じぶんメモ

これはカメラ・コレクションではない。僕の好奇心の歴史だ。

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Nikon F6, 50/1.4D

僕は過去に一度、手持ちのカメラやレンズをほぼすべて(RICOH GRのみ残して)手放した経験がある。その反動からか、Nikon FEで本格的カメラを再開してからは、新しいカメラを手に入れても手持ちのカメラを手放せずにいる。コレクションしているつもりはない。ただ、愛着があってか手放せずにいる。以下は、の軌跡であり、僕のささやかな歴史だ。

RICOH GR

1台目はRICOH GR。僕の手持ちのカメラの中でいちばん長い付き合いのカメラ。ある時期は来る日も来る日もこのGRだけで撮ってた。GR Lensは恐ろしく優秀で精密。広角28mm、縦位置構図など、GRが僕の基礎を作ったと言っても過言ではない。

Nikon FE, Ai-S 50/1.8

2台目はNikon FE。このフィルムカメラが僕に再びカメラの楽しさを教えてくれたことは間違いない。外観は綺麗だけど、ファインダーの中はけっこうゴミがあったりもする。でも、シャッターフィールとできあがりの写真が、古いことや程度はそんな大したことではないと気づかせてくれた。

Konica C35

3台目はKonica C35。昭和の大衆的カメラ普及を支えたフィルムコンパクトカメラ。操作はピントを合わせるだけのほぼオートだけど、オートで恐ろしく味のある写真を作り出してくれる。今は亡き小西六コニカの傑作レンズ、ヘキサノンは素晴らしいの一言に尽きる。

Leica M3, Planar T*2:50 ZM

4台目はLeica M3。この頃からカメラを手に入れる感覚が麻痺し始める。でも店頭でM3に触れた時の衝撃は忘れない。恐ろしく滑らかなシャッター巻き上げ、恐ろしく静かなシャッター音、このカメラがキング・オブ・カメラ、キング・オブ・ライカと言われる所以が強烈に分かった。

Nikon FE Black Body

5台目は黒のNikon FE。週末に家の近所のカメラ屋でたまたま見かけて、数千円だったから救出して持ち帰ったもの。すでにシルバーボディのFEを持っていたから、50mmと35mmのレンズをそれぞれつけて、焦点距離ごとに2台のFEを使い分けてた。今は残念ながら動いていないけど、手放さずに手元にある。

Nikon F2, Auto 50/1.4

6台目はNikon F2。この頃、NikonのF一桁機が欲しかったんでF、F2、F3を触り比べしていたんだけど、最後は機械式のNikon最終モデルが欲しくてF2にした。その堅牢性と艶のあるデザインはなんとも言えない機能美を放つ。このF2が僕の中のNikonを特別なものにした。

Nikon D300, Ai-S 50/1.8

7台目はNikon D300。フィルムカメラで露出を合わせて撮る楽しさを覚え、もう一度デジタル一眼レフをマニュアルで楽しみ直してみたいと思い、フィルム感覚の低画素で撮れるD300を中古で手にする。10年前の製品とは思えない高品質の作りに驚嘆する。さすがDX(APS-C)機のフラッグシップ機だと思い知らされる。

Nikon Df

8台目はNikon Df。D300で完全にマニュアル感覚で撮るデジイチの魅力に目覚め、じぶんの中で最後のNikonの新品購入だと位置づけて購入。フィルムニコンで使っていたオールドニッコールたちが使える世界はたまらなく楽しかった。このDfでデジタルへの偏見みたいなものは無くなった。

Nikon F6

9台目はNikon F6。フィルムとデジイチの融合みたいなものが、僕にF6を手に取らせた。その手に持った時の言いようのない凄みと品質、例えようのない美しいシャッター音に、僕は完全に魅せられた。その正確な露出計からリバーサルフィルムで撮るようになったのもF6のおかげ。本当に化け物のような一級品カメラである。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5

