして、シャッター巻き上げの感触とシャッターフィール。これは、表現がとてもむずかしいけど、凄く精密なんだけど上品さとライトさをはらんで撮り手を緊張させないものがある、とでも言えばいいだろうか。

この感覚を、一眼レフの中でもひときわコンパクトなボディをもってして、手の中でギュッと濃縮して撮る楽しみを感じさせてくれる。この感覚は所有するNikon F2なんかとはやはり違う。たぶん近いのはNikon F3あたりのモダンさだとは思うけど、OM-1はより洗練された印象が僕にはある。製造年がそもそもモダンであるというのがやはり大きいのかな。それにしてもOM-1、これは精密さを求める男性にも、そして上品さを求める女性にも圧倒的におすすめな一台だと確信したなあ、ほんとに。

ひとつ留意点があるとするなら、それはレンズ。OM-1を手に入れるならレンズの精密さにもこだわったほうがいいと思う。というのも、OM-1は絞りだけじゃなくて、シャッタースピードの操作もレンズ側で行う。露出と距離のすべてはレンズ側にて左手だけで操作するから、右手はシャッターを押すことに集中でき、ファインダーから目を離さず撮影にのぞめる。つまり、OM-1の操作感の気持ちよさは、レンズの操作感もセットなんだ。

僕のOM-1NにはZuiko 50/1.4がついてるんだけど、きょう確信したのはこのレンズのヘリコイドのスムーズさとか、とにかくレンズの操作感も超絶気持ちがいいぞということ。僕はOM-1Nとセットになったこのレンズを一緒に手に入れたけど、前オーナーの手入れの良さにほんと感謝してる。このボディとレンズの気持ちよさがセットになって提供されるのが、OM-1のもたらすとんでもない使用感の素晴らしさなのである。これからOM-1を選ぶ人は、レンズの程度の良さにも徹底的にこだわってもらえたらと思う。

きょうはすっかりOM-1Nの露出計を使わなくなったじぶんがいて、体感露出でスパンスパン撮っていた。単純に僕が面倒くさがりなのと、露出計をいちいち見ないほうがリズムよく撮れるんだなあ、僕の場合。その分、写真は甘くなるかもだけど、僕が大事にするのはリズム。だから、良しとしてる。露出計を使わなければ完全機械式シャッター機だから、それでいてこの滑らかなシャッターフィールはほんと凄い精密機械であり、製品思想だと思うよ。このカメラは手放さない、最後に残すカメラのひとつへ躍り出た。Olympus OM-1、これは別格だ。

カメラ選びは直感で、スペックは後から調べるなあ。

Olympus OM-1N, Rolleiflex Standard

日頃から「あのカメラ欲しい」という心の準備みたいなものはあまりなくて、僕の場合は大抵、カメラ屋のショーケースで“そのカメラ”を目にして恋に落ちる。いや、もうほんと、落ちるんだ、感覚的には。

で、ようやく我に返り、iPhoneを取り出して軽くスペックを検索し始める。いや、この時点で検索するのはまだいいほうか。大体は、ショーケースから出してもらってまず触ることのほうが多いかな。でも、僕はショーケースから出してもらったらほぼ購入する。よほどファインダーの中がやれていたり、見えていなかった大きなアタリなんかを見つけない限り、購入してしまう。じぶんでも思うのは、やはりショーケースをガラス越しに見つめてる時点で恋に落ちてるから、ショーケースから出して触るというのは最終確認プロセスなんだよね。

Konica FS, Hexanon 52/1.8
Olympus OM-1N, Zuiko 50/1.4

でも幸いというか、直感で選んできて今までハズレはない。それは使ってみてなんか想像したものと違うというハズレもないし、故障していたというハズレもないんだ。ひとまず信用している何軒かのお店で購入していることも大きいとは思う。それでも、直感というのは大事だなあと最近つくづく思うのである。

Kodak Retina typ117, Xenar 50/3.5
Voigtlander Bessa-L, Snapshot-Skopar 25/4

直感って、よく言うけど勘というよりは日頃の何かの蓄積で降ってくるもので、じぶんの中で無意識に自動演算された答えみたいなところがあるんだよね。だから、例えたまたま見かけてカメラへ恋に落ちる感じにしても、日頃から考えてることを総合的に満たす結晶のようなモノに出会った、ということだと思うんだ。

Olympus PEN EE-2, Zuiko 28/3.5
RICOH 500 Deluxe, Rikenon 45/2.4

まあ直感で恋に落ちるたびにカメラを購入してたら破産するけど、幸い僕が最近恋に落ちるカメラは決して高価なモノではないから、少し何か他のモノへの投資を削っては、「そのカメラを確かめたい恋」を多数楽しんでいる笑。

