写真とは

カメラを持って一人旅すると楽しいだろうな。カメラと対話する旅。

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本格的にカメラを趣味にしている人なら、何度もそうした旅をしているんだろうけど、僕はまだない。旅行する時にカメラは持っていくけど、旅行は家族と泊まりに出かけるくらいしかないから、そうすると家族の記念写真を撮る旅であって、一人でカメラに向き合う旅ではない。そう考えると、時間のたっぷりあった若い頃にカメラに出会ってたらもう少し違った人生になったかもなと思ったり。若い人はほんとカメラでもなんでも若い頃に濃密な時間を楽しんだほうがいいよ、それはもう本当に。

大人になって家族を持つと、じぶん一人っきりの時間というのはほんの僅かだなということに、はたと気づく。全然無いわけじゃないけど、社会に出て収入は増えても、時間は綺麗に反比例して減ってゆく。もちろん寝る間を惜しんで無茶する楽しみは無くはないけど、それなりに責任を背負って生きてるわけで、睡眠も大切だし、他人のためにじぶんの時間を犠牲にすることはある程度織り込み済みの生活を送らないといけなくなる。それが嫌なわけではないけど、とにかく一人っきりの時間だけは少なくなることは確実だ。たまに学生さんの面接なんかをして、学生時代のいちばんの思い出は海外を一人旅したことですなんて聞くと、無性に学生時代に戻ってやり直したくなるんなだよね、人生を。

ちょっと重い話になっちゃったかな。まあそれくらい時間は大切ということで。もっとライトな話として、例えばきょう僕は午前中の二、三時間、一人車を飛ばして古い町並みをカメラで撮り歩いたんだけど、その間っていうのはとても心満たされているじぶんがいてね。ものすごく派手に心踊ってるということではないんだけど、なんというか心静かに集中して没頭できている時間という感覚かな。一人カメラと向き合って、カメラと対話し、カメラと共同作業で目の前の光景を写真に収めてゆく。そうするとふだんなら見過ごしてしまいそうなものが目に止まったり、それが起点になっていつもは考えないような事柄を脳が思考し始めたりする。そういうひと時が実に心地よくて、このまま帰りたくないなとか思う。そう考えると、これが数時間の週末じゃなくて、数日間、数週間の旅だったらどれほど気持ちいいかとか考えちゃうんだよね。フィルムカメラで一枚一枚慎重におさめていくもよし、デジカメでとにかく呼吸するようにどんどんシャッターを切ってゆくもよし。基本しゃべらずに、心の声だけで過ごす時間。なにげなくメモのように書き始めた話だけど、書いてるうちに本格的にカメラと一人旅したくなってきたな。人生のうちで行ける日があるかな。やってくるといいな。いや、僕次第か。なにかひとつまた目標のような、希望のようなものができたな。心に留めておこう。

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