10台目はLeica IIIa。Nikon F6で打ち止めだと思っていたカメラ欲がこのバルナックライカの購入と共に一気にまた扉が開いた。最初に手にしたバルナックはIIIfだったけど、ひょんなことから二日後にIIIaに交換。このバルナックを手にしたことで、街撮りスナップという好奇心が開花したように思う。すでに持っていたM3とは異なるその感覚に、ライカ=スナップカメラという認識ができあがる。

Leica M-P typ240

11台目はLeica M-P typ240。ついにスナップ欲はデジタルライカに飛び火する。ライカマークの赤バッジを廃したブラックペイントのM-Pはこれぞ究極のスナップシューターという感動があった。このM-Pを手にしてからオールドレンズにもハマっていくことになる。

FUJIFILM X-E2

12台目はFUJIFILM X-E2。Leica M-Pとオールドレンズの楽しみを雨の日にも味わいたいと思い、ひと世代前のミラーレス機とロシアンレンズたちを手に入れる。これが雨用と言わず楽しかった。Industar-61 L/D 55/2.8も手に入れるなど、すっかりオールドレンズの世界に魅せられていった。

Rolleiflex Standard

13台目はRolleiflex Standard。オールドレンズで撮る味は二眼レフ、それも赤窓時代の120フィルムの原点、スタンダードに行き着く。初のブローニーだけど、ブローニーということより二眼レフを上から眺めるファインダーで撮る行為に興味があった。そのファインダーの中の絵本のような世界は圧巻だった。

Gakken Flex

14台目は学研フレックス。これも立派なカメラということで、僕の中ではなかなか思い入れのある一台。おなじみ学研の大人の科学の付録だけど、これをじぶんの手で組み立てて試し撮りに出てみた時の感激は今も忘れない。写りは決して良いとは言い難いけど、そんなものを超越した楽しさがこのカメラにはある。

Rollei35

15台目はRollei35。これは間違いなくRolleiflex Standardの影響だ。スタンダードと同じTessarのレンズがついた最初期のRollei35が欲しかった。それまで街撮りコンパクトはKonica C35だったけど、露出を合わせて撮るRollei35の魅力が、僕には心地よく思えるようになっていた。

Asahi Pentax SP, SMC Takumar 55/1.8

16台目はAsahi Pentax SP。何を思ったのか、サッカーW杯で日本代表が勝ったらカメラ買うとTwitterでつぶやいたところ、まさかの勝利。これもまた縁だと悟り、前々から気になっていたPentax SPとTakumarを手にすることになる。それにしてもこの写りの良さにはシビれた。ここ最近で最もヒットだったカメラ&レンズになった。

Leica X2

17台目はLeica X2。これは夏用カメラが欲しかった。夏でも汗なんかを気にせずフットワーク軽く持ち出せる街撮りスナップカメラ、そう想像した時に頭に思い浮かんだのはバルナックライカ。あのサイズ感でデジタルでヒュンヒュン撮れればと考えたら、このX2にたどり着いた。外付けEVFをつけるとX2は俄然カメラらしい撮影フィールに変身する。

というのが、僕のこれまでのカメラの軌跡だ。ほんとにじぶんではコレクションしてるつもりはまったくなくて、ただただ流れに身を任せて好奇心に耳を傾けていたら、ここまでいつのまにかやってきたという感覚だ。新しいカメラを迎えるたびに、手持ちのカメラのどれかを手放そうと思ったことは何度もあるんだけど、なんというか愛着みたいなものがすべてのカメラを手元に残させたという感覚だろうか。

この先があるのか、それともここで終わりなのか、じぶんでも分からない。でも、こうして振り返ると、どのカメラにもその時のじぶんの心境にフィットした思い入れのようなものがあり、なかなか手放すことができていない。実は今、もう一台欲しいカメラがある。さすがにそれを手に入れるとなると、どれかは手放す必要があると思案中なのだが。さて、どうなることやら。

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