そんなだから、スペックはほんと二の次。それでも直感はほんと侮れないから、ちょうどうまく隙間だったカメラが埋まってく感じなんだ。あと、故障したモノでなければ、基本、カメラはどこのメーカーのどんなモノでもある一定のクオリティは超えているというのが掴めてきたのもある。つまり、動くカメラなら世の中、ヨリドリミドリなのである。いろんなカメラを使ってきた身として思うことだから、そうハズレてはいないと思うけど、どうだろう。

高性能AF機としてより高速SS 1/8000機として持つ意味も大きい。Nikon F6

Nikon F6, 50/1.4D, Fujifilm 業務用100

僕の場合だと、高速シャッタースピード機はNikon F6になる。このボディに常用レンズとしてNikkor Ai AF 50/1.4Dをつけてることが多いわけだけど、これだけ明るいレンズになるとISO感度100のフィルムでも太陽の出た日中ではなかなか開放付近では撮れない。

機械式のフィルムカメラなら最高でもSS 1/1000までのものが多いし、ヴィンテージカメラとなるとSS 1/500や1/300のものも珍しくない。そうするとSSを最高にしたとしても絞りをf8からf16あたりまで絞らないと露出オーバーになってしまう。そういう事情もあって機械式だけどSS 1/4000まであるNikon FM2やFE2は人気があったりするんだよね。

極論を言えば、別に絞って撮るならSSは1/1000もあれば十分だけど、日がさす日中に明るいレンズの開放部分の癖を楽しもうと思ったり、ボケを大胆に楽しもうとすると、やがてシャッタースピードがもっと高速なボディが欲しくなる。僕の場合は理由はそれだけではなかったけど、シャッタースピードのことは相当意識してNikon F6を手に入れた。

Nikon F6はフィルム機とはいえ現行機でフラッグシップ機でもあるから中古ボディを選んだとしてもそこそこいい値段になってしまうんだけど、これがフラッグシップ機ではないAF機に目を向ければ、驚くほど手頃な価格でハイスピードなSSのカメラを手に入れることができる。中級機であっても1/8000や1/4000は当たり前にあったりする、実は狙い目のカメラたちが勢ぞろいしている。

AFで撮るのが嫌ならマニュアルで撮ればいいだけなんで、ある程度割り切って高速シャッタースピード機として一台持っておくのも手だと思うんだ。でもたぶんね、AF機の正確さや便利さにも気づかされることになって、フィルムをAF機でも楽しむようになると思うんだけどね笑。

Nikon F6, 50/1.4D

SS 1/4000とか1/8000の世界を手に入れると、どうかしたら冬の空なら開放付近でファインダーを向けることができる。僕は感度100で撮ることが多いけど、感度400を常用フィルムにしている人も多いと思うから、そうするとやはりシャッタースピードは高速であったほうが撮るシーンを選ばない。手頃な値段で新しい世界を手に入れるなら、レンズよりもボディのシャッタースピードに目を向けてみる。これは意外と写真にいちばん大事な要素だと思う。量だけはたくさん撮るスナッパーの一人の意見として^ ^。

RICOH 500 Deluxeの初の街撮り。トリガー巻き上げが気持ちよすぎて撮りすぎた。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

先日手に入れたRICOH 500 Deluxe。前回は家の近所で日中、絞り目で試し撮りしたんで、こんどは絞り開放付近で街撮りしてみたく、持ち出してみた。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4

このカメラはご覧の通り、なかなかの男前っぷりで、艶めかしく光る金属ボディがいかにもタフなスナップシューターを思わせる。何より特徴的なのは、シャッターチャージがボディ底面のトリガー巻き上げ仕様であること。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

まさに拳銃の引き金(トリガー)をひくような撮り方で、それは単に見た目だけの話ではなく、実際に街中で瞬時にシャッターを切るのにも向いている。それはじぶんで引き金をひいて街撮りしてみたことで、確信に変わった。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

カメラボディ自体がセンサーを積むデジタルカメラと違って、フィルム撮影の場合は、写真の仕上がりはフィルムとレンズで決まるとよく言われる。それでいえば、このリケノンのレンズはなかなか味のある描写を見せてくれる。写真はほとんど早朝の絞り値f2.4開放だけど、ふわっとしつつも「余韻」といえる曖昧さは僕には心地いい。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

45mmという焦点距離も一見中途半端に思えるが、実際撮ってみると50mm慣れしてる僕にはまったく違和感がなかったし、38mmのKonica C35 ヘキサノンや40mmのRollei35と比べても決して狭さは感じない。意外と絶妙なスナップ焦点距離だと思った。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

まあでもそんな風にポジティブな印象に思えるのは、リズムよく撮影できたからだろう。その意味では、このカメラはトリガー巻き上げであることに尽きる。それが街撮りを軽快にし、スナップを実に気分良く楽しませてくれる。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

