Leica M3

フィルムカメラはビギナーにやさしいんだ。

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フィルムカメラと聞くとなんだか撮るのも現像も面倒そうと思うかもしれない。事実、僕も3ヶ月前まではそうだった。でも、あっという間にフィルムカメラに魅せられた。それは、写真の風合いやレトロなカメラの愛おしさもあるけど、想像してたよりフィルムカメラがビギナーにずっと優しかったということ。

この写真はフルマニュアル機で撮ったもの。つまり露出をじぶんで決めて撮らないといけない。この写真を撮った時はとっさに撮らなきゃいけないシチュエーションで、もう絞りもシャッタースピードも慌ててそれどころではなく、ピントも無限遠でとにかくシャッターだけ切った。でもね、現像してみると意外とちゃんと撮れてるんだ、フィルムって。これはいわゆるネガフィルムはラティチュードがひろいってやつで、少々露出を間違っちゃってもかなりのひろい許容範囲で受け止めてくれる。ビギナーだとマニュアル撮影はかなりジビアに露出を合わせないと写真が撮れないものというイメージがあるけど(僕もそう思ってた)、ざっくりいえば全然露出はあやふやでもOKなんだ。特にオーバー目に撮っておく分には、ネガフィルムはかなり寛容に応えてくれる。ポジフィルムはそこはジビアだと言われるけど、一般的なネガフィルムなら、実に大きな懐でフィルムビギナーを受け入れてくれるんだ。

このことは僕にはかなり衝撃的だったなあ。たしかに初めてフィルムで試し撮りしたものが現像からあがってきた時も、あまりに普通にちゃんと撮れていて驚いた。絞り優先で撮れるカメラではあったけど、感度は間違えるは絞りは開けすぎるはで散々な撮り方だったんだけど、フィルムはとにかく優しく受け止めて写真にしてくれた。このことが僕にフィルムっていいなと感じさせたいちばんの要因かもしれない。もちろん、フィルムでもデジタルのように精密な写真を撮る人に言わせれば僕の撮るような写真は甘々かもしれないけど、僕はプロじゃないし、精巧に撮ることよりその場の空気をフィルム色で撮れれば十分満たされる。ブレだって愛着だし、フレアだって味だし、そう考えるとフィルムカメラはむしろシンプルでやさしく接してくれると感じたんだ。

そういうフィルムのやさしさがわかったら、いわゆるフルマニュアルの機械式カメラも欲しいなと思えるようになった。数ヶ月前にはじぶんがフルメカニカルシャッターのカメラを持ち出す姿なんて想像もしなかったけど、フィルムがそのハードルをあっいう間に下げてくれた。こんな無知な僕でもじぶんでなら”あ、いいな”という写真なら撮れる。しかも、カメラ任せのフルオートじゃなくて、じぶんで操作して撮れる。そうしてできあがる写真にはやっぱり愛着がわく。フィルムブームの背景には単に写真の風合いだけじゃなくて、そのへんの”フィルムの意外な優しさ”があると思うな。どうだろう。

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