カメラは「何を持っているか」より「いつも持っているか」が大事。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

僕は写真以上にカメラが好きだし、機材に対するこだわりもそれなりにある。でも一方で、写真は人に見せることもあるけれど、カメラは道具で人に見せるものではないから、ただただじぶんが好きなものを持てばいいだけだという割り切りもある。

持ってるカメラが何であるかは究極どうでもよくて、もっと大事なのは「カメラをいつも持ち歩いておくこと」かなと。カメラを常に持ち歩いていても一枚も撮らない日はあるわけだけど、それでも撮りたい瞬間はある日ある時、突如として目の前に現れるわけで、その瞬間にカメラという道具を持っていることこそが何より重要なんだと。

当然、カメラを常に持ち歩くのは荷物にもなるし、いつも鞄の中に忍ばせておくのはジワリジワリと重さが肩にのしかかり、決してお気楽なわけではない。だからこそ、少しでも小さく、少しでも軽く、それでいてスマホでは撮れないクオリティのベストバランスなカメラを求めて機材に対する欲求は尽きない。けれど、それはカメラを集めたいんじゃなくて、いつもベストな状態でカメラを持ち歩きたいとのぞむ結果だから、常にスナップできる状態でいたい僕には、ちょっぴり夢を追いかけ続けてるようなワクワク感がある。

ちなみにきょうは撮れ高ゼロだったけど、カメラを持ち歩いていることで心はどこか満たされていたりする。撮らなくても満足できるカメラというのは、観賞用のカメラを言うんじゃなくて、このいつでも撮れる状態にあるカメラの価値を言うんじゃないかな。たしかに奥行きのあるスナップ写真を撮ろうと思えば、物理的にカメラやレンズが大振りになるところはある。けれど、その欲求と持ち出しやすいカメラがいいという欲求がぶつかりある感じがカメラ選びとして楽しいんだ。僕だけかなあ、いや、同じような思いでカメラを追いかけ続けてる人、けっこういると思うんだなあ。

デジカメで流れるようにシャッター切りまくるのも、スナップの醍醐味。

Olympus PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

もちろんフィルムでも流れるようにバンバン撮りまくっている人はいるんで、これは僕の主観でもあるんだけどね。というか僕の場合、フィルムカメラでもスナップはするけど、さすがに無尽蔵にシャッターを切るようなことはない。それはフィルムカメラの所作がゆっくりなこともあるけど、やっぱりフィルムはそれなりに貴重なんで、撮るリズムはデジカメに比べればずいぶんゆっくりだ。

そこからすると、デジカメはとにかく枚数のことは頭からハズすことができる。成功も失敗も含めて、とにかくスナップすることに集中し、何も気にせずひたすらシャッターを切ることができる。思えば、僕のスナップの始まりはRICOH GRとだった。GRの気持ちよさはなんといっても俊敏にスパンスパン撮ることができる自由さだと思う。あの自由さはフィルムカメラのそれとは少し違う。とにかくフィルム枚数のこと、フィルムチェンジのことは気にせず、電池がある限り無限感覚で撮り続けることができる。それはスナップシューターとしてはとんでもなく偉大なことかもしれない。

GRで始まった僕のデジカメスナップはその後、フィルムカメラを介してLeica M-P、FUJIFILM X-E2、Leica X2ときて、いまOLYMPUS PEN-Fに至っている。M-PとX-E2はオールドレンズをつけることが多いので50mm主体だけど、その他はGRが換算28mm、X2が換算36mm、PEN-Fが換算24mmとどれも広角寄りだ。このパンフォーカス気味で使える広角がまたスパンスパン撮るリズムを後押ししているところがある。僕は街中をフィルムでスナップすることもたまらなく好きだけど、この反射神経に委ねてバンバンと自由に撮れるデジカメスナップというのも相当正義だと思っている。センサーサイズなんか置いといて、とにかくお気に入りのデジカメ・スナップシューターを手に入れて、通勤途中や移動中の街を撮りまくってみないか。ひたすら自由に。

僕が選んだデジカメたちの話。

Olympus PEN-F

何を隠そう、実は僕はデジカメもけっこう所有している。いま手元にあるのは、RICOH GR、Nikon D300、Nikon Df、Leica M-P typ240、FUJIFILM X-E2、Leica X2、そして最近仲間入りしたOLYMPUS PEN-Fだ。こうして数えてみると7台もあったのかと少し驚いてるけど。

RICOH GR

もちろん所有台数でいえばフィルムカメラのほうが多い。それでもデジカメもけっこう数があるのは何もコレクションしているわけではなくて、実用するからある程度使い分けを想定して手に入れていて、しっかりフィルムカメラとデジカメを併用しているのである。

Nikon D300

ただ、傾向はあって、スナップ用カメラか、フィルムライクなカメラだということ。D300だけ少し異質かもしれないけど、単純に本格一眼レフ機で息子のスポーツ行事なんかを撮ることもあるから、それはそれで所有し続けている理由はあったりする。

Nikon Df

けれど、こうやって揃ったカメラたちを俯瞰で眺めてみると、まあメジャーなカメラは一台も持っていない。どこか本流からズレたカメラというか、一癖ある潔い方向性に振ったカメラが多い。あまり人が持っていないカメラ、ということになるんだろうか。やはりじぶんはひねくれてるなと思ったり。

Leica M-P typ240

それでもデジカメは僕のカメラ生活に無くてはならないモノへとしっかり定着した。ひと頃はカメラはGRだけだったんだけど、ある日フィルム一眼レフに出会って以来、「スナップ」と「フィルムライク」というじぶんの中の嗜好が見えてきて、そのモノサシにそったデジカメであれば積極的に使ってみようと思えるようになったのである。

FUJIFILM X-E2

ただ、そんなだから、デジカメの作法もちょっと普通とは違うかもしれない。ISO感度やホワイトバランスなんかは「オート」にはしておらず、一回一回持ち出すたびにフィルムカメラのように値をセットする。モニターもオフにしたり見なかったりでそこにデジカメの便利さはない。レンズもマニュアルフォーカスが多いから、そうだなあ、デジカメの恩恵としてはまさにフィルム代がかからないのと、現像に出さなくていいことということになる。

Leica X2

それでも高感度であることや、シャッタースピードが高速で切れることは物理的にもメリットで、それでスナップの幅が大きくひろがるということはある。実際にフィルム代や現像代がかからないから、日々の愛犬との散歩へ持ち出すのはもっぱらデジカメだし、アダプターを介してオールドレンズを楽しめるのもなかなか気に入っている。

OLYMPUS PEN-F

まあ、写真の雰囲気はフィルムのほうが豊かなんじゃないかとかいろいろ意見はあるだろうけど、いかなる時もシャッターが切れるというのはフィルムカメラやデジカメを問わない使い方のメリットだし、もしこれから先、仮にフィルムがこの世から無くなることがあっても、僕にはデジカメだってあるという安堵感はどこかある。理由をあえてあげればそんなことになるけど、単純に好きなんだよね、デジカメも。好きになったというのが正確かな。最初に書こうと思ったことと若干論点がズレてる気もしなくもないけど、まあつまりデジカメもいいよ、という話でした。