こうして複数枚の写真を並べてみると、全体的に青系がかっていて、少し淡い感じかな。同じレンズシャッターのKonica C35なんかと感覚は似ているかもしれないと思った。あと、f2.4なのでそれほどボケはでない。でも、スナップシューターだと捉えたらそれもまったく気にならない。

RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100
RICOH 500 Deluxe, RIKENON 45/2.4, Fujifilm 業務用100

夜も試し撮りしてみたけど、シャッターショックもないんで、普通に感度100のフィルムでも撮れてしまう。これなら昼夜こいつ一台と富士フイルム業務用100だけで街撮りスナップへ出かけることができる。カメラ自体の重さはそこそこずっしりくるけど、それもまた味。一度は経験してみたいと考えていたトリガー巻き上げ式のカメラ、RICOH 500 Deluxe。お店で見つけられさえすれば安く手に入るし、なかなかおすすめの一台だと思う。街中で引き金ひいてみたい人はぜひ、どうぞ。快感です。

ライカM3とは、

Leica M3, Summicron 50 1st

僕ごときがライカのしかもM3を語る資格も力量もないけど、あらためて少し書いてみようと思った。というのも、今朝Twitterで「こんどのM10-Dには巻き上げレバーがついているらしい」という記事を見かけたからだ。

現代も脈々と受け継がれるM型ライカの元祖、M3。その造りはすべてにおいて驚嘆のレベルだ。その前までのモデル、バルナックライカも素晴らしいが、そこからさらに圧倒的進化をとげて現代のカメラの普遍的なスタイルを世の中に強烈に打ち込んだのは、間違いなくこのM3であり、フィルムカメラでおなじみのあの巻き上げレバーもM3が発明した。

のぞいた瞬間にその美しさに誰もがハッとするであろうファインダーや、かすかな音で囁くようにそっと景色を切り取るシャッター音も素晴らしいが、この世界初の巻き上げレバーの感触もとんでもなく素晴らしい。僕のM3は初期型のダブルストロークだが、精密機械の緻密さながら、あのなんとも言えない人間味のあるニュリュリとしたレバーの手ごたえは、僕が触ってきたカメラの中では間違いなく他を圧倒的に引き離したナンバーワンだ。M3に触れた人の多くが、実は最も心打たれて購入する理由はあの巻き上げレバーの感触が実は筆頭なんじゃないかとさえ思う。それくらい、M3がタダモノではないことを物語る凄さがあるのである。

こんどのM10-Pはデジタルでありながら、背面モニターを排するだけじゃなく、この巻き上げレバーを復活させるのだとしたら、あのM3の巻き上げレバーの「感触」までも復活するのかと、ふと興奮したのである。M型デジタルがいくら進化したとしても、それは性能面の話であってさすがに感触はハイテク時代らしいソリッドなものであると思ってるんだけど、もしそのデジタル機にあのエモーショナルの塊のような巻き上げレバーの感触が戻ってくるとしたら、これこそアナログとデジタルのハイブリッドであって、撮る歓びが間違いなく異次元へとシフトする。そんな言いようのない興奮を僕は感じたのである。

ライカというブランドは凄いことしてくるなと。ライカという企業がクレイジーで凄いのか、それともポルシェ911と同じで、あまりにも初代の完成度が究極すぎて、それを超えられない呪縛に苛まれ続けている結果なのか、それは分からない。けれど、M型フィルムライカをやってきた人間であれば、どんなセールストークよりも巻き上げレバーが復活することの意味は計り知れないだろう。

ライカでいうM3とは、ポルシェでいう911。僕はBMW乗りなんでポルシェのことは分からないが、空冷ポルシェ時代のあの何者にも超えられない孤高の凄みは分かる。ライカがフィルムライクに撮りたいファンたちへ送り出すモデルに巻き上げレバーを復活させようとしているなら、それは一目おかざるを得ない。デジタル時代に機能的には必要のない巻き上げレバーを復活させてきたライカ、果たしてその役割はどういう意味を持たせてくるのか。そして、その感触はあの時代の必要とされた機能美の結果と比べてどうチューニングされてくるのか。そこに、ライカの本気度を確かめる目を持って、その登場を楽しみに待ってみたいと思う。ライカM3とは、という話ではなくなった気もするけど、最新のライカを考えることは、ライカM3を考えることなのである。

アレモコレモさんの真似をして、欲しいものを素直に少し書いてみた。

Leica Standard

買いたいじゃなくて、くれるなら欲しいという話だから、気楽に書けるという解釈で。そうだなあ、まずはこのライカ・スタンダードのブラックペイントだな。以前カメラ屋で見かけて思わず触らせてもらい、写真を撮らせてもらったという笑。IIIaを購入した直後だったからとても買う気までは至らなかったんだけど、よく言われることで「中古カメラは出会った時が買い時」という言葉の通り、次回訪れた時はもう無くなってた。以来、どこのカメラ屋へ行っても心のどこかでこいつを探してるじぶんがいる。

