Nikon Df

フィルムのおかげで出会ったデジタル、Nikon Df。

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きょう仕事帰りに注文していたNikon Dfを受け取りに行ってきた。とにかく渋い、それに尽きる。僕が手にした歴代のデジタルカメラをすべてお世話してくれたカメラのキタムラの信頼する店員さんが、このDfも二、三日で速やかに取り寄せてくれて、スクリーンのフィルム貼りからニコン巻きまでひと通り仕上げて、待ちわびた僕ににっこりと笑って手渡してくれた。

Dfを準備している最中にその店員さんと感慨深く話してたんだけど、過去にD5300とD750(その他にもP340とP900も)をその店員さんから買い、手放す時もその店員さんに買い取ってもらった。それから一年半くらい経って、またこうしてデジタルのフルサイズを手にすることになるとは夢にも思っていなかったと、二人して笑っていた。

それもこれもDfを呼び寄せたのは間違いなくフィルムカメラとの出会いだ。Nikon FEから始まったフィルムカメラライフは、僕にマニュアル撮影やそれに必要な露出の知識、そしてカメラを操る本質的な楽しさを教えてくれた。気がつくと手元には数台のフィルムカメラと数個のMFレンズが揃っていた。フィルム写真の風合いがもちろん大好きなんだけど、同時にマニュアルでカメラを操るのが好きなことに気づき、もう一度デジタルをマニュアルで動かしてみたいと思うようになった。

まずは試しに中古でDX(APS-C)のNikon D300を安く手に入れ、じぶんなりにデジタル一眼レフをマニュアルで撮る醍醐味のようなもなものを再確認してみた。その手応えは僕の中では想像以上で、これは間違いなくおもしろいということを確信したんだ。そうして、まさに満を持して35mmフルサイズのNikon Dfを検討し始める。いや、正確にいうと、検討というより、もうDfを手に入れることは僕の中では必然だった。

カメラのキタムラではじぶんで持ち込んだオートニッコール50mm/f1.4を装着してみた。そして帰宅してからAi 35mm/F2.8を装着し、何度も何度もそのフォルムや佇まいをいろんな角度から確認した。垂直に立ったフィルムで馴染みのある旧Nikonロゴ。カニ爪のレンズがいかにもしっくりくるフィルムライクなデザイン。そしてFEやFMを思わせるペンタ部と、往年のNikon機を思わせるダイヤルの並んだ軍艦部。すっかり僕はやられていた。

今夜は電池を充電して、レンズ情報を登録し、ひと通りのメニュー設定だけセッティングし、あとはひたすらシャッター音を聴いている。少し低音の心地いい音色。そして気がつくのは、見た目を裏切るほどの軽さ。分厚いと思っていたボディの厚みも、手に持ってみるとフィルムカメラよりは厚いものの、なかなかしっくりくる。カメラは手に持ってみてなんぼと言うけれど、まさしくDfもその言葉が当てはまる。このフルサイズのカメラは、仰々しいフルサイズという感覚ではなくて、あの軽快なフィルムカメラのフルサイズの感覚。それはフィルムを経てDfにたどりついた僕に、期待通りの手応えを感じさせてくれた。

夜も更けて、明日も明後日ももちろん仕事。試し撮りができるのは週末まで待つことになる。早く撮ってみたいという衝動にはかられるものの、このカメラのよさは、こうして眺めているだけでも絵になるということ。F2を眺めて空シャッターを切るのと同じような感慨深さがこのDfにはある。果たしてDfはフィールドでのスナップ撮影でどんな感覚を僕に提供してくれるのか。週末までは首を長くして待ちたいと思う。ちょうどフィルム撮影で現像あがりまで首を長くして待つような、あのワクワク感を胸に。

Nikon Dfは古くならないのがいい、フィルムカメラのようにね。 Nikon Dfは古くならないのがいい、フィルムカメラのようにね。 Nikon Dfって2013年発売だから、もう5年も前の製品な...
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