露出を計ってから撮る。それだけで撮るという行為はすごく変わる。

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きょうは久しぶりに平日のオフ。少し寝坊をしたけど空シャッターを楽しんだLeica M3にFUJI FILM業務用100/24枚撮りをセットして散歩カメラに出た。先週初の試し撮りをしたM3だけど、前回ははやる気持ちもあって露出をわりといい加減に固定したまま撮ってしまったという反省もあり、きょうはしっかり露出計アプリを使って一枚一枚じっくり撮ろうと思った。カメラバッグの中にはNikon FEとRICOH GRも入れてある。まずはフルマニュアルのM3で撮り始めた。

まずは空と桜を撮ろうと露出計アプリをかざすんだけど、これが絞り開放付近だとまったくssの最大値1/1000で撮れないことに気づく笑。僕のレンズはf2だけど、露出計を見ながらどんどん絞る。そうするとf8とかf11でようやくssが1/50までの値で撮れるようになるのが分かる。誰かのブログで見たんだけど、ひとつの目安としてレンズが50mmならそれ以下のssでは手ブレが出やすいので、レンズのサイズをssの限界値にしたほうがいいと書いてあり、1/50〜1/1000までの間で露出を確保しようと考えていた。

僕の主な散歩カメラのコースは、森の中だ。となると、今度は露出を確保するのに感度100のフィルムだとなかなかssが1/50より長い時間必要なシーンが多いことに気づく。たしかに太陽光も差し込む森ではあるけど、晴天の青空の下よりは薄暗い。そうすると絞りを開放値f2まであけても、ssが1/50では足りず、もうちょっとssを稼ぎたくなる。試しに露出計アプリのISO感度を400に変えて計ってみると、ssは1/125程度のいいところに落ち着いてくる。そっか、森の中では感度100ではきついシーンも出てくるんだなとあらためて気づかされる。こんなことはデジタルで撮っていた時には気にもしなかったこと。そして、そんなこんな一枚一枚を撮る前にこうして露出を計ってあれこれ考えながら撮ると、ものすごく撮影に時間を要すること、そしてそれはとても楽しく興味深いことなんだと分かってくる。僕はそう思った。

結果、一度の散歩ではM3に入れた24枚を最後まで撮りきれなかった。あ、フィルムを一本撮るというのは、フルマニュアルだとこんなにもゆっくりで丁寧に進める行為なんだなと。このへんのニュアンスはフィルムカメラでも機種によってずいぶん変わる。例えば僕の持つ一眼レフのNikon FEだと電子式シャッターなんで絞り優先オートで撮ることができる(もちろんマニュアルでも撮れるし、万一電池が切れても1/90は機械式シャッターで切れる)。f値を決めたら後はオートでssが設定されるから、デジイチと同じ感覚で楽に撮れる。もうひとつのフィルムコンパクトKonica C35にいたってはピントを合わせる以外はフルオートだ。そうやって考えるとフルマニュアルの機械式カメラがいかに手のかかるカメラであるかを再認識する。でも、それが面倒かというとまったく別物で、露出を一枚一枚計りながら考えてじゅくり撮ることこそが味わいなんだと。もっと言えばシャッターを切る前の、露出を考えて仕上がり写真をイメージする行為こそが写真を撮る楽しみそのものなんじゃないかと思えてくる。これがLeica M3を手にした僕のいちばんの気づきであり成果である。

もちろん街中の喧騒の中での慌ただしいスナップではそんなじっくり撮る余裕はないからC35やGRのようなスナップシューターがいるんだろうし、適度に癒しを感じながら撮るにはFEのような絞り優先オートでとれると楽でいて一眼レフの醍醐味を味わうことができる。それぞれ違うんだよね、使いたくなるシーンがね。だから、これだけたくさんの種類のカメラやレンズが存在するんだろうし、いろんなシチュエーションの異なる写真が毎日世界中で生まれる。そういうことに気づけただけでも価値があるし、なにかとても心が豊かになった気がしている。カメラ通のひとに言わせれば何を今更みたいな話かもしれないけど、デジイチからフィルムに移行したてのカメラビギナーのこれが素直な実感なのである。おもしろいよね、カメラはたしかに沼だけどそれは機種を買い増す沼というより、この写真の世界の深さのことだと思うな。僕はそっちのほうの沼にいまハマりつつある。

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