あとは、Rolleiflex 3.5F(または3.5E)クセノターかな。これは欲しいというよりずっと憧れ。川内倫子さんの使用するカメラという意味で、なんか僕の中で聖域なんだな。手にしたいような、いや手にしちゃいけないような、そんな存在。

それから、気になっているといえばContax I型のブラックペイント。あの四角シカクしたボディ。いい感じにペイントが剥がれて真鍮が浮き出たボディは、もう写りとか分からなくてもただただいいなと思う。車でいえばMINIじゃなくてFIAT Pandaのカクカク具合。あの直線的美学はライカにはない味だと思う。

あとね、単純にNikon Z6とRICOH GRiiiはいいと思う。登場を待ってる人は絶対買っちゃえと思う。Zは初号機ならではの熱量を感じるし、GRはこの期に及んで小さくしてきたからやるなあRICOHって思う。カメラは作り手の意思みたいなものがモロに滲み出るプロダクトだからね。この2つにはそれを感じる。

それと、いつもなんとなく意識して見てるのは、やっぱりNikon FとF3かな。僕は最終的にF2アイレベルを選んだけど、最後の最後までFとF2、F3は比較しまくったからね。その時にふれた手触りが今でも忘れられないんだろうね。

そうそう、ミノルタ機も気にはなる。SRTシリーズだっけ、あれにロッコールというのはなんともクールなイメージ。所有してる人のイメージとして、変にカメラをアピールせずに、ほんとにカメラとか写真を静かに愛してる感じがする。そういう意味では稀有なカメラなんじゃないかな。私見ではあるけど。

最後は、Leica R6.2。機械式の一眼レフ機。ライカはM3をもう一台欲しいと少し狂った感情を持った時期もあるんだけど笑、その予算が仮にあれば先にこいつかなあ。ズミクロン つけて、クタクタになったR6.2を首からぶら下げて都市や荒野へ出る。なんとも最高じゃないか。

いやあ、妄想も悪くないね笑。もうカメラは増やさないと一応じぶんに課してるから、こうして書くだけなら大丈夫。買わなくても、カメラ屋に通って眺める価値はあるこんなカメラたち。それにしてもこのライカ・スタンダード、やっぱりたまらないオーラあるな。

デジタルこそマニュアルで撮ったほうがたのしい。

Leica M-P typ240, Industar-61 55/2.8

僕の場合、まず前提としてフィルムで撮るのがたのしい、ということがあるんだけどね。それは、いい意味で手がかかるということ。フィルムを選ぶたのしみ、フィルムを装填するプロセス、露出を決めるたのしみ、そしてフィルムを巻き戻し、現像する(僕はラボへ出すけど、その待つ間だってたのしい)たのしみ。できあがる写真の素晴らしさもだけど、フィルムカメラに魅せられる人々は、手のかかるプロセスをたのしんでるんだろうね。いつ故障するか分からない少し古いイタ車を可愛いがるような感じに近いかな。

それと比べると、デジカメは便利でランニングコストもそれほどかからないけど、手がかからな過ぎる。どうかしたらほぼフルオートで美しい写真が撮れてしまう。それはそれでいいことなんだけど、たのしいかといえば微妙かなと。瞬間を逃すことのできないプロカメラマンならともかく、割とゆっくり撮ることができるアマチュアカメラマンにとって、撮るという行為は何も急がないし、カメラをじぶんなりに攻略するのがたのしいんじゃなかったっけと。僕だけかな、こんな暇人めいたことを言ってるのは笑。

でも、ある時からデジカメをフィルムカメラ的に、つまり撮る所作というかプロセスをたのしむようになってから、僕の中のカメラとの向き合いが少し変わった。デジカメをもっと手のかかる子として扱ってみることで、デジカメの撮影プロセスにも味を見出すことができるようになったんだ。いちばん手っ取り早いのは、デジカメをマニュアルで撮ること。ラティチュードのひろいフィルムと比べるとデジカメは露出にかなり正確さを求められるけど、これもフィルムカメラを経た人であれば、ゲーム感覚くらいでけっこう無理なくたのしめるはず。絞り、シャッタースピード、ピント、感度、どれもフィルムカメラと同じ作法で撮れば、実はかなりおもしろいことに僕は気づけた。これは大きかったなあ。

まあデジカメはその時々の先進テクノロジーの塊だから、その恩恵を存分に生かして写真を撮ることは正しいし、それが価格に見合う価値でもあるわけだけど、試しに手持ちのデジカメをマニュアルで試してみてほしいなあ。意外とカメラの忘れていた本質的たのしみを感じとることができるかもしれないし、撮影する時間の流れ方が変わると思う。つまり、ちょっと人生の流れ方が変わる。僕はそう思う。