フィルムカメラ

11歳のチャリンコ友だちとフィルムカメラとの週末。

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僕がフィルムカメラを乗せて最近乗ってる自転車は、もともとは息子といっしょにチャリンコ時間を楽しむために手に入れたところがある。というのも、息子は小さい頃に自転車に乗る習慣がなくて去年あたりから少しは乗れるようになったものの、本人も苦手意識があって自転車を避けてるところがあった。まわりの子たちはもちろん自転車に乗れるんだけど、息子だけは友だちのところへ行くにも徒歩で行っていた。さすがにもうすぐ中学生になるのに自転車に満足に乗れないんじゃマズいだろうと、父が息子の自転車練習にたちあがった、というわけである。でも、さすがは子ども。二、三週末ほど練習したらあっという間に安定して乗れるようになってきたんで、じゃあ男二人で近所をポタリングできるようにと、近くのホームセンターで僕の自転車も購入。ここ最近は、週末に息子とチャリンコ友だちな時間を過ごすのが密かな父の楽しみだったりする。

昨日から風邪で寝込んでいた息子も午後になって大分元気になり、じゃあということで奥さんの許しも出て、父と息子で近所を二台の自転車で軽く流してきた。息子は自転車の気持ちよさを少し感じ始めていて、僕の本格的なロードバイクのことを聞いてきたり、たわいのない日常会話をしながら自転車に乗る時の安全確認の仕方なんかも教えながら走る。平地の公園で休憩をとりながらゆっくりと、ゆっくりと走る。そして、花が咲く場所では自転車を降りて僕のフィルムカメラで二人で写真を撮る。なんともアナログな時間だけど、ふだんゲームをする息子とデジタル漬けの仕事な僕にとってはそのアナログなひとときが感覚を中和してくれるようで心地いい。僕は僕、息子は息子だから、息子の人生に僕の趣味や価値観を強要するつもりはないけど、こうして過ごすスタイルが同じものがあればいいなあと密かに父は願いながら息子の成長を見守る。11歳、たぶんあっという間に成人式が来るんだろうな。それまではなんとしてもがんばるという意識の父なのである。

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